【インタビュー】イ・スンユン、日本初コンサート開催「我々は特別ではない。でも特別な瞬間を集めていきたい」
■特別な人じゃなくても十分特別な瞬間がある
──『シングアゲイン』のなかでは、歌唱力以外にアレンジ能力の高さにも惹かれるものがありました。そこも自分の強みとしてアピールしたい部分ですか?
スンユン:自分はアレンジ能力に対してはまったく自信はなかったんですよ。やっていくなかで、周りの人が「上手だね」と評価してくれた感じです。
──すごく才能があるなと感じましたが。
スンユン:いやいや。僕はオーディションに出るまでは、せいぜい5〜6人のお客さんの前で歌ってたような人だったので、自分の音楽はめちゃイケてる、自分は才能があるというような自信はなくて。かといって、実力もないのに音楽にしがみついてやってるようには見られたくないなという思いはあったので。そういう感覚でやってました。
──こんなに実力がありながらも、ロックバンド時代は5〜6人の前で歌っていたというのは衝撃的ですね。
スンユン:でも、韓国では普通によくあることです。
──なるほど。では、これはちょっといやらしい話なのですが、オーディションの優勝賞金として貰ったお金はどうしたんですか?
スンユン:それまで僕は、物理的にも精神的にも余裕がなくて、いろんな人にお世話になりながら生活をしていたので、その方々に恩返しをするために半分は遣って。残りは両親に渡しました。
──バンド時代とソロになった現在、生活は変わりましたか?
スンユン:はい。このように(といってカメラの向きを変えて)車を運転してくれる人とマネージャーが付きました(笑)。
──音楽表現は変わりましたか?
スンユン:はい。ロックバンド時代はいい音でレコーディングができなかったり、スケール感ある音楽をやりたいと思ってもできなかったんですが。いまは自由にできるようになったので、とても嬉しいです。
──歌詞を通して届けたいメッセージも変わりましたか?
スンユン:大きな差はないです。僕は歌詞を書くにあたって、核にあるメッセージは一貫したものがあって。それは「我々は特別になりたい。だが、特別ではない。でも、特別な瞬間を集めていきたい」ということなんです。
──もう少し詳しく教えてもらえますか?
スンユン:例えば、いろんなメディアを見ていると“特別な人”たちがいっぱいいて、輝いて見えますよね? だけど、世の中全体を支えているのはそういう人たちではなくて、何でもない人々。日々コツコツと生きてる方たちです。そういう方たちも明るく輝く特別な瞬間が少しでもあればいいなという思いでやってます。
──スンユンさんは「俺はスターになるために生まれてきたんだ!」とスター街道をまっしぐらに生きてきたタイプではないからこそ、そういうメッセージを届けたいと思ったんですかね。
スンユン:そうですね。だから、いま僕は小さい頃に学校で人気No. 1にならなくてよかったなと思ってます(笑)。といいながらも、23歳までは世界で超有名なロックスターになりたいなとは思ってましたけどね。だけど、そっちの方向だけを一途に追いかけていると、それ以外の道、そうじゃない人は特別じゃないと見えてしまってたんです。だけど、一度音楽から離れて世の中を客観視してみたら、じつはこの世には本当に特別な人もいれば、特別な人じゃなくても十分特別な瞬間がある。そのことに気付くことができたんですよね。
──一度音楽から離れた人だからこそ、このメッセージをいまは確信を持って歌ってらっしゃる訳ですね。この後スンユンさんは日本公演の前に<釜山インターナショナルロックフェスティバル2023>に出演。それこそ世界のロックスターであるフェニックスやニールなどと同じステージに立つ訳ですが。
スンユン:素晴しいアーティストたちと同じステージに立たせて頂けることは光栄なことだなと思ってます。個人的にはいつも興奮しないように心がけてライブに挑むんですが、この日だけは、ワクワクしたままでいこうかなと思ってます。
──そのあとはいよいよ日本公演です。日本の音楽はご存知ですか?
スンユン:はい。韓国と比べると、日本の音楽はバンドの音楽。ロック音楽の市場が大きくて、システムもしっかりと出来上がっているところは、僕からしたら羨ましい限りです。そこにはいろんなジャンルがあって、いろんなアーティストがいて、実力を持ってる方々。神のようにうまい方々がたくさんいる。そんな印象です。
──共演してみたい日本のバンドはいますか?
スンユン:T-SQUARE! 僕が小さい頃にT-SQUAREがもう1つのバンド(CASIOPEA)で共演して演ってた「GET BACK」がカッコよくて、いまでも憶えています。
──来日したら行きたい場所はありますか?
スンユン:僕はジブリが大好きなんですよ。以前、プライベートで日本に来たときに「三鷹の森ジブリ美術館」まで行ったら、チケットがなくて(窓口での販売はなく予約制)入れなかったんですね。今回はチケットを予約して行ってみたいです!
──では、スンユンさん初の日本公演。どんなものにしたいですか?
スンユン:韓国でコンサートをやるとき、会場のなかにエネルギーが膨れ上がっていくような感覚があるんですね。それと同じようなものが日本でも再現できたら嬉しいなと思ってます。
──エネルギッシュでロックなコンサートですもんね?
スンユン:Yes!
──ライブはどんな風に楽しんでもらいたいですか?
スンユン:髪を結んでいたものをとって、髪の毛をブンブン振り回して楽しんでもらえたら(笑)。嫌な方は手を振って楽しんでもらえたらいいですよ。
──それでは、日本のファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
スンユン:日本でコンサートができること自体、夢のような話です。でも、せっかく日本で公演ができることになったので、精一杯頑張ってみなさんといいコンサートが作れたらなと思ってます。
取材・文◎東條祥恵
<2023 LEE SEUNG YOON CONCERT 「 DOCKING 」 IN TOKYO>
[東京] Zepp Haneda
2023年10月26日(木)
18:00開場 / 19:00開演
※開場・開演時間は変更になる場合がございます。
【チケット料金】
1F スタンディング:9,900円(税込)
2F 指定席:12,000円(税込)
1F VIPスタンディング:25,000円(税込)
※VIP特典: ●リハーサル参加3曲 ●VIPパス ●優先入場 ●グッズ優先購入●お見送り
※お一人様につき1申込4枚まで
※4歳以下入場不可
※入場時別途、ドリンク代600円必要。
【チケット抽選先行】
一般販売受付期間:2023年9月16日(土)10:00~10月25日(水)23:59
【チケット先行及び販売リンク】
楽天チケット:https://ticket.rakuten.co.jp/features/leeseungyoon/
【主催・企画】
MEPLUS
【主管】
MOTIVE
【協力】
MAREUMO / 楽天チケット
【公演に関するお問合せ】
メール:info@meplusent.com
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7 Words Befitting One Who Loves Someone
8 A Vast Heart
9 Piece Together Scattered Dreams
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