【インタビュー】鶴、バンド結成20周年で深まる絆「21年、22年にもやりたいことはまだまだあります」
■1曲目から感動で泣いちゃって
■演奏できなくなるかも
──笠井さん、二人から意外性を感じることもありました?
笠井:歌ってほしいメッセージ、お客さんはこれを待っていたんだっていうような言葉が、秋野君から出てくるんです、必ず。それが毎回すごくて。今回、時間がない中で作った4作品ですけど、毎作品に必ず入っているという。だから秋野君を叩いたら、いくらでも曲は出てくるんだろうなと思って(笑)。
秋野:おい、やめとけ(笑)。
笠井:打ち出の小づちみたいな感じで、叩けば叩くだけ出てくる(笑)。秋野君は「もう、俺は曲は書けない」って言うんだけど、ひとつも信じてないから、こっちは。あと僕の曲を歌ってくれるのは秋野君で、歌うのに抵抗感あった時期もこれまでにはあって。でも、ここ最近は、こっちから「こう歌ってほしい」っていう要望もひとつもないんです。秋野君がスルッと歌ったら、むちゃくちゃいいねっていう感じで。
秋野:いろいろ乗り越えてきたからなんですけど。どん君はいろんなボーカルの人にけっこう曲を書いたりしているけど、俺、どん君が書く曲を一番上手に歌える人でありたいなと思ってる。
笠井:ああ、嬉しいね(笑)。
秋野:そりゃ、そうだよ。一緒にバンドやってるんだから。
笠井:そうだよね。「アイツのほうがうめえな」ってなったらヤバいもんね(笑)。
秋野:だから僕にも、20年でそういう気持ちの芽生えがね。この言い方も、言葉尻にハート・マーク付いちゃう感じになるのかな〜(笑)。
──あっ、気持ち悪い(笑)。でもずっと仲良くて、音楽的なところでお互いに尊敬や信頼し合うところもあるという間柄は、バンドにとって強力なものありますね。
笠井:確かに、それは感じますね。
秋野:たまに、その逆も考えることが僕はあるんですよ。仲が悪いがゆえに出る音みたいなのって、たまにあるじゃないですか(笑)。
──ほぉー、例えば(笑)?
秋野:いや、例えばとかじゃなくて(笑)。昔、駆け出しの頃のライブハウスのバンド仲間にも、仲が悪いバンドってのも当たり前にいて。でもステージに立つと、同じ方向を向いていないカッコよさがあって。これは僕らには鳴らせない音だって感覚。
──同じバンドなのに、ライバル心をむき出しで火花散らしてテンション高めていく人たちもいますからね。
秋野:いますね。それにしかないカッコよさもあると思います。どうやったら出せるんだろうって興味は、ちょっとありますよね(笑)。仲悪くなってみるしかないんですけど(笑)。
笠井:一回、無理やりね(笑)。
神田:それこそ無理なんですけどね(笑)。
──さきほども話に出しましたが、7月23日に20周年記念を祝うライブを日比谷野外大音楽堂で行います。
秋野:野音は、正直、鶴としてあまり意識してきた会場でもなかったんですよ。でも野音が決まってからというもの、とんでもない場所だったんだなって、今さらながらに気づいて。ちょっとプレッシャーで押しつぶされそうです(笑)。
神田:そうなの(笑)?
秋野:いや、楽しみだよ。きっとライブの神様みたいなものもいるんだろうなと思って、ライブ内容を煮詰めているところです。
神田:赤坂BLITZでやったときとか、<鶴フェス>という大規模イベントをやったときとか、バンド史上のポイントになるライブも過去にあったんですよ。でも僕は、そういうときでもあんまり意識していないというか、平常心というか。楽しみなライブが1本あるなっていう感覚なので。気合いはもちろん入っているんですけど、あまり力んではいなくて。<鶴フェス>のときもそうでしたけど、通常の感じで臨みたい。そのほうが自分の性格的にライブを楽しめるので。野音に向けても、楽しみなライブが迫ってきている、20周年という実はすごいタイミングなんだな、という感じでいますね。周りから、やる気がないと勘違いされないようにしたい(笑)。気持ちは燃えてますけど、すごく凪の状態です。
笠井:僕はむちゃくちゃ緊張しぃなんで、すでに野音に向けて緊張してるんです(笑)。でも神田君とは違う意味で、なるべく意識しないようにもしていて。意識しすぎたら、ライブ前日ぐらいに気絶すると思うもん(笑)。今回のツアー<4>のときの空気感がすごく良かったので、その感じでやれば、すごくいいライブになると思っています。力まず、あの空気が出せればいいなと。あとは、みんなが盛大に祝ってくれるんだろうなって希望と期待をして、当日を迎えようと思っています。
秋野:ライブ中には、みんなの声を聴きたいね。できれば顔も見たいよね。
神田:そうだね。マスクを引きちぎってもらってだね!コロナに対するうっぷんとか、声を出しちゃダメだったという時期のあの気持ち!全てをぶつけてきてほしいね!
──フラットに臨みたいと言ってたくせに、めちゃくちゃ熱く語ってる(笑)。
神田:いやー、だから当日はステージで一番暴れてやろうって気持ちもありますよ。めちゃくちゃ楽しみです。
──野音で出会うみんなに、これから出会っていく方に、最後にここで言葉をいただけたらと思います。
秋野:おかげ様で20年続けることができました。本当にありがとうございます。20年の節目に野音という素晴らしいステージに立てるのは、運命的というか、鶴が今までやってきたことが素敵な場所につながっていたことでもあると思います。そこがゴールじゃなくて、その先の21年、22年にもやりたいことはまだまだあります。鶴がいるうちは、ずーっと楽しい感じで一緒に進んでいけたらと思います。これからもよろしくお願いします。
神田:この20年間で出会ってくれたファンと、応援してくれる仲間たちに、感謝の気持ちでやろうかなと思っています。あと個人的には、メンバー・チェンジなし、活動休止なしで20年間続けてきたのは、なかなか立派なことをしたぞと思っていて。でも、いろんな事情で活動をやめてしまった友達たちや仲間たちもいるので、勝手に仲間たちの気持ちを背負って、21年目に向かっていきたいなと思っています。
笠井:とにかく、僕はライブでみんなの声を聴きたいんですよ。みんなで歌いたいんです。それができたら最高に楽しいんじゃないかと。野音のステージでみんなの顔を見れて、全員の声が聴こえたら、もう、感無量。俺らの演奏なんて、どうでもいいんじゃないかな。
神田:1曲目から感動で泣いちゃって、演奏できなくなるかもしれない。
笠井:うん。そうなったら、演奏やめちゃおう。もう、楽器を置こう(笑)。
取材・文◎長谷川幸信
リリース情報
2023年4月30日(日)リリース
SMRE-0030 1,500円(税込)https://orcd.co/tsuru202344
1.愛とでも呼ぼうか
2.サイコウ
3.ホイ○
4.ニューワールド
※CDはライブ会場・鶴 ONLINE SHOP のみで販売
ライブ・イベント情報
2023年7月23日(日)東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)
開場 15:30 / 開演 16:30
通常チケット:5,000円(全席指定)
※購入枚数制限:お一人様4枚まで
出演:鶴
▼チケット一般発売受付中
詳細:https://afrock.jp/live/15160/
<鶴一日待ちぼうけサイン会※演奏はいたしません>
2023年7月24日(月)東京・原宿アールギャラリー
開始 8:30 / 終了 20:30
(ご都合の良い時間にお越しください)
前日の”鶴の野恩返し公演”分のサイン会を行います。
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