CAN、ライヴ・シリーズ第4弾『ライヴ・イン・パリ 1973』2024年2月23日発売
CANのライヴ・シリーズ第4弾で、ダモ鈴木在籍時となる全盛期のライヴ盤『ライヴ・イン・パリ 1973』が、2024年2月23日に発売される。
◆CAN 関連映像&画像
本シリーズは、結成メンバーのイルミン・シュミットとプロデューサー/エンジニアのルネ・ティナーが監修し、貴重なアーカイブ音源を現代の技術と繊細な作業により最高のクオリティで見事に復元したもの。今回のアルバムは、1973年のパリ公演を収録したもので、キーボード&シンセにイルミン・シュミット、ドラムにヤキ・リーベツァイト、ギターにミヒャエル・カロリ、ベースにホルガー・シューカイ、そしてダモ鈴木がヴォーカルをとっており、ダモ鈴木にとってバンド最後期でのライヴ出演となった作品だ。
本作のブックレットには、ジャーナリストのウィンダム・ウォレスが執筆したライナーノーツが掲載されている。今回の作品についてウォレスは次のように述べている。「『ライヴ・イン・パリ1973』について、私がお伝えできることはほとんどない。そして、ここが問題の核心なのだが、そんなことはどうでもいい。実にどうでもいいことなのだ。日の光を浴びてよくなる夢など、ほぼないと言っていい。これも例外ではない。誰が細かいことを知りたいだろう? トリビアやささいなことが必要だろうか? 彼らがどうやってこれを成し遂げたのかは知らないが、これこそが、私がようやくCANを聴けるようになるまでに、いつも想像していたCANの音そのものだったのだ」。
CANは1968年にケルンのアンダーグラウンド・シーンに初めて登場し、初期の素材はほとんど残されていないかわりに、ファン・ベースが拡大した1972年以降は、ヨーロッパ(特にドイツ、フランス、UK)で精力的にツアーを行い、伝説が広がるにつれ、多くのブートレッガーが集まってきたのだ。『CAN:ライヴ・シリーズ』は、それらの音源の中から最高のものを厳選し、イルミン・シュミットとルネ・ティナ―による監修で、21世紀の技術を駆使して、重要な歴史的記録を最高の品質でお届けするプロジェクトである。
本作品は1973年5月12日、パリのオランピア劇場で行われたCANの変幻自在なパフォーマンスを収録したものであるが、ここで特筆すべきは、CANライブシリーズの中で初めてダモ鈴木がヴォーカルとしてフィーチャーされた作品ということ。1970年から1973年まで、CANはイルミン・シュミット、ヤキ・リーベツァイト、ミヒャエル・カロリ、ホルガー・シューカイの中心メンバーに、日本の即興演奏家でヴォーカリストのダモ鈴木が加わって活動。1970年、彼らは鈴木がミュンヘンの路上で演奏している最中に偶然出会い、その後すぐにCANに加入することになるのだが、1973年のこのパフォーマンスの数ヶ月後、彼の放浪心は再び彼を旅に導くことになった。
ライヴシリーズ最新となる今作では、CANのバンド・キャリアの中でも特に重要な段階を目撃することができる。彼らの最も称賛されたアルバムである『タゴ・マゴ』と『エーゲ・バミヤージ』は、後者がパリのパフォーマンスに影響を与えたものである。録音自体は、スプーン・レコードの保管庫内から見つかり、協力的なファンから送られた録音を組み合わせて編集され、このシリーズのすべてのアルバムをまとめ上げた、創設メンバーのイルミン・シュミットとプロデューサー/エンジニアのルネ・ティナーによって21世紀になって日の目を見ることになる。
1960年代末に結成され、それからおよそ10年後に解散したCANは、催眠的なグルーヴと前衛的な楽器のテクスチャの大胆な融合により、彼らを史上最も重要で革新的なバンドの一つにした。そして今回のライヴシリーズ作品は、このバンドのまったく異なる視点を明らかにする。シリーズ一連のジャム・セッションでは、おそらくおなじみのテーマやリフ、モチーフが浮かび上がり、そこらじゅうに漣(さざなみ)のように広がるが、それらは時折渦巻く人混みの中で一瞬だけ認識される顔のようだ。別の場面では、オフィシャルにリリースされたアルバムには収められなかった音楽が聞こえてくる。これらのライヴ録音では、CANはスタジオの作業よりもさらに極端な領域、穏やかなアンビエントドリフトロックから、かつて「ゴジラ」とあだ名された白色矮星の音響メルトダウンまでに挑戦している。そして、メンバー同士が共有する非凡な音楽的テレパシーが聞こえてくるのである。
このライヴ・シリーズは、英誌Uncutのリイシュー・オブ・ザ・イヤーで1位、MOJOで2位を獲得したライヴ盤『ライヴ・イン・シュトゥットガルト 1975』(LIVE IN STUTTGART 1975)、『ライヴ・イン・ブライトン 1975』(LIVE IN BRIGHTON 1975)、そして『ライヴ・イン・クックスハーフェン1976』(LIVE IN CUXHAVEN 1976)の3作が発売されている。
『ライヴ・イン・パリ 1973』
TRCP-308-309 2,700円(税抜)
解説:イアン・マーチン
紙ジャケット仕様
海外ライナーノーツ: ウィンダム・ウォレス
対訳付
■Tracklist
CD1
1 Paris 73 Eins
2 Paris 73 Zwei
CD2
1 Paris 73 Drei
2 Paris 73 Vier
3 Paris 73 Fünf
■Pre-Order
iTunesリンク : https://music.apple.com/jp/album/live-in-paris-1973/1724514547
Amazonリンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CRSWNBC7
◆mute オフィシャルサイト
この記事の関連情報
CAN、『CAN:ライヴ・シリーズ』第三弾10/14発売&1976年独クックスハーフェンでの歴史的ライヴ盤よりダイジェスト音源公開
CAN、『CAN:ライヴ・シリーズ』第二弾12/3発売&1975年ブライトンでの歴史的ライヴ盤よりダイジェスト音源公開
ボビー・ギレスピー、CAN愛を語るコメント映像公開
CAN、 歴史的ライヴ音源『CAN:ライヴ・シリーズ』第一弾5/28発売&ダニエル・ミラー(MUTE創始者)インタビュー映像公開&全16作品サブスク/デジタル解禁
CANのサウンドが殺戮の荒野に炸裂する『デッドロック』予告編解禁
カン、劇伴担当の白日夢クライム・アクション『デッドロック』公開
カン、絶頂期の未発表音源全30曲が収録されたニューアルバム『ザ・ロスト・テープス』発売
Canのギタリストが53歳で死去