【インタビュー】sawamay、新曲「夕陽」が示す旅立ちと決意「青い時代のときめきを鮮明に覚えていたい」

■きっかけになるような楽曲が作れたら
■歌を歌い続けられるような人生を作りたい

──「夕陽」の歌にはどんなふうにアプローチしましたか？

sawamay：あんまり感情を込めすぎないようにしようと思いました。歌詞は切ないんですけど、楽曲としては明るくもあって。それだけで感情的な要素は十分入っていると思ったので、それに加えて歌まで感情的すぎると、ちょっとトゥーマッチになるような気がしたんです。

──おっしゃるとおり、躍動感と切なさというか、今風に言えば、エモさみたいなものが絶妙に入り混じった曲ですよね。その絶妙のバランスがちょっと不思議な感じで、曲の魅力になっていると思います。感情を抑えた歌声も心地いいですね。

sawamay：私の歌い方が若干、寄せているところもあるんですけど、息が多めで。芯がめちゃくちゃ太いというわけではないので、それがうまくこの楽曲の雰囲気と合ったのかなと思います。

──それがsawamayさんならではの個性なんでしょうね。さて、その「夕陽」、どんなふうに聴いてもらえたらうれしいですか？

sawamay：みなさんそれぞれに毎日いろいろなことがあると思うんですけど、もう少し余白を持った生活ができたら素敵だなと思っていて。この曲が、少し過去のことや素直にときめいていられた時間というものを思い出すきっかけになったらいいなと思っています。もちろん、心地いい曲だと思ってもらえるだけでもうれしいんですけど、少し日々に余白ができるような、この曲を聴いている時間がそうなったらいいなと思います。

──2024年はCDをリリースしたいとおっしゃっていましたが、今後の目標は？

sawamay：私自身、いろいろな楽曲を聴いて、自分自身の人生を改めて見つめ直す機会が多かったので、見つめ直してほしいと上から目線で言っているわけではないんですけど、そういうきっかけになるような楽曲が作れたらいいなと思います。それから、単純に歌を歌い続けることって、何歳になってもいろいろな人ができることなので、私自身も続けていきたいですし、続けることそのものにも意味があるような気がしています。なので、大きな目標があるというわけではないのですが、歌を歌い続けられるような人生を作りたいと思っています。

──そうなると、愚問かもしれませんが、たとえば商業的な成功に興味はありませんか？

sawamay：商業的に狙って作っているものもいいとは思うんですけど、それは結果でしかないような気もしていて。地道な活動の結果として、商業的な成功があるんだと思うんですけど、今のところ、そこには焦点を当ててはいません。それよりもいい音楽を作るみなさんと、こういうふうに歌を続けていって、結果、同じような気持ちを持った人と歌で繋がっていくようなことができれば、十分な気がしています。

──この先、こんな歌を歌ってみたいというのはありますか？　

sawamay：「夕陽」で自分の気持ちも少し開けた実感はあるので、もう少し外に目線を向けたものを作れたらというのはあります。ただ、根本の部分で大事にしたいものが、ここ数年でものすごく固まってきた感じがあって。それは歌的にというよりも、人生の中で、これがすごく重要だなというものが固まってきた感覚があるんですけど、それはこれまでリリースしてきたものとそんなに変わらないんだろうなという気がしています。

取材・文◎山口智男



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