【インタビュー】こはならむ、新曲は育まれた表現力光る希望の歌「“みんな”ではなく、“あなた”に歌を届けています」
こはならむが、新曲「恋してる自分すら愛せるんだ」を1月8日にリリースした。同曲はアニメ『僕の心のヤバイやつ』(以下、僕ヤバ)第2期エンディングテーマで、第1期の「数センチメンタル」に引き続き担当。喜怒哀楽を巧みに表現するこはならむの感情表現豊かな歌声が、多くのアニメファンの心を捉えている。
◆こはならむ 画像
2019年9⽉からYouTube チャンネルにて、エモーショナルな楽曲を投稿している。「泣きながら」「感情を沢山込めて」歌うカバー動画の投稿から人気に火がつき、YouTubeチャンネル登録者は50万人を突破した。3月20日には初のワンマンライブ開催も決まっており、2024年に更なる飛躍が期待されるネクストブレイクアーティストとして要注目だ。
BARKS初登場となる今回のインタビューでは、音楽活動をはじめたきっかけや、幼少期から習っていたというクラシックバレエと歌の表現力の関連性、2度目のタイアップが決まった『僕ヤバ』への思いと新作の聴きどころのほか、今後の目標や夢を叶える秘訣まで伺い、その素顔と魅力に迫った。
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■「誰かのためになれればいいな」と思いながら歌っています
──まず、歌い始めたきっかけを教えてください。
こはならむ:3歳から18歳までクラシックバレエをやっていて、練習の合間とかにJ-POPも聴いてたんですけど、自分で歌ってみようと思ったことはなくて。歌に興味を持ったのは、15~16歳くらいの頃ですかね。友達が音楽コラボアプリ「nana」で歌の投稿をしていたので、「楽しそうだな」と興味本位で始めてみました。
──その時から「いずれは音楽活動を」と思っていたんですか?
こはならむ:いや、その時は本当に趣味で、仕事になるなんて思っていなくて。友達が投稿した歌を聴いて、自分でも歌を投稿して、友達とコラボして……というふうに、交流のためにやっていました。だけど「もっとクオリティを上げたいな」という気持ちがどんどん出てきて、音を重ねてみたり、ハモリを入れたり、いろいろ工夫をしているうちに歌が楽しくなっていって今に至る、という感じですね。
──やがて友達だけではなく、いろいろな人に聴かれるようになっていったと思いますが。
こはならむ:「ファンです」と言ってくださる方が増えていったのは嬉しかったです。最初の時期はできるだけ綺麗に歌おうと意識していたんですけど、技術とかじゃなくて、「想いが伝わるように歌えたらいいな」という考え方に徐々に変わっていって。“みんな”じゃなくて“あなた”に、一対一で歌を届けたいという気持ちは今もずっとあります。
──1st アルバム『Attitude』をリリースした時に「私の歌が相談相手になれますように」というコメントを出していましたよね。そういった気持ちはいつ頃生まれたんでしょうか?
こはならむ:メジャーデビューしてからだと思います。人生ずっと楽しいわけでもないし、みんなそうだと思うんですけど、悩んだ時に誰かに相談することって私の中で結構難しいことで。「この話、相手にとっては別にどうでもいいことだよね」と思っちゃうんです、なかなか相談できないんです。だけど私みたいに、音楽が相手だったら気軽に悩みを相談できるっていう人も少なくないんじゃないかと思って。こはならむにはいろいろな曲がありますけど、どの曲も「誰かのためになれればいいな」と思いながら歌っています。私の歌が誰かのためになるんだったら、私も嬉しいので。誰かに必要としてもらえると自分の生きる理由になるというか、「一人じゃない」「一人じゃなくていい」と思えるので。だから落ち込んだ時には、ファンの方からいただいたお手紙とかを読んで「私、この人のためになれたのかな」って気分を上げたりしてます。YouTubeのコメントとかInstagramのDMとか、見れるものは全部目を通しているし、「いいね」するようにもしていて。
──「歌をもっと追求していきたい」と思った時に、影響を受けたアーティストはいましたか?
こはならむ:ヨルシカのsuis(Vo)さんと、歌い手のSouさん。Souさんの「心做し」という曲を聴いた時に、心にすごく刺さって。「こんなに曲に感情を込めていいんだ」と自分の中で表現の幅が広がりました。
──2019年の9月からYouTubeのチャンネルで楽曲の投稿を始めたんですよね。
こはならむ:はい。それまではずっと「nana」で歌を投稿していたんですけど、よりたくさんの方に聴いてもらいたいと思いYouTubeでの楽曲投稿を始めました。
──「泣きながら歌ってみた」「感情をたくさん込めて歌ってみた」というシリーズのカバー投稿が人気に火がつくきっかけなりました。こういうことをやってみたらいいんじゃないかと思ったきっかけは?
こはならむ:優里さんの「ドライフラワー」がきっかけだったんですけど、歌いながら涙が出てきてしまって。ずっと仲のよかった友達とバイバイするタイミングだったので、その人と重ねながら、「ああ、離れるんだな……」と思いながら歌っていたんですよね、歌っている時に涙が出てきてしまったのはその時が初めてだったんですけど、「これ、逆にいいんじゃないか?」と思って。「泣きながら」というタイトルも、最初は「変かな?」と思っていたし、実際に投稿してからも「本当にこれでよかったのかな?」って最初は心配でした。だけどYouTubeでもTikTokでもたくさん聴いてもらえて、結果的によかったですね。
──自分の歌の個性をどのように認識していますか?
こはならむ:感情の表現が得意な方だなと思います。例えば、笑いながら歌うと明るい声になると思うんですけど、歌だけじゃなくて、ブレスにもいろいろな種類があると思っていて。わざと震わせながら息を吸ってみたり、めちゃくちゃ速く息を吸ってみたり、声だけじゃなくてブレスでも表現できるのが自分の強みだと思います。レコーディングをしながら「ここはどういう歌い方がいいかな」と考えるのが結構好きです。だからいつもレコーディングがめちゃくちゃ長くて。1曲に12時間かけたりします。でも全然苦じゃなくて、ずっと楽しくて、集中しています。
──レコーディングの事前準備にも時間をかけるタイプですか?
こはならむ:その曲で歌われている気持ちにあった映画を観たり、電気を暗くして気持ちが入りやすくなるようにしたりはしますけど、その場でいろいろ試しながら考えていくタイプかもしれないです。
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