【インタビュー】ROTTENGRAFFTY、NOBUYAとN∀OKIが語るLUNA SEA「僕らの世代はDNAを絶対持ってる」

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■めっちゃ気合い入ってるバンドしか残ってない
■そういうところも感じて音楽を始めてくれたら


──そして時代は周り、ROTTENGRAFFTYが今のラウドロックシーンの雄として、若者に影響を与えているわけです。

N∀OKI:LUNA SEAと比べると数字の桁が何個か違いますけど(笑)。

──CD文化ではなくライヴ文化になった今、フェスシーンが一番の音楽のリアルですから、そこでしのぎを削るバンドこそが、次代のバンドマンに一番の影響を与えているはずなんです。

N∀OKI:僕らも<ポルノ超特急>(現・響都超特急)でロットングラフティー名義とROTTENGRAFFTY名義で違うコンセプトでライヴをしたりしましたけど、そこにはLunacyとLUNA SEAで全く違うセットのライヴをしていることが、少なからず目に入っていますよね。彼らはだいぶ早い時期に町田プレイハウスで黒服限定ライヴとか演ってましたからね。


▲<響都超特急2023>12/17-18@京都パルスプラザ

NOBUYA:僕らこの前、アコースティックでライヴをやったですよ。僕とN∀OKIのアコースティックでの対バン形式やったんですけど、暴れるだけのライヴじゃなかったので、親子連れがめっちゃ多くて、来られてる方は二世代なんですよね。お母さんが僕らのことがすごく好きで、子供を育てながら僕らの音楽をかけてきたから、子供もロットンのことを好きになっているって話を聞くんですよね。

──わかります。

NOBUYA:俺らの音楽がこんなとこまで届いてるんや、みたいなのはリアルに感じましたし、その娘さんが音楽をやってみたいとかなってくれたら、それは単純にめちゃくちゃ嬉しいですよね。LUNA SEAで言えばもっと規模がでかいから、本当にいろんなバンドマンに夢を与えたと思うし、バンドを演ってない人たちにも夢を与えていると思うんです。

──音楽はそうやって受け継がれていくんですから。

NOBUYA:このまえUVERworldのTAKUYA∞と喋ったんですけど、今ではデジタルバキバキの音源を作るバンドもめちゃくちゃ増えて、ラッパーにもそういうトラックがあるけど、2023年ここに来て、編集もほとんどしていない“せーのドン”って演った昔のロックバンドの音が音源として一番カッコいいと思うって。それが一番リアルだし、僕らはそういう風にしていこうと思います、みたいなことを言っててね、“うわ、こいつ めっちゃすごいこと言ってんな”と思った。

N∀OKI:ロットンの1st(『RADICAL PEACE×RADICAL GENOCIDE』)の音がええ言うてて。20年以上も前のインディーの時の音で、俺らからしたら“マジで? あんなモコモコなやつ?”みたいな。ところが、あれがいいんすよって。

NOBUYA:そういうの、やっぱり面白いなと思うし、UVERworldが好きで音楽を始めるやつも絶対おるし。そう考えると、僕ら世代で今も残っているバンドって、やっぱめちゃくちゃ強いバンドばっかりなんすよ。


▲<響都超特急2023>12/17-18@京都パルスプラザ

──逆に、だからこそ残っているんだとも思います。

NOBUYA:演奏が上手いとか歌が上手いとかじゃなくて、単純にみんな今でもめっちゃ気合い入ってるみたいな、そんなバンドしか残ってない。そういうところも感じてもらって音楽を始めてくれたらすごく嬉しいな。別に下手でもええんやで、みたいな。

N∀OKI:ハートがあってハートで演り続けたら、人間も成長していくっていうかね。僕らも2024年に25周年ですけど、ここまで来てるなんて思わへんかったし、逆に今がすごく状態がいいっすからね。LUNA SEAじゃないけど、いつ分離してもおかしくない状態で、でも僕らは走って走り続けて、逆に今めちゃめちゃメンバーのグルーヴも良くなっているんですよね。NOBUYAとふたりで朝まで喋ったりするし、やっぱメンバー内のコミュニケーションがホットなのがバンドにとって一番かなって思う。

──で、そういうところこそ、お客さんに伝わるんですよね。

N∀OKI:伝わる。絶対そう。レッチリ(Red Hot Chili Peppers)を見てたら、メンバー同士の仲良さとか絆みたいなものが、あのグルーヴに出てるじゃないですか。一緒にキャンプして、そのままレコーディングスタジオ入っちゃうみたいな。それをロットンに取り入れるとかじゃないけど、少なからず仲いいっていうのは素晴らしいことやと思いますね。

──ぐるっとひと回りするとそういう境地に至るようですね。

N∀OKI:結成した時なんか当然ギスギスなんかしてへんかったわけで、僕らは考えられへんぐらい一緒に行動してたけど、どんどん照れ臭なっていろいろずれていって、口もきかないようになって…みたいな時期もありましたけど、結局またこうやって戻ってきて、それで25周年を迎えられるのはやっぱ嬉しいですね。


▲<響都超特急2023>12/17-18@京都パルスプラザ

──今更ながら恥ずかしい質問なんですが…なぜROTTENGRAFFTYはボーカルがふたりなんですか?

N∀OKI:最初、NOBUYAからバンドやらない?って電話がかかってきて。俺がギター弾いて歌ってるみたいなのを聞いたらしく、ギターで誘われたんすよ。ギター?みたいな。そんな技術ないし、ボーカル以外はやる気ないから、だったらツインボーカルでよくない? みたいな。やるかやらないかわからないけど、一回喋ろうかって。

──ツインボーカルに関して、例えばあいつら、みたいなイメージはあったんですか?

N∀OKI:山嵐とかヌンチャクとか?

NOBUYA:じゃあツインボーカルでやろうやってN∀OKIに言われて、僕は“?”。ツインボーカルの文化を知らんから、ツインボーカルって何?ってところから始まるんですよ。で、「こんなバンドもいるで」みたいなことを教えてもらって、「でも、これになったらあかんねん」っていうところがスタートするんです。

N∀OKI:その時にはもう、ひとりで東京に行こうとしてたんで、この話が分離したら東京へ行こうと思っていたんです。もともとNOBUYAはボーカルひとりで演りたい派だったんで。やけど、会って話をしようと約束していた日の前に、偶然会っちゃったんですよ。全然別の変な場所で。“あーこれもシンクロやろ。神様がこれ、演れって言ってるんか”みたいな感じ。

──ほう。

N∀OKI:で、いろいろ喋って、こんだけ売れてるやつがいる、こうなるとアウトや、いいエッセンスは取るのもいいけど、そのままいったら潰れるとか、こっちがラップでこっちが高音、あっちが低音、こっちが絶叫であっちがメロ…いやいやそういうのは違うみたいな、いろんなことを考えていってロットンになるんです。


▲<響都超特急2023>12/17-18@京都パルスプラザ

──そこに奇跡があったんですね。だって、めんどくさければやらなきゃいいだけだから。

N∀OKI:そうですよね。ひとりで歌えばいいところを分けていたりするから、レコーディングも倍かかるしね(笑)。でもこれだけ続けてきて、今となってはめちゃくちゃ武器になってます。フェスを見ていてもツインボーカルはおらんなーって思いますから。楽器を持っていたりヒップホップとかではありますけど、ふたりでマイクを持ったこの感じのスタイルって他にいないですね。

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