【インタビュー】『カリスマ』2ndアルバム発売。猿川慧役・細田健太 × 湊大瀬役・日向朔公「1個ギアが上がっている感じ」

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『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』を手掛けるEVIL LINE RECORDSと、株式会社Dazedが立ち上げた二次元キャラクターコンテンツ『カリスマ』。個性豊かな七人のカリスマたちによる音声ドラマと楽曲を中心にストーリーを展開しており、人気を博している。

◆撮り下ろし写真

そんな『カリスマ』が4月24日に2ndアルバム『カリスマジャンボリー』をリリースする。本作には2023年4月~2024年2月までだいたい毎週木曜日に最新ドラマが更新されていた2ndシーズンで配信リリースされた9曲に、七人のカリスマによる新曲2曲を加えた全11曲+ドラマの中に出てきた挿入歌4曲を「おまけ」として収録。『カリスマ』といえばその独特のストーリーのほかにも、本コンテンツでしか聴けないような“ちょっとクセ強”な楽曲も魅力だ。今回のアルバムも、一聴するだけでなんとも耳に残る個性派楽曲が揃った。

今回は「反発のカリスマ」猿川慧を演じる細田健太、「内罰のカリスマ」湊大瀬を演じる日向朔公にインタビューを実施。アルバムについてはもちろん、作品全体についても語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

◼️大瀬は2ndシーズンでいじらしさ、ひたむきさが見え始めてきた
◼️猿川は一番のベーシック、常識を持っている


──『カリスマ』がスタートして、約2年5ヶ月。改めて『カリスマ』に携わっている今の心境を教えてください。

細田健太(以下、細田):単純にびっくりしています。こんなにも長く続くと思っていなかったですし、こんなにも多くの人に見てもらえるとは思っていませんでした。しかも、日々『カリスマ』を好きになってくれている人が増えているとも感じていて。僕たちはキャストの中で最年少枠なのですが、2年5ヶ月前とは自分を取り巻く環境、自分自身が大きく変化しました。

日向朔公(以下、日向):本当にそうだよねぇ。

細田:もう、全部が変わったかんじですね(笑)。オーディションが行なわれたのがコロナ禍に入りたてくらいの時期で、かなりスピーディーに終わったんです。人と接触できない状態でしたし、時間割が細かく決められていて。「◯時◯分までにここに入っていてください」みたいな。そんな忙しないオーディションから作品がスタートして2年5ヶ月経ちましたが、当時の自分が思い出せないくらいです。

日向:僕も『カリスマ』という作品をこんなに受け入れてもらえると思っていませんでした。いかんせん、ハチャメチャな内容じゃないですか(笑)。でも段々と「猿川が好き」、「大瀬が好き」、「この話いいよね」という声が届くようになってきて、「このままでいいんだ。もっと頑張るぞ」と思うようになりました。


──今では漫画化や舞台化なども展開されています。反響も多く受け取られているのではないでしょうか。

細田:はい。日に日に反響が大きくなってきていると感じています。別現場や飲みの席でも「『カリスマ』出てるの?」という話になることもあります。

日向:へぇ! 同業者の飲みの席?

細田:同業者もそうだし、そうでない方にも言ってもらえる。なので、ちゃんと届いているんだなと実感できています。さっくん(日向)が言ってくれたように、楽曲やMVって反応がわかりづらいじゃないですか。

日向:そうなの!

細田:YouTubeのコメント欄を見ると、見てくれている方はたくさんいるけど、どんな人たちなんだろうっていうのがわからなくて。ライブもしますが、1stシーズンの頃は基本的に無観客でしたし、実態が掴めていなかったんです。でも2ndシーズンになって、有観客でライブができるようになったり、いろんなところで話題に出るようになって、「見てくれている人が実在したんだ!」って(笑)。

日向:有観客ライブでコミカライズや舞台化の発表をした時も、「キャー!」という反応があって。「『カリスマ』って愛されているんだな」と実感できました。

細田:たしかに。確認できて良かったですね。

──とりわけ印象的だった反応や意見はありますか?

細田:くくり方ですかね。例えば大瀬と(本橋)依央利が「不仲組」、依央利とテラが「JK組」、依央利と猿川で「おさなな」とか。「そう見えるんだ!」と思う時もあれば、「たしかにそうだよな」と納得する時もあります。「本当はそうじゃないのに」というものもありますが(笑)、それも逆に面白い。別に不正解ではないので、いろんな解釈が見えて楽しいです。

日向:あとは、トレンドに入ったワードなんかは印象的ですよね。「#カリスマ2周年」は日本のトレンド1位にもなりました。

細田:そうですね。2ndシーズンは新キャラが出てきて、その度にトレンドに入っていたような気がします。一番すごかったのは、「アジアのカリスマ」。

日向:あれはすごかった!

細田:そりゃ反響もあるよなって思いました。ちゃんと説明もなかったですし。でもそこが『カリスマ』らしくていいのかなって。

日向:考察のしがいがあるもんね。


──『カリスマ』の輪はどんどん広がり続けていて、5月4日には音楽フェス<EVIL LINE RECORDS 10th Anniversary FES. “EVIL A LIVE” 2024>(以下、EVIL A LIVE 2024)にも出演します。『Division Leaders from ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』とのバトルパフォーマンスも決定していますね。

日向:これ、コンテンツ同士が勝手にバチバチしているだけで、キャラクターとしてはそんなつもりは全然ないんですよ(笑)。だから、カリスマ陣は……ね?

細田:ヒプマイがオラオラしているので、こっち側はね? 巻き込まれた感がすごいです(笑)。

細田:でも『ヒプマイ』は『カリスマ』が始まる前から見ていたコンテンツなので、興奮しますよ。「そこと共演できるんだ」って。あとは<EVIL A LIVE 2024>は『カリスマ』以外のアーティストさんを目的に来られる方もいっぱいいるわけじゃないですか。そういう方に『カリスマ』を生でぶつけられるのは楽しみですよね。動画や楽曲から入ってきてくれる方は多いですが、どの入り方が一番衝撃的かで言ったらやっぱり生のステージなのかなって。何も知らない人たちが「どういうコンセプトなの!?」と反応するのを見られるのが今からワクワクします。

日向:あえて、頭に「?」が浮かんだ状態で帰ってほしい。

細田:一番のハッピーエンドは「ちょっとキモかったけど、頭から離れない。検索してみよう」と思って沼ってくれるルートですよね。そのためにも、まずはヤバさをぶつける。おののいてほしいです(笑)。

──(笑)。ステージにおける『カリスマ』の強みはどこにあると思いますか?

細田:2度衝撃があることかな。まず、楽曲がヘンテコで衝撃があるのですが、ちゃんと聴くとみんな本当に歌が上手いし、パフォーマンスが良いんです。それで2度衝撃がある。最初の印象が何であれ、ちゃんと聴いてくれたら沼らせられることが一番の魅力でじゃないでしょうか。

日向:原曲がある楽曲なので、耳に残りやすいですしね。

細田:一聴しかしていないのに、すでに懐かしさを感じさせることができると思います。


──当日のパフォーマンスが楽しみです。そして、ボイスドラマは2ndシーズンが終わって現状小休止となっています。それぞれのキャラクターの解像度も高まったと思いますが、改めてご自身のキャラクターのどんな部分が魅力的だと感じますか?

日向:大瀬は2ndシーズンでいじらしさ、ひたむきさが見え始めてきたというか。1stシーズンは「自分が嫌われたくないから」という理由で行動していましたが、2ndシーズンは「みんなを守るために」という行動に変わってきたと思うんです。人のために動けるようになったのは大瀬の成長だし、魅力的な人物になってきたと感じています。ただ、根っこは変わっていないので、失敗したら落ち込みますし、自◯方法の大喜利レパートリーも増え始めましたし、大瀬は大瀬なんだよなと思いながら演じています。

──大瀬に共感ってできますか? 私は共感できるところもあって。

日向:わかります(笑)。だから演じやすいキャラクターだったりするんですよ、大瀬って。

細田:7人とも演者はキャラクターに共感できるところがありそうですよね。なんなら、自分がやっているキャラクターに一番共感しているのかも。


──そこでいうと、猿川にも共感できる部分があります。

細田:猿川的な思想の人って、僕は多いんじゃないかと思っているんです。僕もそう。よくあるのが、親にお風呂に入れと言われたら「今入ろうと思っていたのに! 言われたから嫌になっちゃったじゃん!」とか(笑)。みんなの中にある“あるある”の過大解釈をしたのが『カリスマ』のキャラクターなのかなって思ってるんです。大瀬に関しても、誰しも消えたくなる時ってあるじゃないですか。それを過大解釈して大瀬になっているという。さっくんが言ってくれたように、キャラクターたちって成長はしたかもしれないけど、根本は変わっていないんですよね。

──なるほど。『カリスマ』のキャラクターはみんなどこかしらぶっ飛んでいる部分がありますが、個人的にはもしかすると猿川が一番常識人なのかもと思っていて。

細田:僕もそう思いますよ。常識があるから反発するんです。例えば、部屋ってキレイに保たなきゃいけないし、壊しちゃいけないじゃないですか。その常識を知っているから部屋を汚くするし、壊しちゃうんです。髪の毛も一般的にピンクにしていたら社会生活に支障が出る場合も少なくないですよね。だからピンクにしているっていう。一番のベーシック、常識を持っているから、それにカウンターしているのかなと思っています。

日向:ぐうの音も出ねぇ!


──(笑)。そういった深堀りをすると、より魅力が見えてくるのかもしれませんね。ちなみに、お2人が『カリスマ』を通してやってみたいことはありますか?

細田:いろんなペアで曲を出してみたいです。大瀬と猿川はまだ出してないから、やってみたいですよね。ペアだけじゃなく、3人、4人などいろんな組み合わせで歌えたら面白いと思います。

日向:僕はラジオをやってみたいです。

細田:いいね。普通に中の人として喋っているラジオはないもんね。

日向:ぐるぐる回していろんなペアでやったら面白そう。

細田:キャラとキャスト、似ている部分もあるしね。さっくんは大瀬みたいに大事にされているし、僕は猿川みたいにいじられますし。

日向:ありがたい! でも違う部分もあるので、ひと味違った面白さが出ると思います。

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