【インタビュー】“横向きスタイル”のエンヤサン、「ベストアルバムで僕らのことを知ってもらった上で、また新たなところへ行ける気がしている」

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■ひねくれに対してひねくれてきている

──歌詞に関しては、エッチな内容が多い印象がしたんですが……。

Y-クルーズ・エンヤ:それが僕のほぼど真ん中というか。「1枚めくったらエロがある」みたいな感じだと思います。「夜が FANZA めいてる」という曲もありますし。こういうのは18歳になりたての頃からずっと追い続けていますね。

──「もっかい HOO'15 feat. BIKKE」も、そういう曲ですよね?

Y-クルーズ・エンヤ:はい。BIKKEさんは最初、もっとふざけた下ネタみたいな歌詞を書いてくださったんですけど、エロをある程度隠すのが僕らのこだわりみたいなことなんです。隠してこそのエロ、聴く人によっては「エロい」と感じるくらいがいいんです。だから申し訳なく思いつつ、BIKKEさんに歌詞を書き直していただきました。


──この場ではどういう歌詞なのかを明言するのは避けますが……聴いているうちに隠されている意味に気づく人がいるはずです。

Y-クルーズ・エンヤ:ダイレクトな表現のものの方がバズりやすいんでしょうけど、僕のこだわりとしては下品にはなりたくないんですよ。

──「もっかい HOO'15 feat. BIKKE」で描かれている内容は、気づかない人は気づかないかも。

Y-クルーズ・エンヤ:そうですね。爽やかな曲ですし、リリース当時、女の子ウケが良かったので、「知らずに聴いてるんだろうな」と思っていました(笑)。

──こういう歌詞がつくことに関しては、作曲者として何か思っていますか?

Jr.TEA:歌詞に関しては、完全に兄に任せています。

Y-クルーズ・エンヤ:そんなことないでしょ?

Jr.TEA:客観的におかしいところがあったら指摘しますが、トラックに歌詞とメロディを乗せてもらう時に僕からの注文はないんです。兄の歌詞は、人間性が出ていると思います。エロティシズムを感じるものは特に。

──「夜が FANZA めいてる」も人間性というか、暮らしぶりが伝わってきます。おしゃれなサウンドなんですけどね。

Y-クルーズ・エンヤ:食品まつりさんが「いい曲だ」ってインスタのストーリーに「夜が FANZA めいてる」を上げてくだったことがあるんです。FANZAのことをご存知ではなかったみたいで、「これはそういう曲なんですよ」とお伝えしたらすぐに消していました(笑)。こういう曲もバズる要素があると思うんですけどね。

Jr.TEA:FANZAに登録している人がみんな聴いてくださったら、ものすごいことになるんでしょうけど(笑)。

Y-クルーズ・エンヤ:当然ながら売れてたくさんの人に知っていただけるようにならないと、次はないんです。だから売れたいというか、認められたい気持ちはあるんですよ。

──面白さが伝わりやすい曲は、結構多いですよね。例えば「今夜はポン酢絡めたい」は、すごくわかりやすいじゃないですか。

Y-クルーズ・エンヤ:リリース当時、わかりやすいと思ってMV制作もしたんですけど、そもそもバズるに至るまでの知名度がなかったというか(笑)。このベストアルバムをきっかけに知ってもらって、気づいていただけたらいいですね。


──TikTokとかで使いやすい曲も多いと思います。

Y-クルーズ・エンヤ:そうですね。「今の時代の方が合うんじゃないか?」っていうのは、思っています。

──「今夜はポン酢絡めたい」は、豚しゃぶとかを楽しんでいる動画のBGMに最適だと紹介しておきたいです。

Y-クルーズ・エンヤ:めっちゃいいと思いますよ。有名などなたかに使っていただけたら、一気に広まりそうな気がしますね。さっき「ひねくれてる」って言いましたけど、「なにひねくれとんねん!」っていう気持ちも出てきて、ひねくれに対してひねくれてきているんです。広がって欲しいと素直に思う自分が最近はいます。

──「今夜はポン酢絡めたい」はディスコミュージックとしてもキャッチーですし、聴いたら好きになる人がたくさんいると思います。

Y-クルーズ・エンヤ:ポップでキャッチーなのが得意なんです。

Jr.TEA:やっぱりキャッチーなのが好きなので。

──この曲、コーラスで《ミツカンカン》って言っていますよね?

Jr.TEA:はい。僕、ライブで時々コーラスをやることがあるんですけど、これはやりたくないなと思ってて……。

Y-クルーズ・エンヤ:やりたくないんだ?

Jr.TEA:うん。これは恥ずかしい(笑)。

──(笑)。「メローグッバイトキオ」「あるく」「TONIGHT3」みたいな、生活感が漂う曲もいろいろ作ってきましたね。

Y-クルーズ・エンヤ:そういうのは、どうしても出てきますね。「あるく」は、当時、ポエトリーリーディングにちょっとはまっていたのが表れています。今聴くとめちゃくちゃ恥ずかしい歌詞だったりするんですけど、ウォーキング中にふと浮かんだことを書いています。「メローグッバイトキオ」は、東京から離れるタイミングで友達に向けて作りたかったんですよね。「TONIGHT3」は、『トゥナイト2』からの流れです。



──『トゥナイト2』って、昔の深夜番組の?

Y-クルーズ・エンヤ:はい。エロと思わせつつ、ボートレースの曲です。ボートレース大好き人間になってしまったので(笑)。こういう生活感ってどうしても出ますね。今作っている新作も、ボートレースは切っても切れなくなっています。友川カズキさんは競輪が好きで、競輪の曲を競輪ファンじゃない人にも向けて歌ったりしているんですよ。そういう感じっていいなあと思っています。


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