【対談】ベリーグッドマン×ヨネダ2000・愛、「愛 LOVE ベリーグッドマン！」

■隙あらば（ライブに）行きたい
■本当に私は救われたので

──Roverさん、ずばり、ヨネダ2000の面白さとは？

Rover：にじみ出ているものがあるんですよね。笑われてるんじゃなくて、テクニックと人間味で笑かしてるうえで、ネタが秀逸なんで。ずば抜けた新感覚を持ってる人たちなので、その発想力がかっこいいなと思います。僕たちは音楽的にかなり王道でやってきた人たちで、奇をてらったことに興味はあるんですけど、なかなか出来ないというジレンマがあるので、うらやましいなとも思います。あと、ネタもそうですけど、フリートークも面白いし、一緒に飲んでしゃべっても面白いし、インストアライブを見に来てくれた時、楽屋で大喜利が始まったんですけど、その時もおもろかったし。

愛：ふふふふ。

Rover：僕、一回相談したことがあるんですよ。MOCAが、ワンマンライブの最後の曲でフロアに下りて、お立ち台に乗った時に、急に「どんだけ～」ってやるんですよ。お客さんに向かって。「あれはどうやって突っ込んだらいいんですか？」って。

MOCA：誰に相談してんねん（笑）。プロに相談すなよ。

Rover：そのライブを愛ちゃんは見てて、「私はめっちゃ面白かったです」って言うんですけど。僕はびっくりして、何かを言わなきゃいけないと思ったけど出て来なくて。その日の夜に相談したら、「うーん」って頭を悩ませて、私やったら「IKKOさんが下りて来たのかな」って言いますって。

MOCA：優しいね。それ言われたら、もう一個出せるもんね。「いや、二郎です」って。

Rover：……どういうこと？

HiDEX：IKKOが一やから二にしたんやろ。

愛：次男ですねって。

Rover：「IKKOさんは次男だったんですね」って。難しすぎるわ。

MOCA：「いえ、長男です」って。どんどん進めれたのに。

Rover：もうええやろ。長なるし。最後の曲やし。

MOCA：終わりたないんですよ。ちなみに「どんだけ～」と「いかほど～」「まぼろし～」も入れてます。彼は忘れてますけど、IKKOさんの持ちネタを全部やってます。

愛：でも私、それ（突っ込み）、今でも考えます。お風呂に入ってる時とかに、「あの正解は何だったんだろう」って（笑）。

MOCA：正解なんてないじゃないですか。自信を持って来てほしいです。僕はいつも勢いで行くんですけど、最近は滑るのが怖くなくなってしまったので、ちょっとヤバイ奴になってきちゃってるんですけど。Roverが「なんで？」っていうのも、ほんまに意味ないんで、それを全力でやるという感覚ですね。僕、2019年の『M-1』敗者復活の天竺鼠のネタを、元気がなくなった時にいつも見るんですよ。川原さんが出て来て、先に靴を片方置いといて、瀬下さんが来て、「場所取っといたで」から始まるんですけど、そこからずっと笑ってて、でも横で見てる奥さんはそこまで笑ってないんですね。この人と今後やっていけるかなって心配になるぐらい。

HiDEX：俺も同じこと思う時あるわ、MOCAに（笑）。MOCAだけが爆笑してる時があって、今の何がおもろかったんやろ？って。


Rover： MOCAはその感じで行ってんねや。川原さんは天才的にいろんな笑いのルールを知ってる人やから、おもろいけど。

MOCA：憧れやねん。そこに行きたいっていう。

Rover：もっと、ぼそっと言ったほうがおもろいかもな。今は強めに振りかざしてるから。

HiDEX：北風（と太陽）で行ってるからな。ポンと置かなあかん。

MOCA：ちょっと、みんなしてうるさいです（笑）。説教されてるみたい。

──そろそろ終わりの時間が近づいて来たので、あらためて愛さんに。ベリーグッドマンのライブの魅力ってどこにありますか。

愛：それこそ初めて行った時、楽しめるかどうか不安だったんですけど、私のような人を含めて全体を楽しませてくださるというか、パワーがすごいので。生で見て良かったなと本当に思ったし、（音源で）聴いてるだけじゃ伝わらないメッセージもあるし。だから、隙あらば（ライブに）行きたいんですよ。

HiDEX：めっちゃ嬉しいわ。今の言葉。

Rover：ガンダム広場（お台場）のリリースイベントにも来てくれたよな。足ケガしてんのに、普通に歩けてないのに。

MOCA：命がけのライブ参戦や。しかも楽屋で大喜利させられるし。

愛：本当に一つになれるので、来てほしいですね。本当に私は救われたので。何かに悩んでる方は、ぜひ聴いてほしい。ライブを見てほしい。何かしら絶対引っかかると思います。私が言えたことではないですけど。

──10周年の最新ベスト盤『GOOD GOOD GOOD』はどうですか。好きな曲、入ってますか。

愛：入ってます、たくさん。新曲も楽しみです。

Rover：まだ聴いてないと思うんですけど。トミーズ雅さんがミュージックビデオに出てくれて、雅さんと奥さんの関係をモチーフに、書いたラブソングという感じですね。いつかヨネダ2000の二人にもミュージックビデオに出てほしいですね。



愛：是非、よろしくお願いします。甲子園も行きたいです。『M-1』の真っただ中なので、スケジュール次第ですけど。

──HiDEXさん、ベスト盤についてひとこと。

HiDEX：いろんなことを3人で経て、理解して、頑張って行こうとなってからの曲のチョイスが多いですね。それぞれの立場だったり、意味だったり、自分の今いる場所だったりを、ちゃんと理解した上で書いてる曲が多いイメージがあって、タイトルを見てても「いろんなことがあった曲ばっかりやな」って思います。いろんな意味で深い曲が多いですね。大人になった僕たちのベスト盤、みたいな感じ。人としてのベスト盤というイメージです。

──タイトルの『GOOD GOOD GOOD』は3人で決めたんですか。

MOCA：そうですね。ずっと使ってきた『SING SING SING』というタイトルがあって、その思い入れというか、あそこが原点やったし、その当時聴いてくれてて、今はお父さんお母さんになったり、仕事が忙しくなかなかライブに来れない人たちも、懐かしくなって、「またライブに行ってみようか」と思ってくれたら嬉しいなというテーマもありつつ。初めて手に取ってくださる方にとっても、『GOOD GOOD GOOD』で「調子ええな」というふうに思ってもらえるかなと。って、Roverが言ってました。

Rover：言ってないし。というか、聞いてへんかったし、今の話。

MOCA：聞いとけよ。だから返しが出来へんのやろ。

愛：あははは。

──10年経っても全然通過点ですね。

MOCA：全然通過点です。今までありがとうございました。

HiDEX：……今のはどうしたらいいんですか。

愛：「ありがとうございました」でいいんじゃないですか（笑）。（周りに）突っ込んでいただく待ちで。

取材・文◎宮本英夫
写真◎三上信






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