【インタビュー】高木完、「みんなのアイディアやヒントになるようなことを発信し続けていきたい」
2023年8月5日(土)・8月6日(日)リビエラ逗子マリーナで行われる、<GREENROOM FESTIVAL>のアフターパーティ<MARINA SUNSET>に出演する高木完。いよいよ間近に迫った<MARINA SUNSET>に向けて、話を聞いた。
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──<MARINA SUNSET>初出場かと思いますが、意気込みなどお聞かせください。
高木完 小坪(神奈川県逗子市)で音を鳴らすのは最高! ありがとう!
──最近、取り入れているセット図とその活用方法、プレイスタイルを教えてください。
高木完 Serato Stemsを用いた即席マッシュアップ、DUBスタイル。
──今回のフェスティバルの印象はどんなイメージをお持ちですか?
高木完 SEASIDE BOUND! GO BOUND!
──高木完さんは逗子にゆかりがあるとお聞きしました。
高木完 税金おさめてます。
──高木完さんはさまざまな都市でDJプレイしてきているのは有名です。ここ3年間パンデミックで渡航できなくなっていますが、いまは解禁になってきており、真っ先にどこの都市に行きたいですか?
高木完 三笘のいるブライトンに行きたい。
──今回久しぶりに共演するジェームズ・ラヴェルはどんな方ですか?
高木完 久しぶりに会う親戚のような感覚!
──日本のヒップホップ史上に歴史に刻まれている至宝のTINY PANX の「LAST ORGY」の誕生秘話を教えてください。
高木完 元々は雑誌『宝島』の企画で作ったのがオリジナルです。1987年かな?
──MAJOR FORCEのさまざまなテイストの作品は今も世界中で高い評価を得ています。音楽、映像、アート制作、国内のイベント、作品のプロデュースをしていますが、当時の思い出を振り返ってください。
高木完 1988年にブレイクビーツとサンプリングの感覚に刺激を受けたことを日本でやっている、という事実、現実、そしてオリジナルで音を作っている、と言うことにロンドン、NYの人たちに驚かれた。
──80~90年代のヒップホップ黄金時代に出会ったアメリカのグループと今でも深い合流があるかと思います。何かエピソードなど教えてもらえますか?
高木完 1989年に共演したジャングル・ブラザーズがヘッドライナーのイベントの初来日のポスターがブロンクスにできたヒップホップ50周年でできた博物館に飾ってあるらしい。
──ファンに一言お願いします。
高木完 これからも自分にできることでみんなに楽しんでもらえるようなことを提供し続けていきたいと思っています。
──ソロについては?
高木完 『Fruit Of The Rhythm』(1991年4月25日)、『Grass Roots』(1992年5月21日)、『Heavy Duty Vol.1』(1993年6月21日)、『ARTMAN』(1997年3月19日)。残念なことにワーナーの『HELLO』が配信されてない。内容も面白いのでみんなに聴いてもらいたい。
──音楽はヒーリング効果など言われますが、音楽へ使命感などあれば教えてください。
高木完 自分で楽しみながら、みんなのアイディアやヒントになるようなことを発信し続けていきたい。
──2018年、30周年を迎えたMAJOR FORCEを再始動しました。<グリーンルームフェスティバル>や<フジロックフェスティバル>にMAJOR FORCE BANDとして出演。また高木完&K.U.D.OのDJユニットとしても活躍してます。またバンドは復活しますでしょうか?
高木完 バンドの復活はわからないけど、プロダクションチームとしては続いている。音源もだいぶあるのでまとめて出そうとは思っています。
──2020年から始めたJ-WAVEで毎週火曜の深夜にナビゲイターを務める番組『TOKYO MAADSPIN』が話題となっています。番組内容を教えてください。最近、DJ KRUSHがゲストとして話題になったそうですね?
高木完 番組には自分が今までに出会ったさまざまなオリジネイターの人たちを呼んでのトークセッションが中心で、それは自分にとっての重要な仕事、役割だと思っています。DJ KRUSHとも彼がBフレッシュにいたころの話から入って、若かりし自分たちのあの時代を互いに振り返り、分かりあい、笑顔で再会しました。
──2022年3月に同番組の対談に自身の話を加えた初の単行本『東京IN THE FLESH 』(イーストプレス)発売。どんな内容でしょうか?
高木完 基本ラジオでのトークが中心で、そこに自分の話も多少聞き書きで付け加えてます。いつかは続編を出したい。
──現在、自身の蔵書、レコードなどを販売するwebサイト(https://www.memestokyo.com)も運営しているサイトについて教えてください。
高木完 母の死後、逗子の家を整理し始めたことに端を発していて、コロナ禍でもあったので時間があって始めました。
──これからリリースされる作品やプロジェクト、音楽制作、ラジオ番組、DJ、ファッションなどいま話せる範囲内で進んでいるプロジェクトを教えてください。
高木完 TOWA TEIのニューアルバムの先行カットの曲にラッパーとして参加しています。
──昨年、高木完さんの還暦パーティーが行われました。大物のデザイナーやミュージシャン達が集まってとても話題になりましたね。
高木完 僕が近田春夫さんの古希のお祝いでDJをやっているのを聴いた野田洋次郎くんがそのときのプレイを偉く気に入ってくれて、そのとき知り合ったんだけど、自分が還暦だと聞いて、イベントを企画してくれました。彼には完謝しかないです。
──いまは戦争中で現地では信じられない状況がテレビの映し出されています。経済は悪化して、人種差別、強盗、銃撃事件などあまりにも酷いと思います。そして国と国の国境問題、移民問題、テロ、自然災害、高木完さんは音楽だけではなく、社会的にも影響があるので、どう世界は秩序が守られて平和になってくると思いますか?
高木完 戦争ビジネスを止めることが第一だと思います。
しかし
もしかしたら
経済の歯車の中でそのつもりはなくても自分もどこかで遠回しにその経済の動きに加担してしまっているかもしれない。
本当のところはわからない。
意識が、とか、精神の問題、マルチバースが、とか考えたい気持ちもありますが
それもこの次元には通用しない。
具体的に
自分が今の世からいなくなるまでにもうちょっと良くなるように発信できるのか
そうしたことを思うと改めて
坂本(龍一)さんの偉大さに気付かされる時があります。
自分にはあんな才能はありませんが
見習いたいと思います
インタビュー:高山康志(ラッシュプロダクション)
<MARINA SUNSET>
リビエラ逗子マリーナ
主催:GREENROOM CO.
◆<MARINA SUNSET> オフィシャルサイト
◆高木完 Twitter