【インタビュー】お風呂でピーナッツ、2nd EPの多様で自由な音楽性の理由「いい規模感で聴いてもらいたい」
■たぶん二人とも飽き性で
■私たちはもっといろいろ試してみたい
若林:逆に、全部聴いていただいて、やっぱり全然バラバラだなみたいな感覚ですか? それとも、何か根幹は共通しているなと思いますか?
──もちろん共通点は感じますよ。EPにまとまることで、より感じ取れる部分はありました。
若林:ありますか。そうか。
──それはね、以前に若林さんも言っていましたけど、やっぱり樋口さんの声ですよ。 樋口さんが歌えばお風呂でピーナッツになるし、J-POPになるというのは絶対的な強みだと思うので。「擬態」だって、もし違うボーカリストが歌ったら、とんでもないエクスペリメンタルポップになったかもしれないと思いますけど、J-POPになっているのは、やっぱり樋口さんの歌だろうなと思いますよ。これは個人的な意見ですけれども。
若林:いや、めっちゃわかります。
樋口:自分だと、わかんないからなー。だから楽しみです、みなさんの感想が。どういう受け取り方をされるのか、すごく楽しみですね。
──全然マニアックとかじゃないので、ポップに聴いてもらえばいいですよね。あと、もう一つ突っ込んだ質問をすると、売れたいという気持ちと、そのために何かしようみたいな気持ちは、若林さんの中にはありますか。
若林:現場によって考え方は違うんですけど、お風呂でピーナッツは、いい規模感で聴いてもらいたいなというのはありますね。いい規模感でライブをしていたいなという気持ちがあって、東京ドームを埋めてやりたいとか、スタジアムでライブしたいみたいな気持ちは全然ないんですけど、ライブをやったら人がぎゅっと集まって、いい規模感で、みんな気持ち良くいてほしいなみたいな感覚はあります。小さいところでやったほうが合うよなとか、そういうふうに感じるアーティストさんもいるんですけど、お風呂でピーナッツはある程度、いい規模感でやりたいです。音響的にも、音楽が聴こえる規模感の最大限という感じですね。東京ドームはちょっと大きすぎる(笑)。
樋口:それはそれで、絶対似合うアーティストの方はいるんですけど、お風呂でピーナッツはやっぱりある程度、音響がいいことを担保された状態でやりたいですね。
若林:いろいろと、複合的な遊びをしたいですね。それこそ、ボーカルの樋口可弥子がモデルであることを生かして、服の見せ方を考えるとか、自分はバックグラウンドにビッグバンドがあったりするので、ホーン隊やストリングスを呼んだりとか。いい規模感で面白いことができることが、一番面白い活動になるだろうなという感覚です。
──いい規模感って、いいワードが出ましたね。幅が広くて使いやすい(笑)。どうにでも変化できますからね。その時の気持ち次第で。
若林:気づいたらまた、違う“いい規模感”になっているかもしれない。でも今描いているいい規模感は、ホールとか、音響設備の整ったところですね。そういうところでできればいいなと思っています。どうですか、樋口さんは。
樋口:私もやっぱり、ホールでやりたいというのは同意見ですね。1st EPの時も、今回の2nd EPも、曲単位ですごく印象が違うものになっているなと私的には思っていて。たぶん二人とも飽き性で。ずっと同じような曲をやるという潔さやカッコよさもあると思うし、秘伝のタレを守り続けるタイプの職人系アーティストの方もいるけど、私たちはもっといろいろ試してみたいし、いろいろやってみたいという気持ちが大きいのかなと思うので。それがベストな状態で叶えられるのは、ホールの規模感なのかなと思うので。同意です。
──応援します。ゆっくり、着実に目指しましょう。
若林:そうですね。楽しみです。
取材・文◎宮本英夫
■2nd EP『スーパー銭湯 2』
※ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて
▼収録曲
1. 後夜
2. 秋
3. 電気
4. 擬態
5. エンドレス
6. モノトーン
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