【インタビュー】Pipping Hot、新曲は自己肯定感アゲソング「聴いた人が“自分らしくていいんだ”ってなってくれたら嬉しい」

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熱いメッセージを届ける男装ユニットとして精力的な活動を重ねているPipping Hot(ピピンホット)がニューシングル「人と違って何が悪いっていうの?」をリリースした。

◆ミュージックビデオ

元Non Stop Rabbitの田口達也が作詞・作曲を手掛けた本楽曲は、他の誰でもない「自分」を大切にしながら生きる姿勢を全力で肯定している。リスナーの心を爽やかに鼓舞できるPipping Hotの魅力は、この曲を聴けばよくわかるはずだ。今作に込めた想いを5人に語ってもらった。

◆   ◆   ◆

▪️田口さんはメンバーそれぞれとPipping Hotのことをすごく見て曲を作ってくださった

──「人と違って何が悪いっていうの?」には、どのような想いがありますか?

有光陽稀:タイトル通り、人と違うのは悪いことじゃないって伝えられる楽曲になっていると思います。自分達も男装アイドルで、メンバーの個性もそれぞれ違いますけど、「自分は自分らしくていい」って思えるし、そういう自分たちを体現して伝えることもできるのかなと思っています。

八雲杏:人と違うのは当たり前ですけど、「当たり前」と思っていても自分はどうしてもネガティブな気持ちになってしまったり、「なんで自分はこれができないんだろう?」って悩んだりもするんですよね。そういう気持ちに寄り添う楽曲ですけど、「肯定してくれる」っていう言葉が一番似合うのかなと思います。

──雫月 Leeさんは、この曲に関してどのような想いがありますか?

雫月 Lee:フルネームでありがとうございます!

──Leeさん、の方がいいですか?

雫月 Lee:“ずっきー”で。公式であだ名を決めたのに誰もそう呼んでくれないので(笑)。

──(笑)。ずっきーさん、いかがでしょう?

雫月 Lee:自分自身は意見に自信を持てないことが多々あって、小さい頃から「これ言っていいのかな?」「こう感じちゃいけないのかな?」とか思ったり、自分で決定するのが苦手なんです。そういう自分自身に、すごく響く楽曲です。「人の数だけ考え方がある」っていうのを肯定してくれます。あと、色を使った表現が歌詞に入っていて、自分達の名前も入っているんですよね。そういった点にも注目していただきたいです。

──2番の歌詞にみなさんの名前が入っているのは、ファンのみなさんも気づくでしょうね。

雫月 Lee:そうなんです。“雫に写った”で「もしかして?」ってなって、“月を見て”で「はい、きたー!」ってなるので(笑)。田口さんにこちらからお願いしたわけではなかったので、すごく嬉しかったです。

逢坂朔玖:インパクトもあって、ストレートにメッセージが伝わってくる楽曲ですね。「まっすぐ伝えよう」という気持ちで歌っているので、これを聴いた人が「自分らしくていいんだ」ってなってくれたら嬉しいです。

碇たくみ:サビのメロディがすごく耳に残るので、ふとした時に口ずさみたくなります。自分は夜にいろいろ考え過ぎる癖があるので、“本当の自分を隠しても 偽る心で笑っても 針はチクタクと過ぎていくだけ”のところとか、自分にすごく重なるものを感じています。

──みなさんのように、アーティストは「人と違って何が悪いっていうの?」ということを考えた経験が結構あるんじゃないかと思います。

八雲杏:そういうことはありましたね。でも、キラキラした憧れの道を見つけて進んだので、今、楽しいです。知らない道に進むのは誰でも怖いんです。決断に対して何かを言われるのも怖いですし。そういうことからみなさんを応援する曲であったり、守れる曲になっていたらいいですね。

碇たくみ:「こんなに自由でいいんだ」って、自分はこの世界に入って思いました。もともとは「これが常識でしょ?」っていう考え方が強い方だったんですけど、殻を破るようにしてきたんです。今回の曲は、自分の色も出ているんじゃないかなと思います。

雫月 Lee:この世界はいろんな方々がいるので、それも楽しいんですよね。脳の皺が増えます(笑)。「そういう考え方もあるんだ!」って、いろいろな場面で感じるので。

逢坂朔玖:自分はもともとアルバイトをしていた身なので、芸能界と関わったことはなかったんですよね。でも、「将来どうしよう?」とふと考えた時に、「自分にしかできない仕事をしたい」って思って、いろいろ探す中でアイドルという道を見つけたんです。

▲有光陽稀

──陽稀さんも芸能界に進む決意をした時は、勇気を持って踏み出す感じだったんじゃないですか?

有光陽稀:俺は自分のことが好きで、自分の表現がしたくて、目立ちたがり屋なところもあったので、ずっと芸能界に憧れてきたので。だから将来に関しては、この道しか考えていなかったです。

──「人と違って何が悪いっていうの?」という考え方が、小さい頃から身についていたんですね?

有光陽稀:そうなんだと思います。「自分はこうだし、それでいいじゃん?」っていう考え方だったので。

──ずっきーさんは、この世界に進む時、どのようなことを考えました?

雫月 Lee:自分はもともとダンスをやっていて、ステージに上がる経験はずっとしていたんです。そんな中、あるコンサートを観て「歌もやりたい」ってなったんですよね。だから自分は進路に悩むことはなく、「これがやりたいんだ」って、中学の頃からオーディションを受けてこのお仕事を続けています。でも、人と違う何かをすることに対する迷いは、正直なところありましたね。

──みなさんそれぞれの経験の中で抱いた実感が、この曲にはすごく込められているということみたいですね。

雫月 Lee:そうなんだと思います。

──タイトルは、みなさんで決めたとか。

有光陽稀:はい。田口さんはメンバーそれぞれとPipping Hotのことをすごく見て曲を作ってくださったんです。だから「メンバーがタイトルを決めちゃいなよ」と。英語のタイトルとかを考えたり、いろいろな案があったんですけど、やっぱり一番しっくりきたのが「人と違って何が悪いっていうの?」でした。

碇たくみ:やっぱりこれで正解だったと思います。

──ずっきーさんが先ほど触れていらっしゃいましたが、色に関する描写が歌詞に盛り込まれているのも印象的ですね。みなさんは、自分のメンバーカラーへの愛着もすごくあるんじゃないですか?

八雲杏:ありますね。

──ずっきーさんは、赤色の持ち物が増えたりしています?

雫月 Lee:ええと……黒が多いです。

▲雫月Lee

──一応フォローをしておくと……黒は赤に合います。

雫月 Lee:フォローをありがとうございます(笑)。赤と黒の組み合わせが好きなんですよ。

八雲杏:メンバーカラーの持ち物が一番多いのは、多分、たくみです。

碇たくみ:最初、「メンバーカラーは緑」って言われた時は、「緑かあ……」ってなったんですけど、今はめっちゃ好きです。服もそうだし、ハンカチ、靴下とかもめっちゃ緑ですから。包丁やまな板も緑です。

──緑の包丁、まな板ってあるんですね。

碇たくみ:包丁は柄が緑で、まな板は縁が緑なんですよ。

逢坂朔玖:そういえば……「緑の鞄なんだ」って見てたら、そこから緑のお財布を取り出したことがありました(笑)。

──(笑)。朔玖さんのメンバーカラーは黄色ですけど、いかがです?

逢坂朔玖:黄色はめちゃくちゃ好きですね。もともとは青色が好きだったんですけど、黄色が一番好きになりました。

──青は陽稀さんですね。

有光陽稀:もう10年目です(笑)。だからカラーバリエーションが選べるものを見ると、どうしても青に目が行っちゃいます。iPhoneも青ですし、歯ブラシも青。青がしっくりきます。他の色だと自分のもの感がなくなります。

逢坂朔玖:みんなメンバーカラーが似合っていると思う。

雫月 Lee:顔にも合っているんじゃないかな。

八雲杏:他のメンバーの衣装を着たら「あれ?」って違和感があるでしょうね。

逢坂朔玖:でも、1回やってみたいね?

有光陽稀:うん。衣装チェンジ、面白いかも。緑の服とか持ってないし。

碇たくみ:俺が青だと思って買ったカーディガンを誕生日に陽稀さんにプレゼントしたんですけど、よく見たら緑だったことがあるんですよ。密かに緑に染めようとしています(笑)。

▲逢坂朔玖

──(笑)。この曲のMVは屋外で撮影していますけど、みなさんの衣装の色が鮮やかで綺麗です。海沿いの断崖絶壁のロケーションで踊っていますが、ここはNon Stop RabbitのMVでも登場した場所ですよね?

有光陽稀:はい。「三大欲求」と同じ場所です。「こういう場所で撮ったら、この曲に合いそうだよね」というところから、同じ場所にしようってなったそうなんです。

──あの場所で踊るのは、大変だったんじゃないですか? 足場が悪そうじゃないですか。

雫月 Lee:ばれました?(笑)。

碇たくみ:自分たちで石をよけて、踊りやすくしていました。

有光陽稀:断崖絶壁+砂っていうのもあって、結構びびりながらでしたね。傾斜もあったので大変でした。

碇たくみ:撮影中にターンして、ふと見たら「崖だ!」ってなったり。崖の端っこまで40cmくらいだったんですよ、割と結構ピンチだったかも。でも、こうして無事に生きてます!(笑)。

逢坂朔玖:ドローンを使って、5人の振りが揃っているのを空からかっこよく撮っていただいて、壮大なMVになりました。今まで見たことがなかったアングルの映像もあって、カメラワークがすごかったです。

──Pipping Hotは、やっぱり屋外が似合うと思いました。撮影の際の天候には、いつも恵まれているんじゃないですか?

有光陽稀:「beyond VANITAS」の時は雨が降っていたんですけど、外での撮影の時に止んだんですよ。



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