【ライブレポート】Pipping Hot × BOP、圧倒的な一体感

男装ユニットPipping HotとBOPが、1月29日に東京・初台DOORSで＜Pipping Hot×BOP 2MAN LIVE ～圧倒的に熱くなれ!!!!!!!!!!～＞を開催した。

両グループは現在、「圧倒的に熱くなれ！　更なる高みを目指す為！」というテーマを掲げた10番勝負を展開中で、このライブの動員も対決項目の1つとなっている。しかし、会場に集まったファンたちの間には、「推しのグループを応援しつつも、まずは思いっきり楽しもう！」という和やかなムードが漂っているのを感じた。諸注意を読み上げつつ、声出し可能公演である旨をPipping Hot（読み：ピピンホット）の逢坂 朔玖、BOP（読み：ビーオーピー）の流雅 真紗斗の影アナが告げると、明るい歓声が上がっていた。このライブの第1部の模様をレポートする。

ステージ上にPipping Hotの有光 陽稀、碇 たくみ、逢坂 朔玖、八雲 杏、雫月 Lee、BOPの翔咲 心、海憧 乙綺、流雅 真紗斗、彩浪 遥斗が登場。9人が並ぶと本当に迫力がある。「待ちに待ったこの日がやって来たので、“Pippng Hotかっこいい！”って思ってほしいんですけど、“どっちも最高！”って思ってほしいので、最後まで全力で圧倒的に熱くなりましょう！」（たくみ／Pippng Hot）

「みなさん、声出せますか？　拍手できますか？　みなさんの大きな歓声と大きな拍手で一体感を楽しんでいきましょう！　よろしくお願いします！」（心／BOP）──各グループを代表して2人が意気込みを語り、いよいよ本編がスタートした。


最初にライブをしたのはBOP。1曲目「サヴァイバー」の時点で、4人の絶妙なコンビネーションのパフォーマンスが冴えわたっていた。ステージの隅々までを効果的に使い、様々なフォーメーションを描きながら繰り広げるダンスがダイナミック極まりない。そして、ビートの利いたダンサブルなサウンドで彩られながら響き渡る歌声が凛々しい。新曲「Resistance」では、ラップパートも交えながら、力強い魅力を存分に示していた。2月15日にリリースされるシングルのカップリング曲「Don’t Stop Me Now」も初披露されて、観客は大喜び。フロアから沸き起こった激しい手拍子が心地よい熱量を加えていた「Get It On」。エネルギッシュなサウンドと4人のキレの良いパフォーマンスに刺激されて、観客が掲げたペンライトが美しく揺らめいた「Neo space」──5曲が届けられたが、BOPには“圧倒的”という言葉が本当によく似合うと改めて実感した。

BOPのライブの後は、Pippng Hotも合流。両グループで2つの対決を行う旨が発表された。これは先述の10番勝負には含まれず、このライブのために用意された企画だったが、「負けたくない！」とやる気満々だった9人。最初の対決ではJOY SOUNDのカラオケで1曲を各グループのメンバーがリレー形式で歌い、その点数で勝負することになった。先攻のPipping Hotが選んだ曲は、Da-iCEの「スターマイン」。2本のスタンドマイクを使って順番に歌うメンバーたちの姿が、とても楽しそうだった。続いて、後攻のBOPが選んだのはSaucy Dogの「結」。温かなメロディを歌い上げる様が、観客をうっとりとさせていた。そして各グループの点数は、スタッフから手渡された2冊のスケッチブックを一斉に開いて発表。結果は「Pipping Hot　89点」「BOP　82点」。Pipping Hotは練習時の最高点を上回る結果に大喜びしていた。

続いての対決は、パフォーマンス勝負。浮かべる表情なども含めた評価で勝敗を決めるとのことだった。Pippng Hotは、アニメ『うたの☆プリンスさまっ♪ 』の劇中で生まれたユニット・ST☆RISHの曲「マジLOVE1000％」を披露。観客の間から起こったコールも加わりキラキラとした空間が作り上げられていた。続いて、BOPが選んだ曲はゴールデンボンバーの「女々しくて」。本家のミュージックビデオをオマージュするなど、遊び心も加えていた。乙綺によると、“君が笑顔で”の時に浮かべた笑顔もこだわりポイントだったらしい。両グループのパフォーマンスの後、勝敗は「Pipping Hotは青or寒色系」「BOPは赤or暖色系」──という観客が掲げたペンライトの色の数で判断。フロアをメンバーたちが見渡した結果、どちらの色も拮抗していたため、引き分けということになった。


お楽しみコーナーを経て再開されたライブ本編。ステージに立ったのはPipping Hot。オープニングを飾った「Uncover」の疾走感に満ちたサウンドが、観客を一気に盛り上げていた。5人それぞれの個性が光る歌声が、とても心地よい。2曲目「Catastrophe Bomb」も、メンバーたちの歌声がドラマチックなサウンドに鮮やかな色彩を添えていた。続いて、2月15日にリリースするシングルのカップリング曲「HIGH FIVE」も初披露。この曲にはタイトルにちなんだハイタッチの振り付けが盛り込まれているのだが、初見とは思えないほど観客が掲げた掌の一体感がすごかった。そして、アッパーなサウンドが痛快極まりなかった「Hopper!!!!!」、イントロの時点で歓声が上がっていた「感情リアリズム」も届けられてPipping Hotのライブは終了。ユニゾンで歌った時に生まれる“Pipping Hotの声”とも言うべきハーモニーも、このグループの武器であることを再確認させられた。

両グループのライブが終了し、ステージ上に9人が集合。「今日はみんな元気で2マンライブを開催することができたのが本当に嬉しいです。BOPのファンも、Pipping Hotのファンも一体化して一緒に盛り上がることができて、本当に幸せな空間でした。この後、2部もありますし、もっともっと声出して、もっともっと拍手して、めっちゃ盛り上げていきたいと思います。今日は来てくれてありがとうございます！」（朔玖／Pipping Hot）

「合同企画の発表があった後、2ヶ月くらいリリースイベントを通してちょっとずつお互いのグループの知らなかったことを知ったり、お互いのファンの方々が交流するようになったんですよね。メンバーだけでなく、ファンのみなさんも一体感がある期間だったと思います。今日を無事に迎えられて本当に嬉しいです。声出しが可能ということで、みなさんの声からも熱量が伝わってきましたし、それに負けない気持ちで1部を俺たちもやらせていただきました。2部はどんなことが起きるのか？　内容が違うと言っていたわけですから、そちらも楽しみにしていただけたらなと思っています」（真紗斗／BOP）

2人が感想を語った後、いよいよ最後の曲。「今まで、いろいろな曲をやってきたじゃないですか？　9人で曲をやりたいと思います！　何をやるのかわからないですよね？　“もう絶対に観られないんじゃないか？”と思ってたあの曲をやります！」（杏／Pipping Hot）という言葉で高まった期待。そして披露されたのは、なんと「DANCIN’ ALL RIGHT」だった。Pippng Hotの前身グループであるael-アエル-の曲を聴けるとは、誰も予想していなかったはずだ。喜びを露わにしながら歓声を上げる観客を心底愛おしそうに見つめながら歌っていた9人の表情が思い出される。とても温かいものを感じるラストの曲であった。

こうして終演を迎えた＜Pipping Hot×BOP 2MAN LIVE ～圧倒的に熱くなれ!!!!!!!!!!～＞の第1部。両グループの魅力を存分に堪能したと同時に、見どころが満載だったこのライブは、集まったファンの各グループへの愛情を大いに深めたはずだ。

取材・文◎田中 大


グループ名は「アツアツ」という意味のpiping hot（パイピングホット）の造語で、追加された「P」には様々な想いが込められている。
重なる「P」は、Pep（元気づける、活力）、Power（力）、Powerful（力強い）、Passion（情熱）、Phat（かっこいい、最高、イケてる）、Presence（存在）の頭文字から取られており、言葉・表現・姿・で、「熱いメッセージの熱いライブをキミに届けたい」という想いが込められている。

メンバー：写真左から
有光 陽稀（ありみつ はるき）
碇 たくみ（いかり たくみ）
逢坂 朔玖（あいさか さく）、
八雲 杏（やぐも きょう）
雫月 Lee（しずき りー）


「BOP」は“Best OverPowered”の略で、その意味である“最高に圧倒的であれ”をテーマに結成。
※bop...スラングで「神曲」という意味

メンバー：写真左から彩浪 遥斗（あやなみ はると）
翔咲 心（とさき こころ）
流雅 真紗斗（りゅうが まさと）
海憧 乙綺（かいどう いつき）