【インタビュー】ママアーティスト・かなまる、「自分の中にある本当の自分を愛してあげてほしい」
「ママでも夢を叶える」をテーマに2018年から活動をスタートさせ、個人事務所やレーベルの運営、シングルマザーとしての子育てなど、常に自分らしく、そして全力で活動をしてきたかなまる。
◆撮り下ろし写真
2022年にはSNSで結婚を発表し、ママアーティスト/ママシンガーとしての更なる輝きを放ちながら前進を続けている。前作「Circle」から2年ぶりのリリースとなる2ndシングル「Natural」は、そんな彼女の成長や変化が文字通りナチュラルに浮かび上がってくるような1曲だ。
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▪️子どもがいても結婚しても歌は変わらないし、見た目も中身も変わらないよ
──前回BARKSにご登場いただいたのが2年前。1stシングル「Circle」の時でしたが、お子さんもすっかり大きくなられて。
かなまる:はい。もともとしっかりしてるなと感じる部分は多かったんですが、最近は家でちょっと私が落ち込んでたりすると、「休んでいいよ」とか「一緒に頑張ろうよ」とか言ってくれるんです。娘なんだけど、友達みたいな感じになってきました(笑)。
──心強いですね(笑)。
かなまる:今回リリースした曲も、「これ、今までの中で一番好きかな」とか言ってくれて。すごく褒めてくれるんですよ。もう本当に、支えられっぱなしです(笑)。
──では2ndシングルのお話を聞く前に、ちょっとここまでの活動を振り返るお話を聞いてみたいなと思うのですが。
かなまる:SNSでも発表したんですが、私、去年結婚したんです。これは、自分の中ですごく大きな活動の節目になりました。私のことを「シングルマザーだから応援したい」と思ってくれていた方もいたので、そういうファンの方たちとの距離感が変わってしまうのかなって考える日々もあったけど、私の活動自体を、ママシンガーっていうもの自体を応援してくれる人たちがいるってありがたいことだよなって思うようになったんです。結婚したけど、これまで通り独立した1人の女性として一生懸命ママシンガーやるんだっていう、その姿勢を見てもらえたらという1〜2年間だったかなと思います。
──お話を聞いていても、かなまるさんの仕事や音楽に対する気持ちは以前と変わらないなと感じています。
かなまる:そうですね。変わってないです。私が最初にシングルマザーであることを発表した頃は全くと言っていいくらいいなかったけど、最近は周りでも、お子さんが生まれたとか、シングルマザーなんですとか、結婚したんですとか、実は子どもがいるんですみたいな発表をしているアーティスト、結構見るんですよ。自分の立場を公にしたところで否定されるのはおかしいなって思っていたし、結婚したからって何が変わるとかもないわけで。もっとこの世の中が生きやすくなったらいいなと思うから、私は、子どもがいても結婚しても歌は変わらないし、見た目も中身も変わらないよって、胸張って活動したいなって思うんですよね。
──ファンの方、支えてくださっている方のためにも。
かなまる:はい。何よりも娘がすごく幸せそうなのでそれを見て私も幸せを感じるし、もっと頑張ろうって思えるんですね。家族にも、ファンの方にも本当に感謝しています。娘の存在と同じくらい、ファンの方たちの応援は私の音楽の活力なんですよ。コロナ禍で会えない期間が長くても、ライブを待ち遠しく思ってくれたり、ライブ配信つけるのを待ってくださったりしているファンの方には感謝の気持ちでいっぱいなので、これからも音楽で恩返ししていきたいなって思ってます。
──今回のリリースも、みなさん心待ちにされていたのでは?
かなまる:「Natural」は先行配信されていたんですが、「久しぶりのCDリリース、待ってたよ!」っていう声もたくさんいただきました。先日名古屋と大阪に行かせていただいたんですが、この曲は時間をかけてたくさんの人に知ってもらいたいなと思っているし、次作にも繋げていけるように、リリースイベントやライブ会場での販売などはこれからもこまめに重ねて行けたらなと思っています。
──「Natural」は、かなまるさんのどんな思いが込められた楽曲になっているのでしょうか。
かなまる:前作の「Circle」はファンの方へありがとうの気持ちを伝える曲だったんですが、今回は、老若男女たくさんの人に、自分の中にある本当の自分を愛してあげてほしいっていう思いを込めました。今の世の中、例えば自分を押し殺しながら会社で働いている方や、本当はやりたいことがあるんだけど今は頑張って子育てしている方など、みんないろんな場面で自分を押し殺してしまって、自分なんてとか、もっと本当はこうしたいのにって思いながら生きてる人が本当に多いなって思うんです。過去の自分もそうでした。この曲は一種の応援ソング……ではないけど、この曲を聴きながら会社に着くまでの間ちょっとスキップして「今日も仕事頑張ろう」って気持ちを切り替えたり、「今日の自分頑張った!最高!」って自分の肯定感を上げられるような曲になればと思ったんです。
──作詞・作曲はつるうちはなさんで、編曲はタカユキカトーさん。「Circle」を手がけたお二人ですね。
かなまる:はなさん自身にも葛藤があったと思うんですが、私自身にも伝えたい思いがありすぎたので、2人で言い合いながら作り込んでいった感じでした。自己肯定感を上げてあげられる曲を作りたいというのが前提としてあったから、よく言っていただく私のかわいらしさとかアイドルっぽさは捨てて、私自身がまずシンガーとして素になって、ママシンガーってこうなんだよっていうことを伝えられる楽曲にしたかったんですね。だから、私の声のトーンやキーにもこだわりました。自分の素を出せる、シンプルでナチュラルな曲にしたいから、無理したり可愛い子ぶったりせず、歌いやすさを重視して。今回もカトーさんの自宅で録らせてもらったんですけど、完成した時は涙が出ましたし、はなさんも「これだよ!っていう曲が作れた」と言ってくださったので、本当に嬉しかったです。
──歌い方も試行錯誤されたんですね。
かなまる:これまでは、できれば全部地声で歌いたいっていうタイプだったんです。でも今回は「ここはミックスボイスじゃない方がいいね」とか、「最後の抜けたところは裏声でいこう」とか、力を抜くっていうことを意識して歌いました。言葉が入り込みすぎず、さーっと聴き流せるくらいが良かったから、あまり歌詞を主張しすぎないようにっていうのは思ってましたね。あと、今回はたくさんコーラスを録ったんですよ。いつかホールでワンマンライブをする時にコーラスの方をつけてやりたいというイメージもあったし、私の声をバン!と出すのではなく、たくさんの方と歌っているような温かみも欲しかったので。コーラスの部分もじっくり聴いてもらいたかったから、今回は初めてインストも収録されています。
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