【インタビュー】水瀬いのり、<SCRAP ART>ツアーで感じた新たな思い「曲の世界に入ったり、そこに自分を投影することが好き」

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◾️劇のようなライブ空間を作ってみたい!と思えるような発見があった

──ここから本編の話をしていきたいと思います。最初に話させていただきましたが、やはりステージセットが驚きでした。

水瀬:舞台セットが、これまでに比べると一番大きな変化だったと思います。そしてOPムービーの世界観から1曲目が「スクラップアート」で始まるというのも、過去のライブからは想像できない幕開けだったと思うんです。いつもは元気な曲とか、ライブが始まった!というお客さんとコミュニケーションが取れる曲が多かったので。でも今回は、こちらが主導権を握っているんだ!という感じで始まるのがすごく新しくて。やってみたかったことのひとつだったので、実現できて嬉しかったです。

──これまでは広い会場でもどこかアットホームな空気がありましたけど、今回はエンタメショーのような感じで引き込まれる感じがありました。

水瀬:初日を観てくれた人は、あの空間をどんな風に感じたんだろうってすごく気になります。


──何の情報も入れずにファイナルを観させていただきましたが、圧倒されました。OPムービーから繋がっていく世界観が素晴らしかったです。

水瀬:私もフードを被って出てきましたしね。あのフードを取るタイミングも、ツアーの中で徐々に変わっているんです。舞台監督さんが見て、もうちょっと溜めたほうがいいねとか、ファイナルまで試行錯誤していました。

──1曲目の驚きもありましたが、今回はアルバムを引っ提げてのツアーではなかったんですよね。なので、どのようなことにこだわってセットリストを考えていったのかを教えていただきたくて。

水瀬:シングルの「スクラップアート」と「アイオライト」を軸に、魅せるライブを意識してやりたかったんですけど、とはいえ4年ぶりの声出し解禁ライブでもあったので、皆さんとひとつになれる楽曲も入れていくという形でした。ただ実際にライブをしてみると、どちらかに統一したライブもやってみたいと思うようになったんですよね。そのくらい、“魅せる”ゾーンが心地よくて……。ライブが始まる前までは、客席とステージを分ける感じで見せるライブをやりたいという思いが自分の中であったんです。ただ、みんなが会場に来てくれて、嬉しそうな表情を見せてくれると、自然と自分の心も緩やかな方向になっていたんですけど、自分としては、劇のようなライブ空間を作ってみたい!と思えるような発見があったんです。

──劇のようなライブ、そしてみんなで騒げるライブ、どちらも観てみたいです。今回は、スクラップアートをテーマにしながらも、ブロックごとにいろんな表情を見せてくれたライブでもあったと思います。久々の声出しライブだったので、まずは、コール&レスポンスができるブロックの話からしていきたいと思います。みんなの声はいかがでしたか?

水瀬:私は取材でもミディアムテンポの曲が好きと答えることが多くて、普段アッパーな曲はあまり聴かないので、自分がライブに行くときも声出しをする感じではないんです。ただライブをしていると、バンドメンバーやスタッフ、ファンの皆さんから、これがしたかった!という想いはすごく感じるので、毎回コーレスできる曲をセットリストに入れて良かったなぁって思うんです。みんなの満足度がグンと上がるのを感じるんですよね。みんながこれを求めているんだというのを曲が立証してくれているから、本当に曲のおかげだなって思います。私のMCでは、みんなのギアをそこへ持っていくことはできないので……。

──確かに、MCで「まだまだいけるのか! 声出せんのか!」と叫んでいるイメージはないですね。

水瀬:そうなんです。私はそこへ行けないけど、「約束のアステリズム」ってタイトルを言った瞬間に、みんなビリビリビリーってなるじゃないですか。自分の想像以上に、みんなと繋がる楽曲が、みんなにとって本当に大きな存在になっているんだなと感じましたし、そうやって育ってきたんだなと思いました。



──「クータスタ」「TRUST IN ETERNITY」からMCを挟んで、「約束のアステリズム」、そして「Million Futures」。とても大きな声が出ていましたね。

水瀬:「Million Futures」も、みんなこんなに言ってくれるんだ!って思いましたから。事前に声出しの準備をしてくださいとも言っていなかったのに、想像以上のデシベルを感じていました(笑)。

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