【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞Dizzy Sunfist、今年もサタニックに「アゲー！」

大きな手拍子に迎えられて、メイ子（B, Cho）、moAi（Dr, Cho）、そしてギャルピースをキメたあやぺた（Vo, G）が登場して賑やかにスタートしたのは、大阪生まれ、ハイスタ育ちの3ピース・Dizzy Sunfist。

◆ライブ写真

後方までびっしりと埋まったフロアが沸き立つなか、ライブはバンドのステートメントと言える「The Dream Is Not Dead」＝“夢は死なへん”、でスタートした。あやぺたが、「叫べ！」と声を上げるまでもなく、EVIL STAGEには大きなシンガロングやかけ声が巻き起こり、ステージ前方はもみくちゃだ。



そんな前のめりな観客にぶちかますように、あやぺたとメイ子はモニターに足をかけ「No Answer」のダイナミックでノイジーなリフをフロアに見舞う。moAiのパワフルな高速ビートと共に観客のコブシが突き上がり、熱気が満ちる。さらなるアンサンブルやグルーヴのエンジンをかけるように、足を高く蹴り上げるあやぺたの姿がかっこいい。その勢いのまま、「踊れ！」（あやぺた）と一声かけて「Someday」になだれ込む。キャッチーなメロディとメイ子のハーモニーによる高揚感が、アンサンブルのスピードを気持ちよく上げてくれる感覚だ。


観客のボルテージを一気に上げたところで続いたのは、「そばにいてよ」。日本語詞で、あやぺたのハイトーンのボーカルがよりエモーショナルに映える「そばにいてよ」は、鮮烈に観客の心を射抜いていく。真っ直ぐに、熱っぽく語りかける歌が、フロアに優しく降り注いだ。

「アゲー！」と今日もギャル感満載で挨拶し、今年も＜SATANIC CARNIVAL＞に呼んでもらえた喜びを炸裂させるあやぺた。そして3ヶ月前、この会場である幕張メッセでHi-STANDARDのライブを観たという（＜PUNK SPRING 2024＞）。「こびりついて忘れられない」そんなライブだったとあやぺたは語る。そして、「みんなもそんな気持ちにさせて帰りたい。うちらについて来い！」と叫ぶと、「Punk Rock Princess」へと突入。憧れや幸せ、たくさんの勇気をくれた“パンクロック・プリンセス”に今度は自分がなるんだと、力強く放つ曲だ。いつか、EVIL STAGEを埋め尽くした観客のなかから、Dizzy Sunfistの思いを受け継いでいくようなバンドやアーティスト、クリエイターが生まれてくるのかもしれない。まだまだハングリーなDizzy Sunfistだが、今年で結成15周年を迎えた。今やフェスでも頼もしいバンドのひとつとなっている。


後半は再び、怒涛の展開。たくさんの要素がせめぎ合い、スリリングに展開する「Life Is A Suspense」から「Carry On」へ、そして「でっかいの作ろうぜ」（あやぺた）とフロアにサークルを出現させると、観客はアッパーに手拍子をしながら「Tonight,Tonight,Tonight」でダンスする。ラストはキラッキラな高速チューン「SHOOTING STAR」で、あっという間の、それでいていろんな気持ちをないまぜにしたエモさで30分を駆け抜けたDizzy Sunfist。「おおきに！」というあやぺたの言葉に、観客は笑顔で歓声を送った。


取材・文◎吉羽さおり
撮影◎Nariaki Ueda