【インタビュー】Lenny code fiction、ニューアルバム『ハッピーエンドを始めたい』にバンドの根本と願い「第2章が始まった」
■お客さんとどういう化学反応が起こせるか
──「【Lenny code fiction】」は映画の作品名を挙げながら、レニーというバンドを表現する曲です。
片桐:Lenny code fictionというバンド名は、映画が昔から好きやったんで、映画のタイトルや主人公の名前から言葉を取ったんです。好きなモノをただ語るだけの曲って、自己満ではあるけど、バンド名をつけた日ぐらいからこういう曲をいつか書きたいなと思ってて。それが形になりました。
ソラ:この曲は片桐航の願いが叶った曲ですね。
片桐:いちばんワガママにやらせてもらいました(笑)。
──ただ、映画のことを歌うんじゃなく、レニーというバンドのスタイルを表現した歌詞にもなってますよね。
片桐:いっぱい作品を観てきたからこそ、タイトルを単純に羅列するんじゃなく、二重の意味をかけてたり。そういうことができたんで、満足できる出来になったかなと思ってます。
──イントロが『パルプ・フィクション』を連想させますけど、いちばん影響を受けた映画だったりもするんですか?
片桐:いちばん観てる映画ではありますね、やっぱり。アートワークとしても、大きな存在かもしれません。
──また、いちばん驚いたのが優しく大きく響かせるラップチューン「Sleepless Night」だったんです。
片桐:実はデモでめっちゃこういう曲も作ってて。だから、メンバーは聴き馴染みがあったりもしてて。
KANDAI:そうなんですよね。個人的にもこういう曲はめっちゃ好きだし、違和感は全然ないんです。
──歌詞では、友人への感謝を率直に綴ってますね。
片桐:いち個人としては、ホンマに仲の良い友達と一緒にいて自由に羽を伸ばせたら、っていう。強い意志を、というより、肩の力を抜いて書けたなと思います。楽に行こうぜ、みたいなマインドの曲ですね。
──最後を締めくくるのは「幸せとは」です。不安や後ろ向きな気持ちをロックの疾走感で吹き飛ばして前を向くような印象を受けました。
片桐:最初からこういう曲調にしたいとは決めてて。デビューシングル「Key -bring it on, my Destiny-」に入ってる「世界について」という曲があるんですけど、それが自分たちにとってもファンの人たちにとっても大事な日に締めてくれる1曲みたいな存在なんです。ただ、そろそろ頼り切るのはやめよう、みたいなのもあって。それに代わるしっかりした想いを込めた曲を、このフルアルバムでもライヴでも最後にやれる1年にしたかったんです。
──そのようなことは「SEIEN」ツアーでもお話されてましたよね。古い曲に頼るのではなく、新しい曲で塗り替える1年にしたい、と。相当な覚悟がないと言えないと感じてたんです。
片桐:それを各地で言い切ってきて、いいプレッシャーを自分たちにかけていってましたね。アレンジも結構変わったんですよ。古いデモから掘り返したのもあって、もっとアメリカンでエモさ重視みたいな感じだったし、イントロもアウトロもがっつり長かったりして。そこから無駄なモノを取っ払って、メロディーと歌詞だけを推そうよ、と。
KANDAI:リズムパターンも、終盤にかけてとかは結構変わっていきましたね。
──バラエティに富んだ曲が揃いましたが、ライヴの色合いは変わっていくと思いますか?
片桐:そうですね。今まで、シングルを出してリリースツアーをすることが多かったんですけど、そのシングルが結構攻撃的というか、ライヴ感が強いモノだったので、そこからやっぱりフォーカスする部分がひと味違ってるし、そこに今の言いたいことを乗せるライヴをするとなると、若干変わっていくのかなと思ってますね。
──でも、過去のライヴチューンをやらなくなるわけじゃないですよね。
ソラ:それはもちろんそうですね。
片桐:ただ、その聴こえ方が変わっていくかもしれない、っていうのはあって。僕らに対して、反骨心を持った強いヤツらが尖ってる、っていうイメージを持ってる人がいたとして、「幸せとは」だったり、この『ハッピーエンドを始めたい』を聴いてもらうと、「頑張った強がりなんや」とか、這い上がっていくぞ感が強く届くみたいな、そういう現象が起こるかもしれないな、と。そこは楽しみなところですね。
──こういったライヴをしていきたい、というイメージはありますか?
ソラ:普段からずっと気をつけてるのが、起承転結をつけるっていうことなんです。これまで起や結の部分は得意だったけど、合間のちょっと落とす部分とかが苦手だったりもしたんですよ。ただ、そこを「Memento」や「Sleepless Night」があることによって、上手く流れを作れそうだなって。いいセットリストが組めるんじゃないかなと感じてます。
KANDAI:最近、やっと声が出せるようになってきたじゃないですか。「DURARA」なんてレコーディングでメンバー全員が歌ってますから、ライヴでもみんなで歌えるだろうし。「ビボウロク」もそういうテイストがあったりするので、今まで足りなかったピースの曲がありつつ、ライヴでより映えそうな曲もありつつ、お客さんとどういう化学反応が起こせるか。ライヴを通して作品が完成するところもありますし、何が起こるかわからない感じを楽しみたいですね。
kazu:実際にやるかどうかはわからないんですけど、僕個人としてはアグレッシブな曲を中心にしたり、エモーショナルな曲を中心にしたり、そういう極端なセットリストを組んでも面白いのかなと思ったりもしてて。今回で言うと、「DURARA」、「脳内」、「SEIEN」、「【Lenny code fiction】」のようなアップテンポで激しい曲をやりつつ、「幸せとは」でバンって締めるとか。
──その日ならではの色味をつけるような。
kazu:まあ、それが起承転結になるのかはわからないので、ちょっと会議します(笑)。
──ハハハハ(笑)。でも、そういう意味では活動のフィールドが広がっていくとも言えますよね。イベント出演とかで、その日にマッチしたアプローチのライヴができるということですし。
kazu:そうですね。かなり振り幅は広がりましたからね。
片桐:どの曲がいちばんライヴ映えするのか楽しみです。シンプルに考えれば「DURARA」なんでしょうけど、音源で聴く曲かなと思ってた「ビボウロク」が今ではライヴでいちばん欠かせない存在になってたりもするし。リリースツアーには、そういう違った角度からの意見や反応を知れる楽しみがあるんですよ。
──ライヴでのフィードバックによって、曲が育っていくことも多いですからね。
片桐:「ビボウロク」とかも、アウトロは全然原曲通りにやってなかったりするし、そういう進化がありますね。今回、ツアー期間が9月から来年2月までと長いのもあって、当初のイメージとは全然違っていく曲もあるかもしれないし。
──ツアーは余裕のあるスケジューリングですが、その間に制作を進めるようなことも?
片桐:制作はずっと続けてると思います。それこそ、第2章が始まったというか、今回のリリースを機にどんどんいい変化をしながら、波に乗っていきたいですから。
──バンドにとってフルアルバムはひとつの節目であり、ツアーを終えてひと呼吸置くこともありますが、レニーにとっては新たなスタート地点であり、走り続けていくという。
片桐:理想としては、ツアーファイナルでまた新たなリリースを発表できればいいな、っていう感じです。曲はいっぱいあるんで、何なら3rdフルアルバムの発表でもいいぐらい(笑)、今がいちばん充実してるんじゃないかと思ってます。
取材・文:ヤコウリュウジ
撮影:大橋祐希
◆ ◆ ◆
2nd Album『ハッピーエンドを始めたい』
初回限定盤:CD+DVD+フォトブック\7,480(税込)/ \6,800(税抜)
通常盤 : CD \3,300(税込)/ \3,000(税抜)
■収録曲
01.夢見るさなか
02.DURARA
03.脳内
04.ビボウロク
05.Memento
06.アイデンティティの始まり
07.【Lenny code fiction】
08.Sleepless Night
09.SEIEN
10.あなたがいなくなったら
11.幸せとは
◆初回限定盤
[DVD]
<ライブ映像>
7th Single『SEIEN』release tour FINAL 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
<Music Video>
「脳内」「TOKYO」「ビボウロク」「あなたがいなくなったら」「SEIEN」
[フォトブック]
Lenny code fiction presents 7th Single “SEIEN” release Tour
予約購入:https://kmu.lnk.to/NIWy9P
■店頭特典
対象となるCDショップ / オンラインサイトにてお買い上げ頂いた方に、先着で下記の特典を差し上げます。特典のお渡しはご予約者優先となり、各店舗で無くなり次第終了いたしますのでぜひ奮ってご予約下さい。
※特典絵柄は追ってのご案内となります。
※特典内容は変更の場合もございます。あらかじめご了承ください。
※特典にはそれぞれ数に限りがあります。無くなり次第終了となりますのでご了承ください。
◆特典内容◆
■Amazon.co.jp(ECショップ):メガジャケ
※商品名に、【Amazon.co.jp限定特典】の記載があるページからの購入のみが対象となりますので、お気をつけ下さい。
■TOWER RECORDS全店(オンライン含む/一部店舗除く):オリジナルステッカーA
■セブンネットショッピング(ECショップ):オリジナルピック
■楽天ブックス(ECショップ):オリジナルA4クリアファイル
■応援店特典:オリジナルステッカーB
<Lenny code fiction presents 2nd Album release tour 『ハッピーエンドを贈りたい』>
2023.10.21(土)大阪3MAN 梅田 Shangri-La
2023.11.09(木)名古屋3MAN 名古屋 ell.FITS ALL
2023.12.02(土)福岡3MAN 福岡 DRUM SON
2024.01.20(土)大阪ONE MAN 梅田 Shangri-La
2024.02.11(日)東京ONE MAN 渋谷WWWX
チケット
オールスタンディング
◆ 先行販売(先着) ¥4,000-(税込) ※ドリンク代別 ※入場整理番号付
※受付期間:7/26(水)10:00~8/6(日)23:59
◆ 一般販売(先着) ¥4,500-(税込) ※ドリンク代別 ※入場整理番号付
※受付期間:8/12(土)10:00~
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