【インタビュー】凜澄、甘い歌声は一度触れたら忘れられない中毒性「それを本当に必要としている人に届いてほしい」

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■「いやー、メロい」「メロいですね」って会話の中で使い始めて
■結局そのままタイトルになりました


──気合いが入ってますね(笑)。ちなみに以前のバンドでは、パンクなテイストな曲もやってたんですか?

凜澄:ライブパフォーマンスという意味ではそうですね。曲はキャッチーだったけど、割と暴れてた方かもしれない(笑)。

──音楽の面で憧れるアーティストとか、こうなりたいっていう目標の人とかはいます?

凜澄:それがあまりいないんですよ。このアーティスト好きとかはあるんですけど、憧れみたいなのは誰にも抱いてないんですよね。この人好きだなとは思うけど、こうなりたいって思うことはないんです。憧れたところでその人にはなれないし。

──では、自分の目指す理想像みたいなものは?

凜澄:自分は自分のままやっていきたいです。あまり型にはまらずというか。こうじゃなきゃみたいなのは、持ちたくないですね。

──なるほど。好きなものも嫌いなものもはっきりしていそうですね。

凜澄:そうですね。あ、でも(セックス・ピストルズの)シド・ビシャスは結構憧れかも。なんかああいう人、好きですね。憧れます。一緒にいると、ワクワクしそうじゃないですか。

──ワクワクって思うんだ(笑)。

凜澄:はい(笑)。私、嫌な気持ちのときほど曲が書けたりするんですよ。ハッピー!みたいなときより、「うぅ〜ん…」みたいな感じのときの方が書けますし。

──でも、現時点で発表されている凜澄さんの楽曲「sugar」と「めろい」は、別に怒りとか嫌な気持ちをダイレクトにぶつけるみたいな歌詞じゃないですよね。きっと自分の美学のラインを崩さないように表現されている気がするんですが、歌詞を書く上でのこだわりなどはありますか?

凜澄:そこまで深く考えてない気がします。結構丁寧に考えて、何日も何ヶ月もかけて作り出したものもありますけど。だけど私自身は勢いというか、もう書くしかない!みたいな感じで書いた歌詞の方が好きですね。20分とかで。

──そんなスピードで!?

凜澄:「sugar」は1日で、歌詞もメロもその場でみたいな感じで作りました。「めろい」の歌詞は結構時間かけて作ったかもしれないですね。早い方ではあるんですけど、1日とかではなかったです。



──オリジナル曲はいつぐらいから書くようになったんですか?

凜澄:15〜16歳とかですね。最初はポエムみたいなのをノートに書いてて、じゃあ次は韻踏んでみようかな、とか。今もそうですけど、割と歌詞から作ります。やっぱり本を読むのが好きだからか、書く作業が好きなんですよ。メロディーを作る、アレンジするとかより、歌詞を書くのが一番楽しいです。

──作詞のスタイルなどは、バンド時代からあまり変わってないですか?

凜澄:変わってないですね。バンドやってたときから、私の歌詞が好きだって言ってくれる人は多かったです。

──自分の中に、何か一貫しているものがあるんでしょうか。

凜澄:どうだろう?あんまりないかも。そのとき歌いたいことを歌詞にして歌ってるって感じなので…。だから、言ってることとか考えとかが、昔と違ってても別によくて。

──なるほど。その時点での自分の素直な気持ちだから。

凜澄:そうです。

──では具体的に楽曲についてお聞きしたいんですが、まず「sugar」はどういうきっかけで生まれた曲なんですか。

凜澄:いろんなデモテープを作ってて、そこからどれを出そうかなってときに、「sugar」の1コーラスが10分ぐらいでぱっとできて。周りの反応もすごく良かったので、じゃあ出しちゃえって感じでした。

──ミュージックビデオは和装でしたが、もともとそういうムードをイメージして作ったんですか?

凜澄:いや、和装は本当に「着てみたいな」というくらいで。中目黒の川沿いを歩くシーンがあったから、せっかくなら着てみようかなってそういう感じでした。さっきの歌詞の話じゃないですけど、割と単純なんですよ(笑)。

──じゃあこのときも、本当に好きな人がいてとか。

凜澄:はい。その時は相手の名前が“佐藤”だったから、タイトルも「sugar」にしただけです(笑)。


──勢いで書くっていう話もありましたけど、ひらめきから広げていくのが上手いんでしょうね。こういう歌詞で、こういうサウンドで、歌ってる自分はこんなイメージでとか。

凜澄:確かに、こういう雰囲気でやりたいっていうのは明確にありますね。そのイメージを、私は割と抽象的な表現でアレンジャーさんに伝えたりするんですけど、いつも想像を超えるような形になって返ってくるんですよ。今私はソロですけど、チームで作っているなって。周りの方の力添えがあってのことだなって、いつも思ってます。

──「めろい」に関してはどうですか?

凜澄:"メロい"って言葉、私知らなかったんですよ。知ってました?

──知らなかったです。「めろい」は、凜澄さんの造語だと思ってました。

凜澄:私じゃないんですよ。前に女の子の友達と家をお化粧してたときに、友達が「今日すごく上手くいった、メロいー」って言ってて。「何それ?」って聞いたら、「メロい」って、メロメロみたいな意味らしいんですよ。メロメロになるくらいかわいいとか、かっこいいみたいな。ちょっとオタク用語っぽい感じらしいですけど。

──勉強になります(笑)。

凜澄:それめっちゃかわいいと思って、最初はサビで使おうと思ったんですよ。サビのキャッチーなメロディーに「めろい」っていう単語を入れたらいいんじゃないかなって、そこから作り始めて。で、レコーディングのときにアレンジャーの阿部将也さんとエンジニアさんが「“めろい”って何?」みたいな感じだったから意味を伝えたら、「いやー、メロい」「メロいですね」って会話の中で使い始めて、結局そのままタイトルになりました。「絶対これでしょ」って感じで(笑)。

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