【インタビュー】ν[NEU]、完全完結を掲げたバンドのラストメジャーデビューアルバムに永遠「一発録りによる今の音を」

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■『N.ever』は二度とない(never)という意味であり
■ν[NEU]を永遠に(ever)したいという想いを込めて


──そしてアレンジを変えて再録音した1曲目「everlasting light」、最後の曲「エンドロール」は解散公演の渋谷公会堂のライブタイトルでもありますし、2曲とも思い入れが深いのではないかと。

ヒィロ:そうですね。

mitsu:今、おっしゃっていただいた2曲は、どちらもシングル表題曲ではないんですね。「everlasting light」はシングル「妄想日記」(2013年発表)のカップリングで、「エンドロール」は当時の解散ライブでの配布曲。でも、両方とも僕らのライブの最後にやる曲なんです。ファンと一緒に育ててきた曲なので、「解散から10年たった今、この2曲をメインにして、ちゃんと形にしよう」と話した上でこういう形になりました。

──今のν[NEU]ならではのアレンジで?

mitsu:はい。ライブでずっとサポートしてくださっている夢時さんがツインギターの一方を弾いているんですが、夢時さんはタクミと華遊の師匠でもあるんです。この2曲も今のν[NEU]を追求したアレンジですね。

ヒィロ:僕個人は、この2曲のベースアレンジをka-yu (ex. Janne Da Arc)さんにお願いして、ka-yuさんからお借りしているka-yuさんオリジナルベースでレコーディングしたんです。中学生の時にJanne Da Arcを知って“この人になりたい!”と思ったのが僕がベースを始めたきっかけであり、そのときにヴィジュアル系のバンドマンになろうと思ったんですね。今は一緒にお仕事をさせていただく機会もあったり、僕のベースの師匠なんです。

──そうだったんですね。そういえばヒィロさんは、イベント<ABC vs Janne 〜Respect Cover2man LIVE>の発起人のひとりでもありますし。

ヒィロ:少年時代にka-yuさんのベースに救われて、僕自身もバンドを組んでたくさんの夢を叶えてきました。今回、憧れの方に自分たちの楽曲のベースアレンジをしていただいたので、僕は心おきなく引退できるんです。今はゴールに向けてとにかくワクワクしていますね。


──では、全体的には録音方法や環境は違えど、今のν[NEU]がテーマというか。

mitsu:あと、アルバムジャケットのタイトルの“N”が手書きになっているんです。ヒィロと考えたんですが、復活するに当たって設立した会社の名前が“N.ever”だったので、“もう二度とない”という意味が今のν[NEU]と重なると同時に、“N”をとったら“ever”で「everlasting light」じゃないけど、ν[NEU]を永遠にしたいという意味合い。その両方を込めてアルバムのタイトルを決めたんです。手書きで書いた“N”は上がって下がってもう1回上がる線となるので、メジャーデビューして解散、一度絶望を味わった僕らが、もう一度、あの頃のピークを更新するという想いを込めてます。

──ν[NEU]の曲は基本、メロディックでキラキラしていますが、楽曲にも歌詞にも闇と光があり、一筋の光やひとつの希望が浮き彫りになる。そんな共通点を感じました。

mitsu:デビューシングルが「RED EMOTION 〜希望〜」だったように、そもそもν[NEU]のコンセプトが希望なんですよ。バンドを始めた時は初期衝動だったり、何かしらに希望があって、僕はバンドが希望だと思っていたんですが、解散後、ソロになって鬱になったこともあったし、月日が経つうちに自分が信頼できる好きなメンバーと一緒にいることが希望なんだなって感じるようになったんです。希望の意味はわかっていたつもりだったんですが、絶望を知った今のほうが解像度が高くなっているなって。なので、今さらですが、今はν[NEU]が希望だって何の恥ずかしげもなく言えるんです。当時、書いていた歌詞にも“こんなこと歌っていたんだな”って良い意味で思うし、“今だからこそ、この歌詞をもっとちゃんと歌えるな。続けてきてよかったな”って。だから、そういうふうに言っていただいて嬉しいですね。

──今、初めて聴いても刺さると思います。光に溢れているのではなく、一筋の光だからこそ。

mitsu:一筋の光が見える時って、周りは暗かったりするんですよね。孤独の中にいて小さな穴や出口から刺してくる光。人はみんな孤独を知っているはずだと思うので。

ヒィロ:mitsuくんが言ったようにつらいことがあるから、楽しいことの価値がわかったりするんですよね。僕らも解散を伝えたあと絶望を感じて、それぞれが孤独の中、生きていくための選択をしてきた5人が再び集まった。同じ集合体でも強くなったと思うし、今のほうが希望の大きさを感じています。


──では、7月7日からスタートする全13ヵ所のラストワンマンツアー<LAST ONEMAN tour『N.ever』>に今、思っていることは?

ヒィロ:本当なら「ラストツアーはこういう気持ちで廻って行きます!」とか明確な目標があるべきなのかもしれないんですが、正直ないんですよ。

ЯeI:今はスケジュール的にハードでしんどいんですけど、すごく充実しているんです。やっとドラムが伸び伸び楽しく叩けるようになりました。復活当初は不安があったんです。

mitsu:「叩けるかな」って言ってたもんね。

ЯeI:なので、ラストツアーもとにかく自分が楽しんで全箇所廻りたいっていう気持ちしかないですね。

タクミ:限られた本数ですが、最後というのは特に意識することなく、バンドがなくなったとしても、メンバーとの繋がりが切れるわけではないから、あまり悲しさは感じてないですね。

mitsu:そうだね。悲観的ではないね。

ヒィロ:10年前とそこが違うよね。前はもう会えなくなるとか、終わることにつらさも感じていたので。

──最後に完全完結のゴールとなる1月4日の渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)で目指すのは、“永遠”ということですが、その意味について教えていただけたらと思います。

mitsu:僕は、昔も今も“永遠”は存在しないと思ってるんです。だからこそ、チャレンジしたいですね。ずっと知らないことを知りたくて旅している感覚があるので、ツアーはこのメンバーと行く船旅みたいなものなんです。新しいところに行きたいし、“永遠なんてないだろう”と思っているからこそ、自分の価値観を超える出会いが待っているかもしれない。もしかしたら“ゴール”の先に永遠があるのかもしれないし。僕はヒィロのように引退すると決めて歌ったことはないですが、ν[NEU]で終わりを決めたんだから、もしかしたら知らないものを見つけられるかもしれないと希望を持って旅をしたいと思います。

ヒィロ:“永遠”って僕らじゃなく、ファンが作るものなんじゃないかと思うんですよ。解散して10年経ったバンドにお客さんが集まってくれるってすごいことだなって、復活して日が経つほど思うんです。昨日もFC旅行でね。

mitsu:そう。お母さんと一緒に9歳の女の子が来てくれたんです。その女の子はν[NEU]が存在していなかった時代に生まれ育って、昨日もすごく楽しそうにしてくれていたんですね。そういうことがヒィロが言う“ファンが永遠にしてくれる”ということなんじゃないかなと。

ヒィロ:永遠を探している僕らが、それを残すために刻んでいく旅なのかなって。そのためにも一番カッコいい姿でν[NEU]を終わらせたい。

mitsu:そうだね。

ヒィロ:目に焼き付けてほしい。そうすれば、バンドって永遠になれるのかなと思いますね。

取材・文◎山本弘子

■ラストメジャーデビューアルバム『N.ever』


2024年7月3日リリース
購入リンク:https://warnermusicjapan.lnk.to/N.ever

【CDA豪華盤】WPCL-60074 ¥8000(税込)
※ワーナーミュージックサイト独占販売限定盤(サイン&購入者の名前入り)
・デジパックジャケット
・全32Pスペシャルブックレット&ロングインタビュー入り
▼CD15曲入り
01. everlasting light(リアレンジver.)
02. PULSE(2024ver.)
03. LIMIT(2024ver.)
04. スプラッシュ!(2024ver.)
05. エコー(2024ver.限定版のみ)
06. RED EMOTION ~希望~(2024ver.)
07. 恋模様(2024ver.)
08. YES≒NO(2024ver.)
09. cube(2024ver.限定版のみ)
10. APOLLON(2024ver.)
11. The 25th Century Love(2024ver.)
12. 妄想接吻(2024ver.)
13. ピンクマーブル(2024ver.限定版のみ)
14. ひとりじゃない(2024ver.)
15. エンドロール(リアレンジver.)

【CDA通常盤】WPCL-13593 ¥3500(税込)
・通常ジャケット
▼CD12曲入り
01.everlasting light(リアレンジver.)
02.PULSE(2024ver.)
03.LIMIT(2024ver.)
04.スプラッシュ!(2024ver.)
05.RED EMOTION ~希望~(2024ver.)
06.恋模様(2024ver.)
07.YES≒NO(2024ver.)
08.APOLLON(2024ver.)
09.The 25th Century Love(2024ver.)
10.妄想接吻(2024ver.)
11.ひとりじゃない(2024ver.)
12.エンドロール(リアレンジver.)

●協力店用特典DVD
2024年3月2日 渋谷REX公演映像
<通常盤>
▼先着購入者特典
・タワーレコード:2曲入りライブDVD(タワーレコード Ver.)
 「カレイドスコープ」(音源未収録曲)
 「LIMIT」
・HMV:2曲入りライブDVD(HMV ver.)
 「最愛と渇望の日々」(音源未収録曲)
 「YES≒NO」
・上記以外の応援店:2曲入りライブDVD(メーカー特典 ver.)
 「Jumping Lady!」(音源未収録曲)
 「ピンクマーブル」
・Amazon:メガジャケ

■<フリーライブ『スプラッシュ!』&『N.ever』アルバム特典会>


7月15日(月/祝) 東京・池袋サンシャインシティの噴水広場アルパB1
▼第1部
フリーライブ:11:30~12:00
特典会:12:15~13:30 ※撮影会(緑衣装)
▼第2部
フリーライブ:14:30〜15:00
特典会:15:15〜16:30 ※サイン&握手会(黒金衣装)
▼第3部
フリーライブ:17:00〜17:30
特典会:17:45〜19:00 ※撮影会(黒金衣装)

※当日会場にてCD(通常盤)をお買い上げいただいた方は特典会にご参加いただけます。
※3部制。ライブ/イベント共に各回内容が違います。
※CD(通常版)ご購入いただいた方には、先着順でステージ前のスペシャルシートでご観覧いただけます。
※当日、3部全ての特典会参加者は8月25日(日)に都内某所で行われるプレミアムアコースティックライブ&トークイベント<in my secret...>に無料招待。詳細は後日発表。
(問)ワーナーミュージック・ジャパン カスタマー・サービス・センター
https://wmg.jp/inquiry.php

■ν[NEU] ラスト主催イベント<New Future〜新未来〜>

2024年7月6日(土) 東京・Spotify O-EAST
open14:45 / start15:30
▼出演者
ν[NEU]、 DOGinTheパラレルワールドオーケストラ、Royz、甘い暴力、キズ、mitsu
▼チケット
前売¥6,000+Drink代
当日¥6,500+Drink代
一般発売:6/15(土)10:00


■<ν[NEU] since2009〜2025 LAST ONEMAN tour【N.ever】>

07月07日(日) 渋谷REX【15th Anniversary ファン感謝祭】
07月21日(日) 神戸VARIT
08月04日(日) 広島SECOND CRUTCH
08月17日(土) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
09月14日(土) 札幌cube garden
09月15日(日) 札幌cube garden
09月28日(土) 名古屋ELL【ReI バースデー】
10月12日(土) 金沢AZ
10月19日(土) 仙台MACANA
11月03日(日) 福岡Be-1
11月10日(日) 大阪MUSE【mitsu バースデー】
12月01日(日) 渋谷REX【ヒィロ&タクミバースデー】


■<ν[NEU] since2009〜2025 FINAL LIVE『エンドロール 〜何よりも大事な君に〜』>

2025年1月4日(土) 東京・渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)
※詳細後日発表



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