【レポート+インタビュー】ACIDMAN、<“SAI”2022>映像上映会で「感動のひと言に尽きる」

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■小さな島国の小さなフェスなんです
■でも僕たちにとってはかけがえのない瞬間


──『ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」 Live & Documentary FILM』をご覧いただきました。皆さんいかがだったでしょうか。ここからはメンバーの3人にご登壇いただいて、舞台裏を観ることができたドキュメンタリー映像のさらなる裏側や後日談についても伺ってみたいと思います。まずはご挨拶からお願いします。

大木:ボーカル&ギターの大木です。今日はご来場いただいて本当にありがとうございます。

佐藤:ベースの佐藤です。今日はありがとうございます。

浦山:ラーメン屋のものです(笑)。今日は、ようこそいらっしゃいました。

──(浦山)一悟さんプロデュースの『麺屋一悟』は、<SAITAMA ROCK FESTIVAL“SAI”>に出店されて完売御礼となったそうですね。さてあれから1年、今スクリーンで映像が上映されましたが、どんな2日間でしたか。

大木:今日は一番後ろの席で上映を観ていましたが、やっぱり感動のひと言に尽きるというか。素晴らしいアーティストが出演してくれたんだなっていうことを改めて感じましたね。それと、会場に来てくれたお客さん1人1人から僕らへのコメントが、やっぱり泣けてくる。ACIDMANの音楽がそれぞれの人生の一部になっているっていうことが 一番のハイライトであり、本当に素晴らしい。


──ドキュメンタリー部分に挿入されているお客さんからのメッセージですね。

大木:僕の親友でもあるアキさん(映像監督 小田切明広氏)が映像編集をしてくれていて、僕からは“こうしてくれ”みたいなことは何にも言ってないですけど、“どうも僕を泣かそうとしてるな”って(笑)。もう本当に涙なくては観られないくらいの感動を、またさらにいただきました。

佐藤:改めて2日間の映像を観て、 本当に素晴らしいフェスだなと思いました。奇跡のような2日間だったなって感動しました。

浦山:最高の2日間でしたね。本当にこんな思いをさせていただいてありがとうございます。

──この2日間の出演者や皆さんの愛を受けて、ACIDMANが最後にステージへ上がってくという。そこにすごい気合みたいなものを感じました。

大木:DAY1もそうでしたけど、特にDAY2は2日間の締めくくりでもあったので“もう死ぬ気でやろうと”と。DAY1の時は“明日があるから死んじゃダメだ。ミスチルが観れなくなるし、絶対死ねない”みたいなのがあったけど(笑)、DAY2のステージに上がるときは“もう死んでもいい”っていう気持ちがあったから、非常に何かくるものはありましたね。


──演奏前、演奏中、演奏後でもいいんですが、2日間の記憶はありますか。

大木:こういう風に映像で観させてもらって、呼び起こさせられるという感じです。

佐藤:夢のような感じで。出演バンドの皆さんがお膳立てしてくれてる中でのステージなので、すごく楽しかったですね。

浦山:事前に大木からあったのが、「この2日間は目まぐるしいものになるだろうし、絶対バタつくだろうから、自分たちのライブに関しては1ヶ月以上前からセットリストを決めて、毎日リハをして、勝手に身体が動くぐらいの感じに仕上げて、本番に臨もうぜ」っていう風にしてくれたんですね。そのおかげで当日は意外と落ち着いてたかな。それがなかったら、たぶん本番でもっと浮ついていたと思うし、ライブ中に頭が真っ白になって飛んじゃってたかもしれない。

──それもしても、すごいラインナップですよね。DAY1は東京スカパラダイスオーケストラ、DOPING PANDA、SiM、back number、氣志團、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+、MAN WITH A MISSION、ストレイテナー、Dragon Ash、ACIDMAN。DAY2はTHE BACK HORNにはじまって、sumika、the band apart、マキシマム ザ ホルモン、BRAHMAN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ELLEGARDEN、10-FEET、Mr.Children、ACIDMAN。フェスやイベントでトリを取ってるようなバンドしか出てこないラインナップですから。出演順はもちろん、このアーティストたちが揃う形に持っていくまで、大変だったと思います。

大木:そうですね。出演者を発表した時にいろいろな方々から「すごい」と言ってもらえたし、ドキュメンタリー映像のコメントでも「ACIDMANにしかこのラインナップは揃えられない」と言ってもらえたり。


──幕間のMCや出演者がMCでおっしゃったことを繋ぎ合わせると、その答えになるのかなと思います。例えば、TOSHI-LOWさんが「出演者はバラバラに見えるかもしれない。けど、これを繋ぎ止めて1つの星座や物語にすることは、ACIDMANにしかできない」とおっしゃったり、VJ Booさんも「最後に出てくるのはACIDMANじゃなきゃいけない」とおっしゃってました。そういう意味を持つ、ACIDMANだからこそのラインナップだということは、伝わっていると思います。

大木:TOSHI-LOWのMCには僕、泣いちゃって泣いちゃって。ドキュメンタリーに映っているあのシーンだけでは泣き切らなかったんですよ。楽屋に戻っても涙がおさまらなくて、「ちょっとごめん、一回トイレに誰も入れさせないでくれ」ってトイレの個室に入って声を上げて泣き切ったという。そこまでしなかったら本当に危なかったですね。

──そうだったんですか。

大木:言ってみれば、小さな島国の小さなロック村の小さなフェスなんですよ。でも、僕たちにとっても、お客さんにとっても、めちゃくちゃデカいことであり、かけがえのない瞬間なんです。TOSHI-LOWのMCは大きく俯瞰した目線で、僕らの背中を“頑張った”って押してくれたような気がしまして。本当にありがたかったですね。 あそこで自分のピンと張り詰めたテンションが一気に崩壊してしまったので、彼には恨みしかありません(笑)。

──2日目中盤の出来事でした。

大木:これも、すごく嬉しいハイライトのひとつだと思います。


──出演者の皆さんは、ACIDMANがやってきたことをしっかりと見てるわけで。 初日に出演したback numberの清水依与吏くんは「憧れてたロックバンドにはなれなかった。俺が憧れていたのはもっと強心臓で、売れようが売れまいが自分たちがカッコいいと思ったものをやるバンドで。だいぶ予定とは違うけど、ここに呼んでもらえたということは、たぶんこの道が間違ってなかったと思っていいっていうことだと思うので」と語ってました。sumikaの片岡健太くんは、「ACIDMANに教わったことがあります。ひとつは哲学を持つこと。もうひとつは美学を持つこと。そして今日、新しく教わったことがあります。その二つを大事にずっと持っておけば、夢は必ず叶うということです」と語りました。後輩たちには、ACIDMANの背中を見て感じてきたものがある。そういう人たちが一同に介してメッセージをくれている。そういうことが伝わる映像です。

大木:別に教えてないですよ、「片岡君、大事なのは哲学だ。そしてもうひとつは美学」…そんなこと言ってないです(笑)。ただ普通にライブを観に来てくれたり、一緒にご飯を食べに行ったりしてる中で、たぶん彼はそういうことを感じ取ってくれたんだと思うんです。

──幕間のMCでは、斎藤工さんの出演に驚きの声が上がりました。

大木:ずっと昔からの付き合いなんですよ。ACIDMANがまだデビューしたばかりで、工は俳優の卵だった時代から、出会って22〜23年ぐらいかな。彼とはすごくマニアックな映画の話とか、いろいろ話をしてきたんだけど本当にナイスガイで、今回も声をかけたら「僕でよければ」って気軽に言ってくれて。表裏がない真っ直ぐなやつです。芸術的に非常に尖ったセンスを持っている人だと思います。一方でダイノジは、映像でも言ったように、毎日のようにLINEが来て、本当にうるせえなって(笑)。

──あのシーンは実話を語ってたんですね(笑)。

大木:そうそう、ほんとに素敵な人たち。

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