木村カエラ、<“WE ARE MAGNETIC”TOUR>デビュー19周年記念日に完走

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木村カエラが、6月23日に東京・Zepp Diver Cityにて、全国ライブハウツアー<木村カエラ“WE ARE MAGNETIC”TOUR>の最終公演を行った。

2022年12月にリリースした11枚目のアルバム『MAGNETIC』を冠にした全国5都市6公演を巡るライブハウスツアーのファイナル公演。2004年6月23日にメジャー1stシングル「Level42」でデビューしたカエラにとっては、メジャーデビュー19周年目を迎える記念日とも重なっており、ニューアルバムの楽曲を中心としながらも、代表曲「リルラ リルハ」やライブの鉄板曲「Yellow」を盛り込んだ特別な構成で全21曲をパフォーマンス。さらに、事前にアナウンスされていたSANABAGUN.の岩間俊樹(Mc)と高岩遼(Vo)に加えて、シークレットゲストとして、ニューアルバムに参加していたシンガーのAIがサプライズで登場。ステージ上では初となる生のコラボレーションで満員の観客を沸かせ、<TOUR FINAL&19th Anniversary>と銘打った1日限りのスペシャルなステージに華を添えた。


ライブは、最新アルバム『MAGNETIC』のオープニングナンバーとエンドソングをくっつけた「ワレワレハ」「S⇄N」で幕を開けた。宇宙の彼方から地球に着陸した異星人のような声とロボットのような直角的な動きで、S極とN極、青と赤、人と人が“磁石のように引き寄せ合う”というアルバムのテーマを提示したカエラは、アグレッシヴかつ爽快なギターロック「マスタッシュ」で一気にオーディエンスの熱量を引き上げると、サビでは大合唱が巻き起こり、ライブアンセム的なロックナンバー「TODAY IS A NEW DAY」の一番はピアノの伴奏のみで新しい今日のはじまりを高らかに歌い上げ、2番からは疾走するバンドアンサンブルに乗せてポジティヴなエネルギーを解き放つと、クラップとジャンプを繰り出していたオーディエンスの盛り上がりは早くも最高潮となった。

最初のMCでは久しぶりに声出し解禁となった客席を見渡し、「やばいみんな、いい顔してるね。こんなに歌ってくれて、涙がちょちょ切れちゃうよ。最高だよ」と感慨深げに語り、冒頭から楽しそうな手拍子が沸き起こった「Color Me」では、観客の一人一人と目を合わせながら、<私はみんなと生きてる>と実感を込めて歌唱。ファンタジックなドリーミーポップ「ワニと小鳥」は絵本を読み聞かせるかのような語り口で、観客は歌の物語にじっくりと耳を傾け、雨の音に導かれたラブソング「ありえないかも」では優しい歌声とメロウなグルーヴに身を委ねて心地良さそうに揺れていた。

続く「カスタネット」では、観客もカスタネットを手にし、リズム隊として参加した合奏が実現。「あはははは」と声を上げ、楽しくて仕方ないといった表情を見せたカエラは、「トゥリル トゥリル リカー」「Yellow」では彼女らしいエッジーでエネルギッシュなパフォーマンスで観客の拳とテンションを上げた。イヤーカフが吹き飛ぶほどの躍動感にフロアが熱狂の渦となる中、ソウルシンガーのiriが提供したアーバンR&B「たわいもない」で雰囲気は一転。赤と青を合わせた紫のライトに照らさる中で、愛や夢を追い求めて彷徨う心情をダークに妖艶に表現し、心の奥底から漏れた独白のようなラップも披露した。


中盤のブロックでは、ジャズヒップホップバンド、SANABAGUN.の岩間俊樹(Mc)と高岩遼(Vo)を呼び込むと、全身黒の衣装でサングラスをかけた二人を「黒くてデカい。私のボディーガードみたい」と紹介。そして、3人で一緒にレコーディングした昨年のハロウィンの思い出話を繰り広げ、歌手を目指してバンド練習に明け暮れていた10代の思い出を描いた90’sR&B「井の頭DAYS」が始まった瞬間に、観客は一斉に手をあげ、気持ち良さそうに体を揺らし、会場全体がまるで巨大なクラブのように変貌。「楽しい時間と素敵な曲をありがとう」と感謝を伝えながら、岩間と高岩を拍手で送り出した後、ボカロPとしても知られる笹川真生によるチャーミングなポップソング「ABRACADABRA」では、愛される幸せと自由を願う魔法をかけ、大ヒット曲「リルラ リルハ」から左手を高く掲げ、オンリーワンであることを示すポップロック「STARs」でフロアのヴォルテージはさらに加速した。


そして、アルバムの制作とツアーを振り返り、「私、みんなに会いたかったんだと気づいたんだよね。みんなとくっつきたかったんだなって感じました」と自身の気持ちを吐露。「今回のアルバムで一番大事な曲です。私ともっとわかり合いませんか?」と呼びかけ、アルバムタイトル曲「MAGNETIC」を歌い出すと、後半のラップパートの部分で、シークレットゲストのAIがステージに登場。驚きと興奮が混じった大歓声が上がり、二人はハグを交わし、向き合って手と歌声を重ね、最後はまさに磁石のようにくっついて見せた。歌い終えたAIは、「やべ。引き寄せられてきちゃった。最高です。カエラ大好き」という言葉だけを残して颯爽とステージをおりると、カエラはハイテンションのロックナンバー「はやる気持ち的 My World」やエレキギターを弾きながら歌った「BEAT」でフロアを盛り上げ、最後に「自分を苦しめる声は聞かなくていいんだよ」というメッセージを観客に伝え、彼女自身が作詞作曲したバラード「ノイズキャンセリング」で本編を締め括った。

鳴り止まぬアンコールの拍手に応え再びステージに登場したカエラは、あと1年でデビュー20周年を迎えることに触れ、「なんのために私が音楽をやってるのか。みんなの笑顔が見たい。それだけです!」と声を上げ、「Magic Music」では観客一人一人を指差しながら<みんなの笑顔が見たい!>と願いを込めて熱唱。そして、「この人に出会えてよかった。人を幸せにしたいってずっと思ってるんだよね」と語り、AIをステージへと呼びこむと、ライブを見ていたAIは「すごい感動じゃない? この人、大好き。面白い感じで言ってるのに泣きそうになってた」と感想を伝え、二人でAIの代表曲「ハピネス」を歌いだすと、オーディエンスの大合唱も起こり、<君が笑えば>のフレーズとともに圧倒的な一体感が会場を包みこみ、ステージ上で「最高だね」と言い合いながら抱き合う二人を中心にフロアはハッピーなヴァイブレージョンで満たされていった。


最後に、カエラはこれまでを支えてくれたスタッフやバンドメンバー、応援してくれるファンのみんなに対して、涙を流しながら、「私をずっと歌わせてくれてありがとございます」と感謝の気持ちを伝えた。そして、想像力に溢れたアイデアや好奇心、人とのつながりやそれぞれの幸せを追求するための遊び心を忘れないカエラ特有のアーティスト性を発揮したステージは、デビュー当時のライブでラストナンバーとして歌ってきた「happiness!!!」で大団円を迎え、20年目の第一歩となった約2時間30分のライブは笑顔が溢れる中で幕を閉じた。「みんなと磁石のようにピタッとくっつきたい」。まさにそんな言葉を体現したかのようなスペシャルな1日になった。

撮影:エド ソウタ

なお、ツアーファイナル公演のセットリストをそのまま楽しめるプレイリストが公開中。ツアーの余韻に浸りながらぜひお楽しみいただきたい。
<“WE ARE MAGNETIC”TOUR>ファイナル公演プレイリスト
https://jvcmusic.lnk.to/MAGNETICTour

セットリスト

M1.ワレワレワ? / S⇔N
M2.マスタッシュ
M3.TODAY IS A NEW DAY
-MC-
M4.Color Me
M5.ワニと小鳥
M6.ありえないかも
-MC-
M7.カスタネット
M8.トゥリル トゥリル リカー
M9.Yellow
M10.たわいもない
-MC-
M11.井の頭DAYS feat. SANABAGUN.
M12.ABRACADABRA
M13.リルラ リルハ
M14.STARs
-MC-
M15.MAGNETIC feat. AI
M16.はやる気持ち的 My World
M17.BEAT
M18.ノイズキャンセリング
-ENCORE-
EN1.Magic Music
EN2.ハピネス
EN3.happiness!!!
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