【ボーカル座談会:前編】Eins:Vier × Gargoyle × Valentine D.C. × メリー × H.U.G「30年ぶりの復活です」
■個性の強い人がバンドを演ってる印象
■怖そうだなって印象もありましたけど
──先輩方のお話を聞いて、若手チームはどう思いました?
ryo:タメになりますね、めちゃめちゃ。実は僕、初めて買ったインディーズのCDが、ZI:KILLの『CLOSE DANCE』とGargoyleの『檄(ふれぶみ)』だったんですよ。今、TVで流れてる音楽よりもカッコよくて尖っているインディーズというものがあるらしいという認識で。それ以外の情報はなにも知らなかったから、一番目立つものを買ったんです。
Hirofumi:一番目立つものって、ジャケ買いってこと?
ryo:そうです。インディーズコーナーで目立ってた。白と黒の『CLOSE DANCE』とギラギラの『檄(ふれぶみ)』初回盤を買って、聴きまくっていたんですよ。今、KIBAさんのお話を聞いて、自分の好きなことだけをやってたから、あんな風に輝けるんだなと思いました。
ガラ:先輩方が作ってこられたヴィジュアル系というジャンルを見て聴いて、僕は育ってきたんですよ。音楽雑誌でみなさんの記事を拝見して、曲を聴いたり。なかでも特に、GargoyleさんはCDの仕様が半端なかった。蛇腹になっていたり、“なんだこれは!?”という特殊仕様が幾つもあって。そこにはめちゃくちゃ影響を受けて、自分のバンドに反映しました。
Hirofumi:インディーズ時代にそれをやってたんだよね、Gargoyleは。
KIBA:そう、見た目でごまかしてた(笑)。どうせ作るなら、自分が面白いと思うものを全部やろうって、ジャケットにまで詰め込んでいったから。
Hirofumi:あそこまでこだわって作品をつくるという発想が、Gargoyle以外のインディーズにはなかったんですよ。今みたいに簡単にwebで業者とかを探せなかった時代に、あの仕様を作るって。お金もすごく掛かった時代やったから。俺らも“なんやねん!?”と思ってました(笑)。
ガラ:そういうCDの作り方はもちろん、音楽性も見せ方も、似たようなバンドが他にいなかった。だから、僕らからすると、個性が強い人たちがバンドを演ってるという印象でしたね。みなさん個性が強い先輩方なので、“怖そうだな…”という印象もありましたけど。
Hirofumi:ははは!
ガラ:インディーズ時代にAfter ZEROという同じレーベルにいて、今もこうしてそれぞれが現役でバンドを続けているって、めちゃくちゃ美しい。途中で辞めるほうが圧倒的に多いなかで、四半世紀以上経ってもこうして一緒にステージに立てているということが、本当に美しいと思いますね。
Hirofumi:まだ、お互いに生きてるからこそだよね。だんだんそうもいかなくなるなかで。
ガラ:今回、出演オファーをいただいたとき、“キッズのときに聴いてた人と一緒に演れるなんて!”って思いましたから。当時は考えられなかったことですけど、一緒に演れるときがきたというのは純粋に嬉しいんです。
Ken-ichi:こんなに長いこと演ってるけど、俺も純粋に嬉しいんだよね、Eins:Vierと演れることが。昔から彼らのファンで大好きなんです。
Hirofumi:Ken-ichi自身の表現はValentine D.C.というロックンロールに集約されてるけど、個人的に好きな音楽って俺らのバックボーンに存在するものも入ってるんだよね。だから、“一歩間違ったら俺もEins:Vierみたいな音楽をやってたかも”っていう目線で昔から俺らのことを見てくれてるんだろうね。
Ken-ichi:そう。俺はブリティッシュな音楽も好きなので、それを自然に出せてるEins:Vierが羨ましいし、だから一緒に演れるのが嬉しい。未だにその気持ちは変わらないんですよ。この間、LunaとYoshitsuguの間に立ってEins:Vierの曲を歌わせてもらったんですけど、めっちゃ気持ちよかった(笑)。ちゃんとHiroちゃん(Hirofumi)のコスプレもして、歌い方も真似て。すごく幸せでした。
Hirofumi:遠目で見たら、ちょっと似てた(笑)。
Ken-ichi:Valentine D.C.はある意味コテコテやったと思うんですよ。当時からいなかったですからね、Eins:Vierみたいにスーツを着て、本物のUKサウンドを鳴らすオシャレなバンドは。
KIBA:Eins:Vierは大阪臭がなかったな。
Hirofumi:大阪にないものに憧れてたんかな。シュッとしたものに。
Ken-ichi:「シュッとした」って、それすでにコテコテの大阪弁やけどな(一同笑)。
Hirofumi:俺らの中身は全然シュッとしてなくて、コテコテなんで。当時流行ってたBUCK-TICKやLUNA SEAのことは耳には入ってきてたんですよ。音楽雑誌とかの写真を見て、“好きな音楽、被ってるんかな”と思ってたし。でも、俺らはこうはならへんし、染まらへんぞと思ってた。今思えば、染まったほうがよかった気もするけどね、戦略的には(笑)。でも、絶対染まらへんって精神はコテコテの大阪でしょ。
Ken-ichi:大阪の話ばっかりになっちゃったけど、お二人はどこ出身なんですか?
ryo:僕は新潟です。新潟でバンドを始めて、しばらく新潟にいたんですけど、一度バンドを辞めまして。30歳を超えて“もう一度やろう”と思ったとき、東京に来ました。
ガラ:僕は群馬出身ってこともあって、BOØWYとBUCK-TICKを聴いて育ちました。
Hirofumi:オシャレな県や、ビートやノリが。
Ken-ichi:東と西に分かれたね。
Hirofumi:<KATHARSIS 2023>初日ゲストが東出身、2日目ゲストが西出身であり、初日ゲストが昔からの知り合いで、2日目ゲストは初共演という。コントラストの高い2DAYSになりますね。
取材・文◎東條祥恵
撮影◎緒車寿一
■<Eins:Vier Presents “KATHARSIS 2023”>
open18:00 / start18:30
出演:Eins:Vier / メリー / H.U.G
12月23日(土) 東京・赤羽ReNY alpha
open17:00 / start17:30
出演:Eins:Vier / Gargoyle / Valentine D.C.
▼チケット
前売り ¥7,700(税込) ※DRINK別
一般発売:9/16~
(問)DISK GARAGE http://www.diskgarage.com/
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