【コラム】SixTONESが笑顔を封印。『ノッキンオン・ロックドドア』の鍵となるミステリアスな「CREAK」
すべての入り口にあるドア。そのドアを開けるまで、その先に何があるかは、わからない。さらに、そのドアに存在する鍵は、その先にあるものを隠すもの。言わずもがな、そのドアのために作られた鍵でなければ開けることはできず、無理にこじ開けたとしても真実は手に入れることはできない。そのドア、たとえばそれが相手の心であれば、無理に鍵を差し、こじ開けたとしたら、もう二度と、相手の心とまっすぐに向かい合うことはできず、本当の正解は手に入れることはできなくなるのだ。
SixTONESの新曲「CREAK」は、松村北斗が西畑大吾とともに主演を務めるドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』のために書き下ろされたスリリングでミステリアスなロックチューンだ。このドラマは、“不可能”(HOW)専門の探偵、松村北斗と、“不可解”(WHY)専門の探偵、西畑大吾が得意分野を活かし、難事件を解決する本格ミステリー。松村が演じる“御殿場倒理”は、密室犯罪や衆人環視の毒殺など、不可能犯罪のトリックの解明を得意とするが、人の気持ちが理解できず、傍若無人な言動を繰り出す。すでにオンエアされた1話でも、被害者の前で殺人事件と聞きテンションが上がったり、思ったことをすぐに堂々と口にする“変人”っぷりを見事に演じていた。対して、バディを組む西畑が演じる“片無氷雨”は、正反対の性格。常識的な性格で、ダイイングメッセージや現場の遺留品などから、動機や理由を読み解くキャラクターだ。このまったく違う2人が、小競り合いをしつつ、解決していく姿は、時にコミカルで見ていてとても気持ちがいい。
そんなドラマでのふたりの心境をそのまま映し出したかのような歌詞が印象的な「CREAK」は、聴くほどにドラマの物語が紐解かれているようにも感じることが出来る。とくに“正解は一人じゃ選べない”“世界は一人じゃ変えられない”“重ね合えば鼓動は答えを告げる”などの歌詞は、決してひとりでは解決できない難解も、ふたりなら解決ができるという、まさに“倒理”“氷雨”の関係を表しているようだ。さらにタイトルにある「CREAK」は、直訳すると“ドアなどがきしむ音”。まさに、ドラマに寄り添った楽曲となっているのだ。
もちろん、ドラマを観ていない人たちにも響く歌詞にもなっている。何か難題に立ち向かった時、行き詰った時に、目の前にあるドアを思い切って叩け、前に進め、そして答えは僕らを待っているというメッセージは、たとえ可能か、不可能かわからない道だとしても、自分が進みたいと思ったのなら、突き進むことが正解だということを教えてくれる。
そんな歌詞が乗るのは、ミステリードラマの展開をさらに加速させる、壮大なストリングスと、スリリングなサウンドに緊張感が漂うロックチューン。ピンと張りつめた空気感がずっと続きながら、サビで一気に爆発させる世界観は、決して聴き手を落ち着かせることなく、没入感を覚えさせてくれる。たたみかける疾走感と、さらに煽る田中樹のラップにも注目だ。
さらに、この曲のミュージックビデオも公開された。ドアが叩かれ、揺れるドアノブの様子が映し出されたのち、その鍵穴の中に現われた松村北斗の姿からスタートするこのミュージックビデオは、どこか今作に漂う閉塞感もうまく表現されている。今作にはドラマパートなどはなく、CGを多用した空間で、彼らはハードなダンスを中心に魅せていく。いつもの笑顔は封印し、いくつも鍵が刺さったような空間は、どこか異様で、ミステリアス。それぞれのソロパートではしっかりと表情を感じることが出来るが、注目すべきはダンスシーンだろう。それぞれの個性がにじみ出た振りはとても大胆で情熱的。全員でのダンスシーンではきっと好みによって惹きつけられるダンスがあるはずだ。
きっと、ドラマが進むにつれ、この曲がよりはっきりとした輪郭を持ち、より色鮮やかに聴くことが出来るだろう。毎回ノックされるドアの先にいる依頼人の謎を解決していくことで、果たして、“倒理”“氷雨”の関係をどう深めていくのか、そしてどう展開していくのか── 。ドラマとともに、この曲を、そしてこのミュージックビデオを楽しんでもらいたい。
さらに、すでに発表されているが、このシングルの初回盤A、初回盤Bのカップリング曲として、デビュー以来初となる、メンバーのソロ楽曲が収録される。初回盤Aには、自分の内面、仲間への感謝、人への愛情など“愛”を歌う曲、さらに初回盤Bでは相手への想いや、うまくいかないもどかしさなどの“恋”を歌った3曲となっている。メンバーそれぞれが強い個性を持つSixTONESだからこそ、きっと全く違った楽曲を聴かせてくれるはずだ。そのタイトル曲が「CREAK」であるからこそ、これらのソロ曲は、また違った彼らの魅力というドアを開けてくれることだろう。
文:吉田可奈
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シングル「CREAK」
<初回盤A>[CD+DVD]
SECJ-74〜75
¥1,980(税込)
■スリーブケース仕様
【CD】
01. CREAK
02. ガラス花 (Hokuto Matsumura)
03. MUSIC IN ME (Yugo Kochi)
04. Never Ending Love (Jesse)
【DVD】
CREAK -Music Video-
CREAK -Music Video Making-
CREAK -Music Video Solo Movie-
<初回盤B>[CD+DVD]
SECJ-76〜77
¥1,980(税込)
■スリーブケース仕様
【CD】
01. CREAK
02. We can’t go back (Taiga Kyomoto)
03. Love is...(Shintaro Morimoto)
04. Sorry (Juri Tanaka)
【DVD】
・Documentary of SixTONES Solo Project
<通常盤>[CD]
SECJ-78
¥1,100(税込)
■初回仕様:スリーブケース仕様+フォトブック20P
【CD】
01. CREAK
02. Eye to Eye
03. WHY NOT
04. こっから -Old School Breakin' Remix-
05. CREAK -Instrumental-
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