【速レポ】＜響都超特急2023＞coldrain、「ロットンがビビるくらいのサークルピットを」

「What’s up, Kyoto!?　久しぶりだな、＜超特急＞！ このお馴染みのメンツ、てっぺん取りに行くしかないでしょう！」──Masato(Vo)

◆ライブ写真

Masatoの雄叫びをきっかけにY.K.C (G)が弾き始めたアルペジオで、1曲目が「Final destination」と察知したオーディエンスのシンガロングとともに演奏になだれこんで、coldrainはいきなりオーディエンスをダイヴさせた。

そして、そこから35分。ほぼノンストップでメタルコアともスクリーモとも言えるラウドロック・ナンバーをたたみかけるように繋げながら、Masato、Y.K.C、Sugi (G)、RxYxO(B)──フロントに並ぶ4人、いや、大きなアクションでドラムを連打するKatsuma(Dr)も含め、5人揃ってダイナミックなアクションでも魅せながら、金閣ステージを興奮のるつぼに変えていった。






彼らのライブを見るたび、感心させられるのは、Y.K.CとSugiによるギター2本のアンサンブルをはじめ、テクニックに裏打ちされたエネルギッシュなバンドサウンドもさることながら、オーディエンスを導きながら、次々に印象的なシーンを作り出すMasatoによる巧みなライブ運びだ。

「回れ回れ回れ、京都！」と2曲目の「F.T.T.T」で早速、オーディエンスをサークルピットに導いたMasatoは、「Everybody, Sit down.」とオーディエンスを座らせると、「京都気持ちよくなろうぜ。やることは1つ。俺が3つ数えたら高く高く跳ぶだけだ！」とオーディエンスをジャンプさせ、「Adrenaline」になだれこむ。その「Adrenaline」はファンキーなアプローチも聴きどころだ。



「夏も冬もやべえフェスがあるな、京都には。昼間からうるせえのやらせんなよ。俺、今日、誕生日だぜ。なんで誕生日に9時に起きなきゃいけねえんだよ」と不機嫌を装いながら、「でも、このステージに立ったとたん、9時に起きてよかったと思った」とMasatoはMCでもオーディエンスを歓ばせる。

そこから「Vena」「FIRE IN THE SKY」「Cut Me」と繋げたところで、Masatoはこのフェスの主催者であるROTTENGRAFFTYに賛辞を贈る。彼一流のユーモアを交えながら。

「ロットンとの出会いは、俺が19歳ぐらいの時。その時はお兄さんだったロットンはいつの間にかおじさんになってました。俺もいつの間にかおじさんになってました。もう18年のつきあいです。俺がおじさんなんだから、ロットンはもうおじいさんなんじゃないかな。いつまでも同じ土俵で戦いやがって！ カッコいい。いつまでもつきあっていきます」──Masato


そして、「いい景色を見られそうだからスマホのライトもらってもいいですか？」とオーディエンスにリクエスト。

「この激しいメンツの中で、いい歌は俺が担っていかなきゃ」とバラードでもやるのかと思いきや、スマホのライトが作った光の海に「No Escape」を投下。Katsumaのツインペダルの連打でオーディエンスを追いこむようにとことんジャンプさせると、「ロットンがビビるくらいのサークルピットが見たい。37歳最初のサークルピットは一番でかいんじゃないかな。見せてくれ、京都！」と声を上げる。



そんなふうに言われたら、応えないわけにはいかないだろう。大きなサークルピットを幾つも作ったオーディエンスは曲の展開に合わせ、シンガロングとジャンプをバンドに返しながら、バンドとともにさらに大きな盛り上がりを作っていった。

Masatoも満足そうだ。最高の誕生日を迎えたMasatoの声が金閣ステージに響き渡った。

「愛してるぜ、ロットン！ 愛してるぜ、京都！」

文◎山口智男
写真◎Yukihide"JON..."Takimoto