【インタビュー】凜澄、甘い歌声は一度触れたら忘れられない中毒性「それを本当に必要としている人に届いてほしい」

ポスト

■若い人だけじゃなくて、大人にも響けばいいなって感じですね

──歌詞に出てくる「中学生」もキーワードかなと思ったんですが。

凜澄:ひと言で言うと、推しにリアルに恋しちゃった女の子の歌なんですけど。最近は、みんな推しがいるじゃないですか。アイドルとか二次元のキャラとか。私はそういう何かにハマったことがないから、応援したい推しとかもいないんですね。でも、ちょっとその感じ知りたいなと思って。それで、友達の推しの現場について行ったりしたんです。

──リサーチですね。

凜澄:アイドルとか特にそうだと思うんですけど、「推しが幸せなんだったら」とか言いつつ、 “そういうこと”が発覚したりしたら炎上するじゃないですか。推しの幸せとか言いながら、絶対チャンスがあったら行くでしょって、私はそういう考え。だって、もし出会いのチャンスがあったら絶対に行くと思うし、あわよくば私が結婚したいぐらいの感情になると思うんです。

──わかります。

凜澄:最初は中学生みたいにわくわくする感情でハマっていくんですけど、最終的には《これは沼で、珠玉の愛なんかじゃないな》って気づく。私そんな中学生じゃないし、卒業するねっていう。明るいんだけど、オチは悲しいみたいな感じの曲ですね。

──最後にスッと現実的になりますよね。

凜澄:はい。推しができて中学生みたいな気持ちになったけど、実際もう大人だし、推しと結婚できないしっていう感じですね。推しが幸せならいいとか、別に会いたいわけじゃないとか言ってる子もいっぱいいますけど、いやいや実際行きたいでしょっていう私の勝手な気持ちっていうか、私だったらそう思うなっていうところから生まれた曲です。

──それをすごく可愛く歌ってますよね。逆に怖いくらいに(笑)。

凜澄:そうなんですよ(笑)。ちょっとその嫌な部分というか、女の子の中にある嫌なところを押し出して、ポップに歌い上げてる感じです。

──凜澄さんの中にある、その毒みたいなところがすごく魅力なんですよね。かわいいだけで終わってないというか。

凜澄:(笑)。

──この先どんな楽曲が生まれてくるのかも楽しみです。

凜澄:ありがとうございます。今は、割とライブ映えをイメージした曲を作ったりしてますよ。ライブが大好きなので、セットリストを考えるみたいな感じで制作してます。


──実際のライブに関してはどうですか?

凜澄:みなさん、ぜひ誘ってください!各関係者様、お誘いお待ちしてます(笑)。

──ライブもぜひ実現させてほしいです。最後になりますが、今後の目標や夢などを聞かせてください。

凜澄:もっとたくさん曲を出して、いろんな人に聴いてもらって、ライブをたくさんしたいですね。

──たくさんの方に聴いてほしいというのは大前提として、たとえばこういう人たちに、私の中のこういう部分が伝わればいいなとか、共感してもらえると嬉しいなとか、その辺りはいかがですか?

凜澄:なんか、自分みたいな人に聴いてほしいですね。昔の自分みたいな人。これ、宇多田ヒカルさんも同じこと言ってたんですけど、社会や時代に向けてというよりも、部屋で1人でヘッドフォン着けて聴いてるあなたに歌ってます──どちらかというとそういう感じですね。世界に届けじゃなくて、それを本当に必要としている人に届いてほしいって感じ。

──このインタビューの最初の方であまり学校に行ってなかったみたいなお話もありましたが、そういう時代の自分も含めて、というニュアンスでしょうか。

凜澄:そういう状況の人もそうです。私自身、あまり人には言えない部分とか人間の嫌な部分とか、割とそういうところをむき出しにしていく歌詞が好きなんですね。だから聴いてくれた人が、自分じゃこういうの言えなかったけど私もそう思ってたとか、この歌詞やっぱりいいなとか、そんなふうに思ってくれたら嬉しいなって思います。

──これからも、自分の気持ちを素直に書いていくと。

凜澄:今だから書ける、みたいなものもいっぱいあると思うんで。若い人だけじゃなくて、大人にも響けばいいなって感じですね。

──嫌な気持ちの時だけじゃなく、今後はすごくハッピーな気持ちの時にも歌詞が生まれてくるかもしれないですね(笑)。

凜澄:どうなんですかね(笑)。たぶん「ハッピー!」みたいなときに書いたことはない…かも。ハッピーなことがあったときは、「この先、この幸せがなくなったとき私はどうなるんだろう…?」って曲とかは書いたりしましたけど(笑)。

──そういう思考回路なんですね(笑)。

凜澄:以前はそうでしたね。でも、仕事はハッピーにやりたいなって思ってます。そういうところでワクワクしてたら、ずっと曲が書けるから。これからも自分らしく、自由にやっていきたいなって思います。

取材・文◎山田邦子

リリース情報

「めろい」
2023年11月1日(水)リリース
https://lnk.to/obRHmf
作詞:凜澄
作曲:凜澄/阿部将也
▲「めろい」ジャケット

◆インタビュー【2】へ戻る
◆インタビュー【1】へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報