【インタビュー】こはならむ、新曲は育まれた表現力光る希望の歌「“みんな”ではなく、“あなた”に歌を届けています」

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■バレエでも「ここは手だけあえてゆっくり動かす」ということはあるので
■自分の中では結構繋がっています


──ここからは新曲「恋してる自分すら愛せるんだ」について聞かせてください。アニメ『僕の心のヤバイやつ』とのタイアップは2度目ですが、オファーをもらった時、どう思いましたか?

こはならむ:すごく嬉しかったです。聞いた時、その場にスタッフさんがたくさんいたんですけど、みんなで「よかった!」って喜んでました(笑)。

──こはならむさんから見た『僕ヤバ』の魅力といえば?

こはならむ:中学生に戻った感覚で、改めて青春できるというか、キュンキュンできるアニメだと思います。


──中学時代のこはならむさんはどんな感じでしたか?

こはならむ:勉強は全然できなかったんですけど(笑)、学級委員になったり、班長になったり、みんなをまとめる係に就いていました。みんなをまとめるのが好きというよりかは、みんなと話すのが好きで。学級委員になったらみんなと話せるから、それがいいなと思っていましたね。中学生って、心の成長が早い時期だと思っていて。『僕ヤバ』では心の成長がすごく丁寧に描かれているので、そこも魅力的だなと思います。

──「恋してる自分すら愛せるんだ」でも心の成長が歌われていますね。『僕ヤバ』主人公の男子中学生・市川京太郎くん目線の歌詞かと思いますが、1期のエンディングテーマ「数センチメンタル」から一歩進んだ内容だなと思いました。

こはならむ:私が特に好きな歌詞は、タイトルにもなっている〈君が好き 恋してる 自分すら愛せるんだ〉という部分で。1番の〈君に向かう 矢印が 自分にも向いていたんだ〉というフレーズが、2番ではそこからさらに進んで〈恋してる 自分すら愛せるんだ〉と言っている。市川くんは、「自分はダメだ」ってネガティブに考えてしまいがちなところもあるんですけど、ヒロインの女子中学生・山田杏奈さんのおかげでポジティブになれたことがこの部分から感じ取れるなと思います。すごく好きな歌詞です。



──「数センチメンタル」に引き続き、楽曲のプロデュースは「KERENMI」こと蔦谷好位置さん。

こはならむ:「学校の雰囲気が伝わるようにしてほしい」とか「2人の関係を祝福しているような曲にしたいから、みんなで歌っている感じがほしい」とか、こちらから楽曲のイメージもある程度伝えていたんですけど、サビ前にチャイムを連想させる音が入っていたり、サビはみんなでクラップしながら歌っているような雰囲気になっていたり……要望を全部叶えてもらったうえで最高な音源に仕上げていただきました。

──ボーカルのメロディラインに対しては、どんな印象を持ちましたか?

こはならむ:デモに入っていた仮歌がすごくよかったので、「これを超えなきゃいけない」というプレッシャーもあって。まずは歌詞に合った映像を頭の中で思い浮かべて、そのあとにボイトレの先生といろいろ話し合って。「ここはこういう歌い方にしよう」と考えていきました。

──最初に映像を思い浮かべるんですね。

こはならむ:そうですね。例えば〈重ねてる 特別な“きょう”のイメージが〉というところでは、ライブでもレコーディングでも、実際に自分の手を重ねて、それを見ながら歌うようにして。歌詞にある動作を実際にやりながら歌うと、より自分の感情を落とし込むことができます。そういう自分の動きによって歌い方が変わる、みたいなこともありますね。

──面白い。そこで身体イメージと結びつくのは、長くバレエをやっていたこはならむさんならではだと思います。バレエと歌って、表現形態としてご自身の中で近しいものですか?

こはならむ:近しいものだと思います。歌っている時に「ここはやわらかく歌う」「あえて濁らせる」という感じで表現するのと同じように、バレエでも「ここは手だけあえてゆっくり動かす」ということはあるので。自分の中では結構繋がっていますね。バレエはケガでやめてしまったんですけど、今のこの表現、歌のルーツがそこにあるんだと思うと、いい15年間だったなと思います。


──ボーカルにおいて、「ここは特にこだわったから耳を傾けてもらえると嬉しい」というポイントがあれば教えてください。

こはならむ:サビ前の〈輝く言葉が〉というところはチャイムっぽいニュアンスを出すために、一音一音大切に発音しています。そこはけっこうこだわりました。あと、この曲、リズムが難しくて。リズムをしっかりとろうとすると、音が途切れちゃいがちなんですけど、切れないように、でもリズミカルに、という絶妙なラインを実現できたんじゃないかと思います。サビも難しかったです。キーがめちゃくちゃ高いので、本当に出なくて(笑)。それでも何回もレコーディングし直して頑張ったので、ぜひ耳を傾けてもらいたいですね。

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