ルーサー・ヴァンドロス、幻のアルバムが「紙ジャケ仕様」で復活

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2005年に54歳で亡くなった偉大なR&Bシンガー、ルーサー・ヴァンドロス最初期の2枚のアルバム『ルーサー(Luther)』(1976年)と『ディス・クロース・トゥ・ユー(This Close To You)』(1977年)の世界初CD化・デジタル配信が話題を呼ぶ中で、6月26日に発売される日本盤CDが世界で唯一の「紙ジャケット仕様」、高品質の「Blu-spec CD2盤」で発売されることが発表された。

これら2枚のアルバムは、彼がエピック・レコードから1981年に「Never Too Much」でデビューする以前の作品だ。

ルーサー・ヴァンドロスはソロ・デビュー前、デヴィッド・ボウイの1975年作『Young Americans』のレコーディングに参加したことで注目を集め、このセッションに参加したミュージシャンを中心にしたユニット「ルーサー」が結成された。この作品は、そのルーサー名義でアトランティック・レコード傘下のコティリオン・レコードから発表された2枚のアルバムで、当時はチャートに入ることはなかったものの、ほとんどの収録曲はルーサーが書き下ろし、彼の若々しく情熱的な歌声は高く評価されてきた。その後もCD化やデジタル配信をされていなかったこともあり、中古レコード市場において高値で取り引きされるなど、ソウルミュージック・ファン垂涎のお宝アルバムとなっていた。

1980年代のソウルミュージックとその後のR&Bシーンに決定的な影響を与えたルーサー・ヴァンドロスは、2005年7月1日、54歳の若さでこの世を去ったが、今なおジャンルを超え多くの歌手からリスペクトされるアイコンであり続けている。2024年1月に米国で開催されたサンダンス映画祭でプレミア上映されたドキュメンタリー『Luther:Never Too Much』(監督:ドーン・ポーター/音楽監督:ロバート・グラスパー)は、40年以上にわたるキャリアを追いながら創作の裏側と知られざる素顔に迫った作品として、多くのアーティストや音楽業界人から絶賛されている。


ルーサー日本盤CD

2024年6月26日発売
■世界初CD化 ■完全生産限定盤 ■紙ジャケット仕様(輸入盤はジュエルケース仕様) ■高品質のBlu-spec CD2盤 ■ボーナス・トラック付き ■解説(音楽ジャーナリスト・林剛)、歌詞・対訳付き
●『ルーサー』(SICP-31720)¥3,000+税
※輸入盤CD/LP/配信:4月19日リリース
1976年作品。すべての楽曲をルーサーが書き下ろし。力強くファンキーなビートと、モータウンで数多くのヒットを生んだポール・ライザーによる流麗なアレンジに乗って、まだ粗削りながらルーサー節の片鱗を聴かせてくれる。デヴィッド・ボウイに提供した「Fascination」をセルフ・リメイクした「Funky Music (Is A Part Of Me)」や、注目を浴びるきっかけとなったミュージカル『ザ・ウィズ』楽曲も収録。ボーナス・トラック1曲収録。
●『ディス・クロース・トゥ・ユー』(SICP-31721)¥3,000+税
※輸入盤CD/LP/配信:6月7日リリース
1977年作品。前作に続き、全曲ルーサーが書き下ろし。バックを固めているのは、ナット・アダレイJr.(key)やコーネル・デュプリー(G)、ウィル・リー(b)ほか東海岸の敏腕ミュージシャンたち。シックのナイル・ロジャーズ(G)も参加している。甘く心地よいメロディーとシルキーな歌声は前作以上に高く評価されている。ソウルミュージック・ファンの聖書「U.S.ブラック・ディスク・ガイド」でも激賞。ボーナス・トラック3曲収録。


◆ルーサー・ヴァンドロス・レーベルサイト


【プロフィール】
ルーサー・ヴァンドロス(1951年4月20日生~2005年7月1日没)
1951年生まれ、NY・マンハッタンのロウアー・イースト・サイド出身。1972年にブロードウェイ・ミュージカル「ウィズ」で彼が作曲した曲が採用されたことからショウビズ界でのキャリアがスタート。デヴィッド・ボウイが彼にアレンジとバック・ヴォーカルを依頼して一躍注目を集める。売れっ子ヴォーカル・アレンジャー&セッション・シンガーとしてバーブラ・ストライサンドやダイアナ・ロス、ロバータ・フラックなど多くの有名シンガーのコーラスを務めた後、Epic Recordsから1981年にソロ・シンガーとして『ネヴァー・トゥー・マッチ』でデビューする。タイトル曲の他にも、バート・バカラック作のバラード「ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」がヒットし、一躍80年代のブラック・コンテンポラリーの旗手に躍り出た。そのヴェルヴェットのようにスムーズでゴージャスな歌声と独特な歌唱スタイルは、現代の男性R&Bシンガーたちに大きな影響を与えた。また、デュエットの名手としても知られており、シェリル・リン、ディオンヌ・ワーウィック、マライア・キャリー、ジャネット・ジャクソン、ビヨンセなどと多くのヒット曲を残した。1998年にVirgin Recordsに移籍し、その後クライヴ・デイヴィス率いるJ Recordsに迎え入れられる。2003年、ラスト・アルバムとなった『ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー』をリリースし、初登場で全米No.1を獲得するも、同時に脳卒中で倒れ闘病生活に入る。2005年7月1日、54歳で亡くなる。これまでにグラミー賞8部門を受賞(ノミネートは31回)している。

【リンク】
公式ウェブサイト(英語) www.luthervandross.com。
ソニーミュージック公式ウェブサイト(日本語) https://www.sonymusic.co.jp/artist/LutherVandross/
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