【インタビュー後編】ベリーグッドマン、11年目以降の3人が進む道「甲子園は楽しみしかない」

■僕たちはコンビニでいいと思うんですよ
■次の10年も頑張ります

──11月18日の甲子園は、到達点じゃないですね。通過点。

Rover：そうですね。

MOCA：ただ、規模で言えばもうパツパツというか。ここからは曲でもっと世の中の人に浸透していきたいですね。事務所の社長と「自分たちの自力で行ける目標を立てよう」という話をして、どこかのフェスに呼ばれるんじゃなくて、この規模の会館でライブをやるとか、オリコン何位とか、まず目標を決めてそれを達成することにコミットしてきた10年間があって。ここからは、本気で紅白だったりとか、僕たちの口からはあんまり出してなかったですけど、そういうものを狙って行くことで、ベリーグッドマンがよりすごいものになっていくのかなと。本当に頑張ってほしいなと思ってます、Roverには。いい曲作ってほしい。

Rover：僕は、いわゆる有名な音楽番組とかはあんまり意識してなくて。僕はこの先も同じ10年を歩めばいいと思いますね。そこで何かが起こるかどうか、期待してたら疲れるだけなんで、「とにかく10年やります」という契約書にハンコを押す。その代わり、自分たちが今までやってきたことをやる。甲子園のライブだって、人数が違うだけで、今までやってきたことをやるだけなんで。


──ベリグらしいです。頼もしい。

Rover：有名な音楽番組に呼ばれることがゴールじゃないし、甲子園もゴールじゃない。ドームツアーをやったからゴールでもない。かといって、残念ながら僕たちは、ヒゲダンにもなれないし、YOASOBIにもなれないし、なるべきではない立ち位置というか。僕たちはコンビニでいいと思うんですよ。ミシュランの星付きの店とかじゃなくて、いつもそこで24時間営業してるから、感謝されてもいないかもしれないけど、それがなくなっちゃったら、「え？あそこのコンビニなくなった」ってなると思うんですよ。僕らはコンビニで行くしかない。

Rover：だから目標としては、2024年にアルバムとかEPを出せるとしたら、たぶんバケモンみたいな作品になりますよ。間違いないです。これは公言します。「ベリーグッドマン、ヤバイな」っていうものになります。そのヒントを得るための甲子園球場のライブかなと思ってます。

MOCA：地に足着いたって感じやな。5周年の大阪城ホールは、まだ早かったと思ったんで。「まだ全然ここに立っていい人じゃなかった」ということで、燃え尽きたんですけど、10周年の甲子園は楽しみしかないというか、不安はありますけど、ワクワクのほうが強いというか、ちゃんと歩けてる感じがする。あの時（大阪城ホール）はちょっと浮いてたんで。

Rover：いいライブしたとか、いい作品を出したら、スタッフさんもみんな喜んでくれるじゃないですか。メンバーもテンション上がるし、それに付随してみなさんが盛り上がってくれる。いい曲書いたり、いいライブをするのは、人の心を動かすと思うので、そういうのが最近は足りなかったかもしれないですね。「忙しい忙しい」と言ってるだけで。だけど、ほんまに僕らが命がけで、めちゃくちゃいいものを作ったら、売れる売れないはリスナーに任せて、僕たちに後悔はないし、「この人たちのために頑張ろう」とスタッフさんたちも思ってくれると思うので。その次元のヤバイやつを、来年は必ず作ろうと思います。という予告編だと思ってください、今回は。まずは10年、お疲れさまでした。次の10年も頑張ります。



取材・文◎宮本英夫





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