【速レポ】モンパチフェス<WWW!!23>、HUSKING BEEが降らせた音楽という恵みの雨「沖縄来れて嬉しいです」
開演時間の5分前、HUSKING BEEが音のチェックのため演奏を始めた途端、スコールのような大雨。しかしそんな雨など構わずリハから聴き入るオーディエンスに、「じゃあ、もっと降らせてやる」と笑みを浮かべた磯部正文(G, Vo)。
◆ライブ写真
「久しぶりに来れました、沖縄。みんなで楽しみましょう。HUSKING BEE始めます」──磯部正文
コードを爪弾きながらそう言った直後、激しいリフを平林一哉(G, Vo)と工藤哲也(B, Cho)が刻み、始まったのは「#4」。2000年に発表したアルバム『FOUR COLOR PROBLEM』からの1曲だ。それまでのトリオ編成から4人編成となり、音楽的な幅も広げたのがそのアルバム。いわゆるメロコアらしいアグレッシブさにこだわることなく、年齢を重ねたからこその音楽的趣向などを開けっ広げにして、ナチュラルで伸びやかなメロディも鳴らし始めるHUSKING BEEがいた。
リハ中に“もっと降らせてやる”といったのは雨ではなく、HUSKING BEEの曲やメロディのことを言ったのかもしれない。なにしろ「#4」を皮切りに、間髪入れずに次から次へと曲をオーディエンスに向けて降り注ぎ続ける彼ら。普段はライブハウスをホームグラウンドに活動するHUSKING BEEではあるが、曲やメロディは野外の空気感や開放的な雰囲気によく似合う。
4曲目「摩訶不思議テーゼ」は疾走感や小気味よさもあるが、若さとエネルギーで突っ走っていくそれではなく、心臓の鼓動に素直なビート感。さらに続く「BY CHANCE」では、磯部正文と平林一哉によるギターアンサンブルで奥行や広がりも作り出し、磯部正文の歌には飛翔感すら感じる。平林一哉がメインで歌う「NEW HORIZON」も、磯部正文とは違った声質や歌いまわしで、HUSKING BEEの音楽的な幅を感じさせていく。「The steady-state theory」のポップ感は、オーディエンスをさらに楽しませることにもなった。
磯部正文が「久々に来れて本当にテンション上がっております、ありがとう。もうみんなと、いちゃりばちーべー、だな」と言うと、客席エリアから訂正する言葉が飛ぶ。「あっ、まちがってた? いちゃりばちょーでーだ。なんくるないね(笑)」気持ちいい曲の数々の直後、そんな言い間違いもあって、温かい雰囲気に。
「昨日、キヨサクとしゃべったりして、モンパチも25周年。おめでとう。モンパチと初めて会ったのが、2ndアルバム『PUT ON FRESH PAINT』ツアーの沖縄公演だったんですよね。そこから25年経ったんだな。本当、沖縄来れて嬉しいです」──磯部正文
噛みしめるように言葉を重ね、そして次に披露したのは「欠けボタンの浜」。優しい歌が広がる中、さっきまで雲で遮られていた太陽の光もマングースSTAGEに降り注がれていく。さらに“沖縄に新しい風を”と「新利の風」を聴かせ、ラストに待ち構えていたのは名曲「WALK」だ。オーディエンス全員が聴きたかった、体感したかったHUSKING BEEの曲だろう。ストレートなリリックではないが、前向きな姿勢や考え方を綴った歌詞。それに勇気づけられ、共に口ずさみながら曲を自分に染みわたらせていくオーディエンス。HUSKING BEEは、この沖縄で恵みの雨を降らせた。
文◎長谷川幸信
写真◎macoty
セットリスト
2.Feedback Loop
3.ANCHOR
4.摩訶不思議テーゼ
5.BY CHANCE
6.NEW HORIZON
7.The steady-state theory
8.欠けボタンの浜
9.新利の風
10.WALK
<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!23>
11月3日 DAY1
MONGOL800/04 Limited Sazabys/赤犬/かりゆし 58/きゃりーぱみゅぱみゅ/サンボマスター/湘南乃風/DIAMANTES/真志喜中学校軽音楽部/LOUD SPEAKER(普天間高校軽音楽部)
道ジュネー:新城青年会
11月4日 DAY2
MONGOL800/Creepy Nuts/D-51/TETORA/ハルカミライ/FOMARE/RIP SLYME/ROTTENGRAFFTY/WWW!! special session The BK Sound presents -Good Vibes Only
道ジュネー:江洲青年会
11月5日 DAY3
MONGOL800/ORANGE RANGE/KICK THE CAN CREW/島バナナーズ/DOBERMAN/HUSKING BEE/HEY-SMITH/WANIMA/WWW!! special session 島袋優(BEGIN)presents -Okinawa moon
道ジュネー:栄口青年会
2023年11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)
*雨天決行/荒天中止
@沖縄県 宜野湾マリーナ・トロピカルビーチ特設会場(901-2224 宜野湾市真志喜 4-2-1)
開場11:00 開演13:00
各1日券【前売】一般 9,900 円(税込)|中高生 4,000 円(税込)
2日通し券【前売】一般 18,000円(税込)※11/3・4、4・5 券の2種
3日通し券【前売】一般 27,000円(税込)
※小学生以下はチケットをお持ちの保護者1名様につき、1名まで入場無料
※中高生チケットは1日券のみ、一般発売からの販売
[問]PM AGENCY
TEL:098-898-1331(平日 11:00-15:00)https://www.pmnet.co.jp
この記事の関連情報
【速レポ】モンパチフェス<WWW!!24>2日間を締め括ったMONGOL800の底力
【速レポ】モンパチフェス<WWW!!24>HYDE、「めんそーれ!台風は曲げときました」
【速レポ】モンパチフェス<WWW!!24>SPECIAL OTHERS、マングースステージのフィナーレに“とっておきのプレシャスな瞬間”
【速レポ】モンパチフェス<WWW!!24>WWW!! Special Session Sami-T(fr Mighty Crown) Presents “Musical Gathering”「狂った世の中、音楽でバイブスをアゲていこうよ 」
【速レポ】モンパチフェス<WWW!!24>クレイジーケンバンド、「マジリスペクト! Big Up! イイネ!」
【PHOTO GALLERY】モンパチフェス<WWW!!24>道ジュネー・栄口区青年会
【速レポ】モンパチフェス<WWW!!24>MONGOL800 × WANIMA、最高のコラボ「今日一番騒げ!」
【速レポ】モンパチフェス<WWW!!24>レキシ、ビーチに揺れる稲穂「沖縄ありがとう!モンパチありがとう!」
【速レポ】モンパチフェス<WWW!!24>ALI、沖縄初ライブ「ハートに火をつけにきたぞ!」