【インタビュー】清春、デビュー30周年、4年ぶり11thアルバムに表現者の果てない息吹「この瞬間は永遠である」
■ミュージシャンって結局旅人なんです
■生きることをツアーで実践して30周年
──アルバム中盤から終盤にかけても驚きっぱなしでした。「FRAGILE」から「鼓動」へと至る感動には特筆すべきものがあります。そんななか、「狂おしい時を越えて」や「sis」のメロディには清春さんのメロディだなと感じました。
清春:ですよね。でも、全部僕だとは思うんですけど(笑)。
──(笑)。たとえば「sis」は、子守歌のような可愛らしいメロディ。これまでの曲でいうと「瑠璃色」「TWILIGHT」「三日月」あたりのロマンチックな作風にも通じるものがあるなと。
清春:ああ、そうかも、「MOMENT」とか。僕の曲のなかでは上手く言えないけど、ちょっと魔法っぽいやつですね。女の人はいつまでも乙女っぽいっていうのは実は大事よね。生きてく糧というか、魔法みたいな世界っていう感じがする。そういうふうになってもいい世界。
──そして最後は「鼓動」でガツンと。アルバムの構成が巧みです。
清春:だけど、今の人はそういうふうに音楽を聴かないもんね。頑張って曲順を考えてるけど、アルバム単位で聴いてくれないじゃないですか。だから、本当にファンの人向け(笑)。
──最初から最後まで一気に聴きたくなるアルバムですよ。「ETERNAL (reprise)」の余韻も絶品です。この曲を入れると入れないとではアルバムの印象もガラッと変わるのではないかと。
清春:そうですね。“もう一回、最初から聴こう”みたいな。まあ、『ETERNAL』っていうアルバムだから。なんていうのかな、今回のアルバムは音像が意外と洒落てるじゃん。
──シティポップ的な側面もあります。
清春:大人な面もあるけど、やってることははみ出してる。時代に沿ってるけど、全然沿ってないところもあっていいと思うんだよね。もしかしたら、僕らが死んで、たまたまファン以外の人もアルバム単位で聴いてくれるときがあるかもしれない。今はファンの人たちの意識の中でストーリーが生まれればと思って曲順を考えてますけど、僕らがいなくなった後に、アルバム単位で聴いてくれる人が現われるかもしれないとも思っていて。
──それも永遠ですね。さて、2024年から2025年にかけて、現在まで60本を超えるライヴ<debut 30th anniversary year TOUR 天使ノ詩『NEVER END EXTRA』>の開催が発表されています。
清春:清春としては過去最大のツアーです。30周年は一回しかないからね。このぐらいの歳になってくると、5年後ってもうわからない。20代だったら5年後は見えますけど、僕らの歳ではわからない。自分が今までやってきたことを回収するっていう意味合いもあるし、挑戦もある。そんなチャレンジを大事にしていきながら、“思い出組”と僕が呼んでる人たちの喜びも満たすというツアーですかね。
──なるほど。
清春:僕の現行ファンは、日本という土地の中であればどこでも来てくれるんです。ファンってそれに尽きる。でも、現行ファンではないけど、僕のヒストリーの一部を好きな人もいる。30周年だから、だいたいを網羅できればいいと思ってて。もちろん、現行ファンの人たちがいかに満たされるかが一番大事。
──はい。
清春:それをバンド単位の復活でやるのか、清春の30周年を祝うなかでやるのか、その違い。ツアー日程を全部一緒に発表したのも、SADSだけやるとか、黒夢だけやるっていう感じではなくて、“もうそろそろ、みんなわかるよね?”っていう。
──なるほど、SADSも黒夢もこの本数であることに納得しました。
清春:SADSも黒夢も、当時のメンバーと久しぶりに一緒にプレイしたいし。SADSに関しては、メンバーも当時とほぼ同じで再生する(<SADS 1999-2003>/<SADS 2010-2018>)んですけど、僕の活動を現行ファンの人たちがずっと続けさせてくれたから起こせることなんで。
──ファンに感謝ですし、ファンは清春さんに感謝です。
清春:全部ずっと追いかけてくれてる人たち、この5年から10年を支えてくれてる人たち…最近は“コロナ以降”という言葉が強いのかな。どのアーティストも言いますけど、観に来るファンの人たちの熱心さがコロナで変わったとは思うんですよ。全部合わせると約60本ですけど、何があったって来る人は来る。でも、ほぼ土日だけなんで、昔のツアーと比べたら、僕自身だいぶ楽なわけ(笑)。こういうツアーをしてると、平日は一瞬で終わっちゃう。ツアー先から一旦戻って、ボンヤリしてるうちに声が治って、グッズのこととか、移動行程とか話してるうちに、次のツアー先へ。
──始まったと思ったら、あっという間に終わってしまうんでしょうね。
清春:10年ぐらい前の黒夢ツアーのときも言ってましたけど、今回で最後になる街はあると思いますからね。細かく廻ろうと思ったのは、そういうのもある。もちろん、そうならないといいけどね。でも地方に行って実感するのは、昼も夜も人が歩いてないんですよね。ということは、音楽を聴く層も減ってるってこと。この間行った福岡駅が異常に混雑してて、まだコンサートやっていいんだと思った(笑)。本当に人がいない街ってあるからな。
──そんな街にもこの『ETERNAL』を携えて行けば…。
清春:んー、まぁ難しいだろうね。“流し”とかライヴが終わった後にストリートで歌うでもしないと。この間の福岡でやろうとしたけど、寒すぎてやめました(笑)。
──ははは。
清春:Borisとのオーストラリアツアーも含めて、今回のツアーは自分たちのなかで思い出も確認したいというかね。若ければ海外や地方にまた行けると思うけど、もう行けないかもしれないから。定年後の夫婦が一緒に旅行に行く感じじゃない? 現行ファンはそういう気持ちで一緒に廻ってくれるんだろうし、部分的に来たい人はそれでいいと思います。ミュージシャンって結局、旅人なんですよね。音楽やりながら旅をする。生きるっていうことをツアーで実践して、今年で30周年。今回は本数も多いし、内容もいろいろ種類がありますけど、旅ができなくなったら終わりですかね。
──トラベリングバンドですね。
清春:ファンの人からしても、毎週末、旅ができるのって素敵じゃないですか。ライヴという目的があるうえで、昼間は何か食べたり、いろんなところに行ったり、終演後もご飯を食べに行く。最高じゃないですか。その土地の気分に浸って、同じ感覚を持ってる友達と、僕らのことだけじゃなくて自分たちの人生とか好きな映画のこととかいっぱい話して、時を忘れる。これってすごく良いのよ。僕もそれをやりたい。ファンの人にもやっておいてほしい。
──それこそ、素敵な“ETERNAL”が生まれますね。
清春:僕はリハーサルとか仕込みの時間があるから、早く会場に入らなきゃいけないけど、本当はファンの人たちとも話したい。仕事じゃなければ、一緒に廻りたいぐらいです。黒夢やSADSとかバンドに関しては、やるからには今できるベストで、若い頃に負けないようにやります。負けますけどね、絶対(笑)。僕らも年食ってるけど、当時のファンの人たちはもっと年食ってるから。まぁ、良い30周年にしたいなと思ってます。
取材・文◎志村つくね
■11thアルバム『ETERNAL』
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
YCCW-10423/B 8,250円 (税抜7,500円)
仕様:スリーブケース
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/discography/1161
【通常盤(CD)】YCCW-10424 3,300円 (税抜3,000円)
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/discography/1162
配信リンク:https://kiyoharu.lnk.to/eternal
▲初回限定盤
▲通常盤
▼Disc-1 (CD) ※初回限定盤・通常盤共通 ※全14曲収録
01. Carnival of spirits
02. SAINT
03. RUTH
04. ETERNAL
05. 霧
06. SWORD
07. ロープ
08. Interlude by DURAN
09. 砂ノ河
10. Interlude by タブゾンビ (SOIL&“PIMP”SESSIONS) & 栗原健
11. DESERT
12. FRAGILE
13. Interlude by 栗原健
14. 狂おしい時を越えて
15. sis
16. 鼓動
17. ETERNAL (reprise)
※Interlude除く全14曲収録
※作詞・作曲:清春
▼Disc-2 (Blu-ray)
「SAINT」Music Video
「ETERNAL」Music Video
Music Video Making Movie
<The Birthday>@恵比寿ガーデンホール (2022.10.30)
赤の永遠/アモーレ/グレージュ/悲歌/アロン/美学
<下劣>@Zepp Shinjuku (2023.04.26)
少年/アモーレ/ガイア/妖艶/MARIA
■「ETERNAL」「SAINT」先行配信
2024年3月6日(水)配信開始
ダウンロード配信:¥238円(税抜) ほか
・iTunes Store / レコチョク / mora / Amazon ほか
・Apple Music / LINE MUSIC / YouTube Music / Amazon / Spotify / AWA ほか
配信リンク:https://kiyoharu.lnk.to/eternal_sg
▼「SAINT」先行配信
2024年2月9日配信開始
ダウンロード配信:¥238円(税抜)ほか
・iTunes Store / レコチョク / mora / Amazon 他
・Apple Music / LINE MUSIC / YouTube Music / Amazon / Spotify / AWA 他
配信リンク:https://kiyoharu.lnk.to/saint
■『ETERNAL』CD先着購入特典情報
※特典は先着となり、無くなり次第終了となります。また、一部実施のない店舗もございます。また特典の内容等が変更になる場合もございますのであらかじめご了承ください。
▼特典内容①
「アクリルキーホルダー」
※初回盤、通常盤共通の特典となります。
※対象店舗:タワーレコード限定(オンラインショップ含む)
▼特典内容②
「メガジャケット」
※対象店舗:Amazon
▼特典内容③
「クリアファイル(A4サイズ)」
※初回盤、通常盤共通の特典となります。
※対象店舗:HMV&BOOKSなどの全国のCDショップ、楽天BOOKS、セブンネットショッピングなどのWEBサイト、CDの取り扱いがある家電量販店や書籍店、コンサート会場でのCD販売など。
※タワーレコード、Amazonは対象外となります。
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/news/detail/1454
■『ETERNAL』リリースイベント
対象店:HMV&BOOKS online ※参加受付中
▼イベント内容
・清春トーク&ミニライブ(オンライン配信)
※配信でのイベントになります。
アーカイブ配信:2024年3月28日(木)12:00~4月4日(木)23:59
イベント限定特典:清春本人の抽選による「直筆サイン色紙」を抽選で10名様にプレゼント
ライブ配信媒体:WithLIVE
※対象期間内に清春ニューアルバム『ETERNAL』(初回盤または通常盤のいずれか1枚)を全額内金でご予約/ご購入いただいたお客様(ローソンWEB会員の登録が必要)に、本イベントをご視聴いただける「シリアルコード」をHMV&BOOKS onlineのマイページ上(お客様のアカウント)でご案内します。
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/news/detail/1479
■『ETERNAL』リリース記念オリジナルグッズ
グッズ発売日:2024年03月20日(水)
注文受付期間:2024年02月01日(木)~2025年03月31日(月)
▼発売商品
①屏風 ETERNAL<四曲>(A2相当サイズ)
②屏風 ETERNAL<二曲>(A3相当サイズ)
※上記2点には本人の直筆のサインが入ります。
③ダブルアクリルスタンドパネル ETERNAL【サイン入り】
④ビッグシルエットTシャツ<ブラック/スモーキーピンク>(サイズ:M/L/XL)
https://ymh.jp/kiyoharu-eternal
■<debut 30th anniversary year TOUR 天使ノ詩『NEVER END EXTRA』>
03月25日(月) 東京・代官山UNIT
04月11日(木) 東京・Shibuya Pleasure Pleasure
04月25日(木) 東京・Shibuya Pleasure Pleasure
▼<HEAVY ROCK BREAKFAST JAPAN TOUR 2024>
04月27日(土) 神奈川・横浜BayHall ※Boris×KIYOHARU ※公演中止
04月28日(日) 神奈川・横浜BayHall ※Boris×KIYOHARU ※公演延期
04月29日(月/祝) 大阪・SHANGRILA ※Boris×KIYOHARU ※公演延期
※日程調整出来次第、延期公演開催検討
04月28日(日) 神奈川・横浜BayHal ※公演内容変更 / Borisの出演はございません
04月29日(月/祝) 大阪・SHANGRILA ※公演内容変更 / Borisの出演はございません
05月04日(土/祝) 東京・Veats Shibuya
05月06日(月/祝) 神奈川・Billboard Live Yokohama
05月17日(金) 大阪・Billboard Live Osaka
05月24日(金) 東京・Billboard Live Tokyo
06月08日(土) 静岡・浜松Live House窓枠
06月09日(日) 岐阜・Club Roots
06月15日(土) 山梨・KAZOO HALL
▼<SADS 1999-2003>
06月29日(土) 東京・Zepp Haneda
06月30日(日) 東京・Zepp Haneda
▼<SADS 2010-2018>
07月07日(日) 東京・GARDEN新木場FACTORY
07月13日(土) 愛知・名古屋BOTTOM LINE
07月14日(日) 三重・M‘AXA
07月20日(土) 石川・金沢EIGHT HALL
07月27日(土) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
08月03日(土) 宮城・仙台darwin
08月10日(土) 千葉・柏PALOOZA
08月11日(日) 千葉・柏PALOOZA
08月17日(土) 埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心
08月18日(日) 埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心
08月24日(土) 北海道・札幌PENNY LANE24
08月31日(土) 長野・CLUB JUNK BOX
09月05日(木) 東京・新宿ReNY <ReNY 10th Anniversary>
09月08日(日) 栃木・HEAVEN‘S ROCK宇都宮VJ-2
09月14日(土) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
09月15日(日) 兵庫・KOBE太陽と虎
09月22日(日) 和歌山・CLUB GATE
09月23日(月/祝) 大阪・OSAKA ESAKA MUSE
09月28日(土) 青森・Quarter
09月29日(日) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
10月05日(土) 大阪・難波Yogibo META VALLEY
10月06日(日) 静岡・LIVE ROXY SHIZUOKA
10月12日(土) 滋賀・U★STONE
10月13日(日) 京都・KYOTO MUSE
10月27日(日) 東京・恵比寿ザ・ガーデンホール <The Birthday>
10月30日(水) <FC INOS MEMBERS ONLY>
11月03日(日) 茨城・水戸LIGHTHOUSE
11月04日(月/祝) 茨城・水戸LIGHTHOUSE
11月08日(金) 愛知・名古屋MUSIC FARM
11月09日(土) 愛知・名古屋MUSIC FARM
11月10日(日) 愛知・名古屋MUSIC FARM
11月16日(土) 群馬・HEAVEN‘S ROCK熊谷
11月17日(日) 群馬・HEAVEN‘S ROCK熊谷
11月23日(土) 神奈川・横浜BayHall
12月01日(日) 神奈川・川崎SUPERNOVA
12月14日(土) 愛媛・松山WstudioRED
12月15日(日) 香川・高松MONSTER
12月21日(土) 福岡・BEAT STATION
12月22日(日) 鹿児島・CAPARVO HALL
12月29日(日) 東京・渋谷CLUB QUATTRO
12月31日(火) 愛知・名古屋ダイアモンドホール
▼2025年
01月08日(水) 東京・新宿LOFT
01月12日(日) 大阪・GORILLA HALL
▼<黒夢>
02月09日(日) 東京ガーデンシアター
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