【インタビュー】INKYMAP、10周年を経て新境地へ「何事も始まったら終わる。でも、俺達はそれを繰り返す」
■ライブは1本1本違うものになる
■その中で曲がどう成長していくか
──サウンド面の話も聞かせてほしいのですが、今回、ラウドなドラムも含め、リズム隊の音像がこれまでよりも迫力あるものになっているという印象がありました。今回、サウンドメイキングにおいてはどんなテーマや方向性があったのでしょうか?
Kazuma:空間の広がりを感じられるようにしたいというのがありました。それをエンジニアさんと共有しながら、レコーディングしたので、ドラムは特にそういうふうになってますよね。
Jun:だから、音もぎちぎちに詰めないように意識しました。ただ土台はしっかりと作ろうって。その上でキラキラしたリードギターやメロディ、コーラスを際立たせたいと考えました。
──空間の広がりや音圧を意識したのはなぜだったんですか?
Jun:やっぱりライブ感を出したくて。曲のBPMもそうなんですよ。ライブを意識してBPMを決めると言うか、ライブの時、BPMをちょっと上げるってことが昔の曲ならあるんですけど、それをもうレコーディングからやっちゃうっていう。
──JunさんのギタープレイはKazumaさんの歌を立てながらも、単なるバッキングにとどまらない閃きが感じられますが。
Jun:通して聴いてみると、ちょっと弾き過ぎていると思うんですけど(笑)、1曲1曲、抜きの部分は意識しているんですよ。あんまり弾き過ぎないように。ただ、サビは歌のメロディを邪魔しないようにキラキラ感を出したいと思って、ハイフレットで弾くことが多かったです。それに加え、今までの自分にはなかったフレーズを入れてみようと思いながら、作っていきましたね。
──今までなかったフレーズを入れてみたという曲は?
Jun:「D.W.C」と「Always Together」かな。「D.W.C」のサビのフレーズはずっとストロークせずにロングトーンを意識しながら音を抜きました。逆に「Always Together」のサビはかなり弾き倒しているんです。そんなふうに歌の裏でずっとソロを弾いているみたいなことは今までなかったですね。
──「93」のトレモロピッキングでかき鳴らすエモーショナルなプレイが印象的でした。
Jun:ライブを意識して、リズムがずれちゃってもいいくらいの気持ちで弾きました。
Kazuma:パッションのほうのね。
Jun:そういうパッション重視のフレーズですね。だから、ファズを使って、むちゃくちゃやるイメージでしたね。
──曲の作り方、歌詞の書き方、ギターのアプローチ以外にも新たな試みはありましたか?
Kazuma:「Bucket List」だけは、周りの意見を聞かずに僕が作り始めた曲なんですけど、使っているコードがめちゃめちゃ少ないんです。歌詞の書き方もこれまでやったことってないと思うんですけど、同じことを何回も言うっていう。それも含め、ちょっと挑戦した曲ではありますね。けっこうメッセージ性も強くて、人生で大事したいことや、大事にしていることを、反骨精神とともに書いているんですけど、「これ、ライブでやりたい」って弾き語りでメンバーに聴かせた時は、「どうすりゃいいんだ?」みたいな感じで(笑)。
Jun:こういう展開の曲は聴いたことがないって最初は戸惑いましたね。
Kazuma:そこから、「こうしたい、ああしたい」と伝えながらアイデアを共有していったんですけど、かなりクールでイケてる曲になったと思います。
──確かに他の曲とちょっと印象が違いますね。そして、アルバムは最後の「みんなのところへ」でライブに繋げるように終わるわけですが。
Kazuma:そう捉えてもらってもいいんですけど、“始まったら終わって行く瞬く間に”と歌っているように何事も始まったら終わるんです。でも、俺達はそれを繰り返していく。アルバムは終わるところに意味があると思っていて。
Jun:だから、「みんなのところへ」は曲がジャーンときれいに終わらずにフェイドアウトして終わるんですよ。
Kazuma:そこは遊び心です。終わらねえじゃんっていう(笑)。
──なるほど。おっしゃるように7月14日の千葉LOOK公演から<BAKATEN TOUR 2023>が始まります。最後にツアーの意気込みを聞かせてください。
Jun:とりあえず思いっきりやりたいです。
Kazuma:この曲達ができてから、僕らの奥行と言うか、見せられるものがめちゃくちゃ増えたと思うし、もちろん、まだまだなんでしょうけど、自分が理想としていることができそうな気もしていて、めちゃくちゃわくわくしてます。でも、その理想さえ超えていきたい。
Jun:そうだね。
Kazuma:すごく楽しみです。1本1本大事にやりたいです。
Jun:ライブは1本1本違うものになると思うし、その中でこの曲達がどう成長していくか楽しみです。それは自分らの演奏はもちろんですけど、みんながどう受け取ってくれるのか。みんなでどんなフロアを作れるのかがすごく楽しみですね。わくわくしてます。
取材・文◎山口智男
撮影◎ゆうばひかり(ライブ)
■アルバム『 INKYMAP 』
TNAD-0155 ¥2,750 (tax in)
01. Beginning
02. Easy Easy
03. D.W.C
04. 飛行機雲
05. Dive For Life
06. Bucket List
07. バカテン
08. Always Together
09. 星月夜
10. Morning Glory
11. 93
12. In Words
13. みんなのところへ
■ツアー<BAKATEN TOUR 2023>
07月17日(月/祝) 愛知・名古屋HUCK FINN
07月18日(火) 大阪・心斎橋VARON
08月10日(木) 東京・高田馬場CLUB PHASE
08月18日(金) 宮城・仙台enn 2nd
08月19日(土) 新潟GOLDENPIGS BLACK
09月01日(金) 岡山CRAZYMAMA 2nd Room
09月03日(日) 長野・松本ALECX
10月08日(日) 沖縄・桜坂セントラル
10月21日(土) 東京・八王子RIPS
10月24日(火) 兵庫・神戸太陽と虎
10月26日(木) 福岡OP's
10月28日(土) 大分clubSPOT
11月18日(土) 愛知・名古屋Party'z
11月19日(日) 大阪・心斎橋BRONZE
12月09日(土) 東京・渋谷Spotify O-Crest
関連リンク
◆INKYMAP オフィシャルTwitter
◆INKYMAP オフィシャルInstagram
◆THE NINTH APOLLO オフィシャルYouTubeチャンネル
◆DAM CHANNEL
◆インタビュー【2】へ戻る
◆インタビュー【1】へ戻る