【インタビュー】DEVIANT、初アルバム『Gallows』で示す1年間の歩みと新たな挑戦「バンドの魅力を導き出してくれるのはファンのみんな」

ポスト

8月20日にリリースされるDEVIANTの初アルバム『Gallows』。

◆ミュージックビデオ

本作はバンド始動前から生み出され、一年間ライブとともに成長してきた楽曲を中心に収録するとともに、DEVIANTの新たな挑戦も示した作品となっている。一つの色にこだわらず、カラフルな新衣装に身を包んだのは「DEVIANTの色、魅力を導き出してくれるのはファンのみんな」だから。

収録曲一曲ごとのメンバーのこだわりを余すところなく語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

──1stアルバム『Gallows』がいよいよリリースされますね。アルバムの収録曲についてたっぷりとお話を伺いたいと思います。まずは、1曲目「Gallows」。

Nao(G):最初に曲を聴いた時は、イントロが和テイストに思えたんですけど、作曲者のKyoちゃんに確認したら「全然そういうつもりでは作ってなかった」って言われて。でも、Ueさんに聞いたら「うん、和を感じるよね」って、自分と同意見だったんです。

Kyo(Dr):ツインギターの掛け合いが目立つ曲なので、ギター2人にもフレーズを入れてほしいと頼んでいて。作った時は和のイメージは全くなかったんですけど、2人の意見を聞いて、確かにそういう捉え方もあるなって思いました。メンバー内でも作り手と聴き手で感じ方が違う曲なので、みなさんにも色んな音に着目しながら聴いてもらいたいですね。



Ue(G):和テイストのイメージもそうなんですが、俺が最初にイントロを聴いた時は、連続性のあるフレーズ、いわゆるシーケンスフレーズの音が「時計」、イントロ全体の雰囲気が「夜空、月」のイメージだったんです。ライブの時にも時計の針が動くように、月を描くように腕を回すパフォーマンスをしているので、ぜひ見てもらいたいです。

Kyo:ツインギターの掛け合いに加え、ギターとドラムのフレーズの絡みも多い曲なので、ライブでも上手く調和をとれるように意識しています。この曲が最も表題曲っぽいなと感じたので、今作のアルバムタイトルにもそのまま反映させました。

To-hy(Vo):この曲はKyoちゃんが作詞も手掛けていますが「今までの自分自身を殺して、新しい自分に生まれ変わる」ことをイメージした曲になってます。世界観が強い曲なので、冒頭から、暗くて怪しげな感じや苛立ちの感情を表現できるように歌ってます。

▲To-hy(Vo)

──続いて、2曲目の「TЯAP LIPS」は?

Kyo:DEVIANT結成後、一番早く完成した曲です。メンバーのみんなもライブで演奏しやすい曲が早く欲しいだろうなと思って作った記憶があります。

Ue:この曲はライブで一度もセットリストから外したことがないですね。今のところ、ライブで必ず演奏してるのは、この曲だけだと思います。

To-hy:曲のストーリーに関して言うと「一時的な思い、一時の関係」みたいなイメージです。ライブでは暴れ曲なんですけど、みんなが頭を振ってる時、自分はステージの上でMVとシンクロした面白い動きをしてるんですよ、実は。ヘドバンしてる時って顔は下に向いてるから難しいと思うんですけど、機会があったら見てほしいなって思います。

Ue:アルバムの特典として過去のライブ映像が店舗ごとに1曲ランダムで入ったDVD-Rが付くことになっていて、「TЯAP LIPS」もその内の1曲なので、もしかしたらTo-hy君のパフォーマンスを映像で見ることができるかもしれないです。DEVIANTとしてもライブの映像化は初めてなので、ぜひ楽しみにしてほしいです。

Kyo::サビ終わりの間奏の前にUeさんがジャンプするので、そこにも注目です!

Ue:最近はあまりやってないから特典の映像には入ってないかもしれないけど、始動して間もない頃はよく飛んでたね(笑)。

Nao:激しいパフォーマンスをする曲だから、ライブで演奏した後はいつもヘトヘトになります……。

Ue:200メートル全力で走ったような感覚で、息切れがすごいです。最初から最後まで休むところがないので、途中で心が折れるか折れないか…すれすれのラインを楽しんでる曲ですね。

To-hy:自分と競ってるんですね(笑)。

Ue:そう、ライブ中はTo-hy君と200メートル走を競ってます(笑)。



──3曲目「Attract」について。

Kyo:ドラムとベースのユニゾンになってるので、ライブでは気持ちよく聴こえるように意識している曲です。ベースがいないのにベースソロを作るっていう……なんでこうなっちゃったんだろうなって曲なんですけど(笑)。

To-hy:でも、ちょうどこの曲が完成したタイミングでプロジェクトメンバーとしてベースのReotoが入ってくれたので、Reoto専用の曲みたいな感じです。だから、彼がいるライブでは「Attract」は外したことないと思います。ライブでもReotoを立てたいという気持ちがあるので、ステージ上で頻繁にアイコンタクトを取るようにしてます。

Ue:収録曲の中で一番ストレートな曲だと思います。レコーディングの時もシンプルに弾くことを意識しました。Kyoちゃんにも話したんですけど、実はこの曲、デモが上がってきた時はそんなに好きじゃなかったんです。Kyoちゃんから「DEVIANTの曲の中でどれが一番好き?」って何回か聞かれたことがあるんですけど、俺は歌メロの曲が好きなので、「Attract」の順位は低かったですね。でも、ライブで演奏するうちにすごく好きになっていきました。サビになった瞬間、すごく楽しい気分になるんですよ。

▲Nao(G)

──では、4曲目「Byside」は。

To-hy:今、Ueちゃんが言ったこと、自分もすごく気持ちが分かります。「Byside」は最初、歌詞が当てはまってる気がしなかったんですよ。でも、ライブでたくさん歌っていく中で、どうやって世界観を出せば良いか少しずつ分かってきて、好きになった曲の一つです。どこにシャウトやデスボを入れるかなど、ボーカルRECの時に自分のセンスが問われるところでもあるので、そういった細部のこだわりにも注目してもらえると嬉しいです。

Ue:ギターアレンジもKyoちゃんが作ってくれるんですけど、「Byside」の前奏のギターリフは大好きです。ギター持って、とりあえずなんか音出さなきゃって時は、そのフレーズをよく弾きます。

Nao:DEVIANTが結成してわりと早い段階で出来た曲なんですけど、その時はまだ自分が思ってるノリとメンバーが思ってるノリに少し相違があって、苦戦しました。

Kyo:元々、DEVIANTで演奏することは想定してなかったんです。始動前から個人的に何曲か作っていて、この曲を作ったのも4年ぐらい前になります。曲の構成、フレーズの作り方とか、今だったら多分こうしないなってことも取り入れていて、作曲した本人からすると若いなって思います(笑)。でも、その当時にしか出来なかった曲だから、これはこれで味があってアリだなって。

▲Ue(G)

──5曲目「Hologram」。

Ue:2ndシングルとして既にリリースされている曲なんですけど、デモで冒頭のギターソロを聴いた瞬間、心に刺さりました。

Nao:プロトタイプのものとDEVIANT用に作ってきたもの、Kyoちゃんが持ってきたデモが2つあって、それぞれの良いところを組み合わせて作られました。ギターソロの箇所はプロトタイプの音に寄せたいということで難易度がアップしたので、レコーディングが大変でした(笑)。

Ue:俺はさっき言った通り「Byside」をよく弾くけど、Nao君は「Hologram」のソロを弾いてること多いよね。

Nao:そうだね。ライブのリハの時はよく弾いてるかも。

To-hy:初めて聴いた時からすごく好きな曲で、哀愁漂う曲だなって。結成前、まだメンバーも確定してない時に自分が歌詞を付けさせてもらったんですけど、最初に聴いた時の印象そのままに「別れ」をテーマにしようと思って書きました。ライブで歌ってると感情が込み上げてきて、泣きそうになる時もあるんですよ。実際に涙を流すことも今後あるかもしれないです。



──6曲目は「Solitude」です。

Ue:「Hologram」と同様にすでにリリースされている曲で、DEVIANTの1stシングルになります。「Solitude」は、Kyoちゃんのこだわりが一番詰まってる曲だなって感じますね。

Kyo:この曲もバンドを始める前に作ってた曲で、アルバムの中で一番古い曲なんです。この曲だけは完成した後もずっとブラッシュアップし続けていて。今の完成形になる前にもずっとこだわり続けていたぶん、とても愛着がある曲ですね。

To-hy:ボーカルとしては、「頭を掻きむしりたくなる程の自分自身の葛藤」を表現するようにしています。

Ue:「Solitude」はリリースと同時にMVも撮ったんですけど、人生の中で一番格好良いものと言っても過言ではないほど、きれいに仕上がってます。

Nao:まぁ、俺が一番見てほしいのはNG集なんですけどね(笑)。NG集のリリース予定はないけど。

Ue:確かに、そういう意味でも思い出深いですね。ディレクターさんから送られてきた映像をみんなでチェックして、これでいきましょうってなったんですけど……実はサビの前に俺が転んでたんですよ(笑)。

Nao:これで完成かなと思ってたけど、さすがに駄目だったね(笑)。




To-hy:これもデモをもらった段階ですごく好きになった曲です。「TЯAP LIPS」と並ぶぐらい激しい曲なんですけど、ライブ中のメンバーのコーラスとの掛け合いが本当に楽しいんですよ。オーディエンスの皆さんにも一緒に声を出してもらいたい曲です。

Nao:この2曲はライブが本当に楽しいですよね。

Ue:ライブでは一番、本能のまま動く曲ですね。

Kyo:最初に作った時はライブでのパンチの弱さを感じたので、良い意味で頭の悪い曲を作りたいと思って仕上げていきました。その結果、メンバー一致でライブで楽しい曲になったので嬉しいです。

──続く8曲目は、「Urge」。

To-hy:デモで送られてきた時、ライブでの様子がすぐに想像できる曲だったので、自分的には非常に歌いやすいなと思いました。実際のライブでは、ギターソロのところで自分から積極的にメンバーに絡みにいってます。

Nao:唯一デスボが入ってない曲なんじゃないかな。でも、初めて聴いた時は、すごくヴィジュアル系っぽい曲だなっていう印象が強かったです。

Ue:さっきも言った通り、俺はメロ系の曲が好きなので、「Urge」からの収録曲3曲はどれも好きな曲です。デモをもらった時に、DEVIANTも遂にこういう曲をやるようになったんだなって嬉しくなりました。曲だけの時はシンプルで少しさっぱりし過ぎかなと思っていましたが、そこにTo-hy君の歌詞が乗ると深みがぐっと増して、想像以上に格好良い曲に仕上がりました。

▲Kyo(Dr)

──9曲目の「Ideal」は?

Nao:この曲はRECが大変したね。リズムを掴むのにすごく苦労しました。とにかく収録に時間が掛かった記憶がありますね。

Ue:「Ideal」もバンド結成当初にあった曲の1つで、1stシングルの候補に挙がってた曲なんですけど、俺だけこの曲を推してたんです。サビメロがとにかく格好良いので、個人的にはすごくお勧めのナンバーです。

Nao:基本的には、Kyoちゃんのデモ通りにそれぞれのギターパートを担当するんですけど、この曲だけ最後のソロパートをレコーディングはUeさん、ライブは俺が弾くようにパートチェンジをおこないました。あとは、ドラムがけっこう激しい曲だよね。

Kyo:「Torque」が一番きついけど、今のところ2番目に大変な曲かな。体力勝負の曲ですね。

To-hy:ボーカルもこの曲けっこう難しくて、英詩の発音もかなり練習しました。一回録った後も納得いかず、丸々録り直すほど、こだわった曲です。

Ue:メンバー全員、コーラスで歌う箇所があるんですけど、ラフミックスを聴いた時に、俺の声が強めだと一気に楽曲の雰囲気が変わってしまって(笑)。声をどういう風に作るのか考えるのが難しかったです。

To-hy:メンバーが歌ってるところはファンのみんなにも是非ライブで一緒に歌ってもらいたいですね。

▲[Project Member] Reoto(B)

──最後は、「Psylen」で締め括られます。

Ue:今までの楽曲とはサウンドや方向性が全く異なります。DEVIANTの新たな一面が出ている曲ですね。良い意味でファンの皆さんの期待を裏切った曲かなと思います。この曲もデモの時からはるかに格好良くなりました。

Kyo:タイトル曲の「Gallows」をはじめ、これまでの曲は構成が分かりづらいものが多かったんですけど、「Psylen」ではラスサビで王道の転調が入っていて、とても分かりやすい構成になっています。敢えて捻ったことはせず、ストレートな聴きやすさを意識しました。

To-hy:自分は、これが今一番好きな曲です。DEVIANT結成から約1年、応援してくれる人に対して、自分が常に思っている気持ちを軸に歌詞を書きました。衣装の色も派手になったんですけど、これにも意味があって。メンバー各々の色をこっちで固定するんじゃなくて、「DEVIANTの色、魅力を導き出してくれるのはファンのみんなだからね」「たくさんの色が混ざり合い、いろんなことに挑戦していく姿を今後も見てほしい」っていう思いがぎっしり詰まった曲になってます。



──アルバム曲の貴重なお話、ありがとうございました。最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。

Nao:アルバムのリリース、大変お待たせいたしました。たくさん聴いてください。

Kyo:濃い楽曲ばかりなので、ぜひ楽しんで聴いていただければと思います。
Ue:メンバーみんなのこだわりが詰まった作品です。今作はアルバムのために作られた曲じゃなくて、ライブの中で生まれ成長した曲を1枚にパッケージしたのものです。DEVIANTの1年間の歩みをひとりでも多くの方に触れていただきたいです。

To-hy:今回の1stアルバム、自分自身もすごく待ち望んでいました。ヴィジュアル系が好きな方はもちろんなんですけど、まだこういうバンドに免疫がない方の目にも留まるような作品をこれからも出していくので、ぜひ聴いてください。そして、生のライブを観に来てほしいです。応援よろしくお願いします。

取材・文◎藤代冬馬


1stアルバム『Gallows』


2023年8月20日(日)リリース
LUSH-0004
¥3,300(税込)

▼収録曲
01. Gallows
02. TЯAP LIPS
03. Attract
04. Byside
05. Hologram
06. Solitude
07. Torque
08. Urge
09. Ideal
10. Psylen

数量限定で特典DVD-R付き。
2023年01月21日(土)BlackHole To-hy BIRTH MONTH主催LIVE『VitaLuce』の模様を1曲分収めたDVD-Rをプレゼント。各ショップ、異なる曲が収録。
※DVD-Rの特性上、お手持ちのPCやプレイヤーによってはご視聴できない場合もございます。複数のPCやプレイヤーで再生できない場合はDEVIANT Official Siteよりお問い合わせください。

各公演の物販コーナー、もしくは下記の取扱ショップにご購入いただけます。

物販コーナー(特典DVD-R Ver.1)
fiveStars(特典DVD-R Ver.2)
Like an Edison東京本店/大阪店(特典DVD-R Ver.3)
littleHEARTS.新宿店/大阪店(特典DVD-R Ver.4)
(ABC順)

◆DEVIANT オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報