【インタビュー】『カリスマ』2ndアルバム発売。猿川慧役・細田健太 × 湊大瀬役・日向朔公「1個ギアが上がっている感じ」

◼️「？」を育てて行くのが注目ポイントかもしれない

──そして、2ndアルバム『カリスマジャンボリー』もリリースされます。今の心境はいかがですか？

細田：嬉しいですが、リリースされるだろうなとも思っていました（笑）。

日向：それは間違いない（笑）。

細田：みんな2回目のブレイクをしましたからね。ある意味ひと安心です。改めて曲の並びを見ると、1stアルバムよりも1個ギアが上がっている感じがします。1stアルバムは自己紹介的な楽曲が多かったですが、2ndアルバムはそこから一歩進んでキャラについて触れられているのかな、と。

日向：1stアルバムをベースとして、その上に積み重なっている楽曲が多いですよね。早く皆さんに聴いてほしいです。

──新曲も2曲収録されています。まずリード曲の「カリスマジャンボリー」を初めて聴いた時の感想を教えてください。

細田：最初、曲名を聞いた時に「またやってるよ！」と思いました（笑）。『カリスマ』の楽曲は時事に敏感なので、次はどこから拾ってくるのかと思っていたら「そこか！」と（笑）。楽曲も終始テンションが高くて、みんなこういう曲を待っていたんじゃないかと感じます。

日向：僕は歌詞も結構好き。《十人十色》や《ありのままの君で》など、この7人が言葉にするから説得力があるというか。応援されるように気持ちになりますし、歌っていてもテンションが上ります。

細田：「めちゃめちゃカリスマ」のアンサーソング的でもありますよね。「めちゃめちゃカリスマ」で《ちょっとだけ覗いてみない？》と言っていて、「カリスマジャンボリー」では《あの時 覗いてくれてありがとう》と言っている部分なんかは繋がってますよね。覗いてくれた人がこのアルバムにたどり着いた感じがしますし。2ndアルバムで歌う意味のある歌詞になっていると思います。



──好きなパートはありますか？

日向：（伊藤）ふみやさんが先に録っていたのですが、大瀬とふみやさんと2人で歌うパートがあるんですね。この曲のテンション感でローテンションの2人で大丈夫かなって不安があったのですが、意外といい感じになっていました。その部分は注目してみてほしいです。

細田：いろんな組み合わせがあるんですよ。猿川は（天堂）天彦と歌っている部分があります。『カリスマ』のすごいところって、どの組み合わせでも声が食いあわないんです。しかもあわせることをせずに、ぶつけあっていてもいい感じになるという。ぜひ皆さんにもじっくり聴いてそれを感じ取ってみてほしいです。

──もう一つの新曲「カリスマ・イン・ダ・ハウス」では1人ずつ歌っているパートが多いです。誰かと一緒に歌う場合と、そうでない場合では歌い方も変わるのでしょうか？

細田：僕は基本的には一緒ですが、より濃くはなるかもしれません。

日向：僕もワントーン明るくなるかも。「カリスマ・イン・ダ・ハウス」は特にそうなのですが、ソロパートで明るい感じを出すのが初めてなんじゃないかってくらいで。なので歌っていて楽しかったです。初っ端から飛び降りる場所を探してルンルンな大瀬が出せたと思います。

細田：わかりやすく順番が回ってくるのがちょっと懐かしくもありましたね。

──歌詞に関してはどうでしょうか。最後に《待たせたね、ただいま！》と言っているので、次のシーズンへの布石なのかな、と。

細田：って思っちゃいますよね。《これからも 付き纏ってよ》とかもありますしね。でも「？」です。僕らも教えてほしいくらい！　ただ、最後にちょっとエモくしてくるのは『カリスマ』の常套手段ですよね。意味不明なことをずっと言っているのに、大瀬終わりから急にエモ感を演出してくる（笑）。

日向：そう！　それも『カリスマ』らしさということで！


──そして、ソロ曲も収録されています。お2人は2ndシーズンで1番目、2番目にブレイクしていましたね。それぞれのソロ曲をどう捉えていますか？

日向：「Hell lazy, Psychology.」は、「内罰のカリスマが作られていく過程」という認識で歌っていました。1番で「どうしてこうなったのか」というところから入って、《袋小路》に追い込まれて。《無念のメタモルフォーゼ》はオシャレな言い方になっていますが、要は潰れてしまったということで。そこから内罰が加速していくというイメージで歌わせてもらいました。

──なるほど。こういった曲調を歌ってみていかがでしたか？

日向：僕、1stでこういう曲調が来ると思っていたんですよ。

細田：へぇ！

日向：内罰って内側に燃えるものがあるからこそだと思うんです。なので、こういった激しめの曲になるんだろうなと思っていて。それなのに1stはしっとりめだったので、やっとこういう楽曲を歌ってもよくなったんだと感じました。



──猿川の「ツッパれ！生涯反発」はいかがでしょうか。

細田：猿川ってこれまでポエトリーっぽかったり、ラップっぽかったり、メロディじゃないパートを担当することが多かったんですね。1stのソロ曲もラップメタルっぽい、ミクスチャーっぽい感じでした。そこから古き良きロックンロールがきたので、はじめは驚きました。内容で言うと大瀬とは逆で、未来について歌っているのかなと解釈をしていました。過去のことを歌っているのですが、過去との清算というか。《あの街》について歌っているけど、《あの街》とのことはブレイク回で終わって、それを踏まえて生きていこうという猿川の生き方を歌っているのかな、と。猿川は反発のカリスマなので、素直に言葉になっていないのもいいですよね。それが曲調から感じられる古き良きヤンキー文化、ツッパリ文化みたいなものともマッチしていると思います。猿川が好きな人はもっと好きになれる曲になっているんじゃないでしょうか。

──メロがしっかりある楽曲を歌ってみていかがでしたか。

細田：「もっとメロを歌わせてほしい」と思っていたので、やっと希望が叶いました（笑）。ただ、1曲という長さと熱量を考えると大変ではありましたね。



──お2人とも、それぞれの曲のジャンルはお好きでしたか？

細田：僕はめっちゃ好きです。バンド音楽が好きなので、1stブレイク曲の時は「レイジとかリンキン（パーク）みたいだな」と思っていましたしね。「ツッパれ！生涯反発」は80’sの邦ロック、メロコアのような要素があって、完全に趣味ド真ん中。聴きやすいし、歌いやすかったです。

日向：僕は「Hell lazy, Psychology.」の方が歌いやすかったです。

細田：いや、1stの「雪解」が難しすぎんのよ！

日向：そうね。難しいし、「雪解」はいかにニュートラルに表現できるかをすごく考えていたので、それに比べると「Hell lazy, Psychology.」は比較的やりやすかったです。


──では最後に、今後『カリスマ』のどんな部分に注目してほしいか教えてください。

日向：今後の展開……わからない……。

細田：僕らも教えてほしい（笑）。ただ、2ndシーズンの終わり方を見ると、続きが気になりますよね。新たな敵みたいなのも出てきたし、新しいストーリーも展開されそうだし。虎姫のことも良くわかっていないし、何も説明されていないという。その「？」を育てて行くのが注目ポイントかもしれないですね。

日向：シェアハウスは凡人入居不可だから、ふみやさんがあのストーリーのどこを見て虎姫くんをカリスマだと判断したのか、考察してみてほしいです。あと、『カリスマ』といえば楽曲ですから。そちらも楽しみにしていてください！

取材・文◎高橋 梓
写真◎尾藤能暢