【速レポ】＜中津川ソーラー＞FLYING KIDS、新曲もフライング披露「ソーラーパワーを十分にいただいて盛り上がろう！」

「今日は本当に最高の太陽が出ちゃってるんで、このソーラーパワーを十分にいただいて盛り上がろう！」

浜崎貴司（Vo）が声を上げ、RESPECT STAGE 2日目の2番手を務めたFLYING KIDSは「朝日を背にうけて」「オードレイ！」と繋げ、観客を踊らせていった。ご存じ、もはや＜中津川 THE SOLAR BUDOKAN＞の常連と言ってもいい9人組のファンクバンドだ。

◆ライブ写真

ソウルフルに歌い上げるElli（Vo）のソロパートから、メンバー紹介も兼ねた宇賀まり（Sax）、中園浩之（Dr）、丸山史朗（G, Cho）のソロ回しも交えながら、じっくりと会場の温度を上げていった「オードレイ！」は、日本を代表するというFLYING KIDSに対する賛辞にふさわしい正調ファンクナンバーだ。



一方、演奏の瞬発力がライブのオープナーにぴったりだった「朝日を背にうけて」はアーバンなファンクナンバーと思わせ、加藤英彦（G, Cho）がかき鳴らすアコースティックギターの音色と竹本一匹（Per）の手数の多いプレイが加えるラテン風味が曲のユニークさを際立たせる聴きどころに。



この日、ステージの9人が演奏したのは、ファンクをベースにさまざまな要素を取り入れた新旧のレパートリーの数々だが、デビュー30周年を経てもなお前進しようという意思をアピールするように、これから世に出る新曲もフライング気味に披露して、＜中津川 THE SPOLAR BUDOKAN＞のステージをスペシャルなものにする。

やはり新曲を披露するなら、太陽光のクリーンなエネルギーによる、いい音でと考えたのかもしれない。「FLYING KIDSは去年、今年と還暦を迎えるメンバーも登場してきて、いよいよいろいろなものが迫ってきます。それでもどんどん行きます！　新曲リリースします。今日、お披露目させていただきたいと思います！」


その言葉を聞き、歓声を上げた観客をさらに煽るように「必要以上に盛り上がった体で行きたいと思います！」と続けた浜崎に応えるように炸裂したサックスのブロウからなだれこんだ新曲「REFLEX ACTION」は、加藤がエレクトリックギターでリフを奏でるFLYING KIDS流のラップロックナンバー。曲の中盤でElliと宇賀が上げたオー！オー！オー！という声に合わせ、観客が拳を上げる。新曲をやると、たいてい、しーんとするという浜崎の心配をよそに観客の反応は上々だった。因みに「REFLEX REACTION」は、10月4日に配信リリースされる予定。

「今年もSOLAR BUDOKANに帰ってこられてうれしいです。暑いけど、みんな大丈夫？　心地いい歌を。涼しい感じになってください」（Elli）

＜中津川THE SOLAR BUDOKAN＞でElliが初めてリードボーカルを取った「抱きしめたい」は、SWING-O（Key）がピアノを奏でるバラードナンバー。伏島和雄（B, Cho）がソリッドな音色でソウルクラシックにオマージュを捧げるように奏でたリフに加え、丸山、加藤、宇賀、SWING-OがElliの歌に重ねたHoo Woo Ahというムーディーなコーラスも素晴らしい。




「一緒に歌う時間がやってきた。君と一緒に歌いたい！」と浜崎が観客に語りかけ、シンガロングと観客全員が手を振るワイプで一体感を作り上げたポップかつハートウォーミングなソウルナンバー「風の吹き抜ける場所へ ～Growin' Up, Blowin' In The Wind～」から浜崎のアジテーションとともに「ファンキースター」になだれこむと、ためのきいた演奏で再び観客を踊らせながら、じわじわと盛り上げていく。浜崎の歌声にも一層熱がこもる。

そこからたたみかけるようにアップテンポの演奏がエモーショナルな「ディスカバリー」に繋げ、メンバー全員でシンガロングの声を上げながら、「みんなも！」（浜崎）と観客にもシンガロングの声を上げさせた。しかし、それを超える大きな盛り上がりが最後の最後に待っていた。



ラストナンバーに選んだのは、1990年にリリースしたメジャーデビューシングル「幸せであるように」。浜崎の真骨頂と言える力んだ歌声で大きな愛を謳いあげるメッセージが会場全体を包み込む光景を見ながら、これはFLYING KIDS流のニューソウルなバラードなのだと思った。＜中津川THE SOLAR BUDOKAN＞にぴったりじゃないか。

演奏を終え、ステージを降りる9人に観客が贈る拍手喝采がいつまでもやまなかった。

取材・文◎山口智男
撮影◎三浦麻旅子