【ライヴレポート】FANTASTIC◇CIRCUS、18年ぶり全国ツアーのファイナルに未来への約束「求めてくれれば必ず会いにきます」

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FANTASTIC◇CIRCUSが全国ツアー<tour THE END OF 30th BOYS 2023>の東京公演を5月13日および14日、昭和女子大学人見記念講堂で開催した。

◆FANTASTIC♢CIRCUS 画像

FANATIC♢CRISISが2005年に解散してから14年、石月努(Vo)、kazuya(G)、SHUN.(G)の3人は“転生”という形でFANTASTIC◇CIRCUSとして集結。2022年5月14日には“FtC”結成30周年記念公演となる日比谷野外大音楽堂公演<転生-TENSEISM- FtC 30th ANNIVERSARY>を成功させた。

5月14日はFANATIC♢CRISISが解散ライヴを行った日でもあり、毎年のように立っていた会場である野音が偶然にも2022年の同じ日にブッキングできたということだったが、FANTASTIC◇CIRCUSとしての初ツアーの最終日も5月14日。先ごろのBARKSインタビュー時、彼らは全8ヵ所をまわっている真っ最中で、「終わってしまうのが寂しいですね」と語っており、“転生”して18年ぶりに全国各地を訪れるライヴがコロナ禍の規制を経ての“声出し解禁”の時期と重なったのも、運を味方につけているかのようだ。最終日、FANTASTIC◇CIRCUSは今後の予定について明言はしなかったものの、石月は「絶対、また会おうな!」という言葉を何度か口にした。この日、広がった幸せな光景についてレポートしたい。

   ◆   ◆   ◆


多くのFANATICS(ファンの呼称)が集結する中、石月、kazuya、SHUN.に加え、NATCHIN (B / SIAM SHADE)、LEVIN (Dr / La'cryma Christi)、kiyohito (manipulator)といった強者サポートミュージシャンを含む6人が、LEDライトが眩いステージに登場。ライヴは今の彼らの自由な心境を象徴するような楽曲タイトルを持つ「Freedom」で幕を開けた。サイリウムが揺れる客席は、のっけからジャンプで盛り上がり、ピンクの照明がステージを包むと、石月が「さあ、踊ろうぜ!」と呼びかけた艶のあるナンバー「Queen」へ。NATCHINのベースソロからkazuyaのギターソロへと移行する間奏もテンションを上げ、FANATIC♢CRISIS時代の代表曲「火の鳥」はスモークが吹き出す派手な演出の中で届けられた。手を広げ、宙を見つめ、飛び立つようなパフォーマンスから歌い始めて客席にマイクを向ける石月。kazuyaとSHUN.のツインギターがエッジーに絡み合い、NATCHINとLEVINのリズム隊もスケール感のあるサウンドを増幅させて、拍手と大歓声。男子の太い声もかなり多い。

<tour THE END OF 30th BOYS 2023>のために「50曲を用意して臨んだ」と石月はMCで語っていたが、セットリストは2023年3月にリリースされたリテイクベストアルバム『TENSEISM BEST SINGLES【1997-2000】』収録曲にライヴの定番曲や人気曲を織り混ぜたもの。“きっと大丈夫‥恐くても‥僕が居るから“と背中を押す「beauties -beauty eyes-」、スモークの中で攻撃的なギターと本能を刺激するジャングルビートが絡み、憂いのあるメロディがFANATIC♢CRISISのダークサイドを浮き彫りにする「DEFECT LOVER COMPLEX」、メロディックなミドルチューン「Still Alone」など、MCを挟まずに7曲が立て続けに披露された。




「FANTASTICSのみんな、FANTASTIC◇CIRCUSでございます。めちゃくちゃ最高だぜ! 我々、“転生”を遂げて1年が経ちました。あっという間だったね。僕の中ではですけど。このツアー、地方公演を含めて1本1本が本当に愛おしくて、3人とも“終わってほしくない症候群”になっていたんですが、今日、ついに終わりが来てしまいます」──石月努

続けて、「声出しOKということなので、みんな大声で歌ってくれよ!」と呼びかけた石月。ステージが赤く染まったダンスチューン「龍宮」ではkazuyaとSHUN.が立ち位置をチェンジ。SHUN.の前に石月が膝をついてパフォーマンスしながら歌うなど、見どころも満載だ。「火の鳥」と並ぶヒットチューンでもある「Maybe true」では開放的な空気が満ち、kazuyaはステージ際に出て客席を煽る。SHUN.はNATCHINの隣でギターを奏で、場内にはFANTASTICSの歌声が響きわたった。続いて放たれた石月の伸びやかな歌が映える「7 [SEVEN]」でもシンガロング。FANATIC♢CRISISの強くキャッチーなメロディは色褪せない。それらが今のヴァージョンに進化し、それを生で聴くことができるなんて、多くの人が想像もしていなかったことだろう。




「東京! 盛り上がってますか? 楽しんでる? こっちはめっちゃ楽しいですよ。泣いても笑っても今日がツアーファイナルです。思う存分、暴れて笑って帰ってください」──SHUN.

ファイナルではSHUN.が本ツアー初、やや照れながらもメンバー紹介を担当。まず、開幕のSE代わりにピアノを弾いたマニュピレーターのkiyohitoの名をアナウンス。バンドの土台と形容されたLEVINは歓声に応えて「ありがとう! 愛してるぜ!」と叫び、「並んで弾いた時、(感動で)泣きそうになった」と紹介されたNATCHINも「東京! 俺も愛してるよ!」と客席に呼びかけた。

そして、「1年間、“転生”という物語の中で生かしてもらった」と振り返ったkazuyaは、「素敵な思い出でいっぱいです。僕からも、愛してます」と笑顔。「FANTASTIC◇CIRCUSの今後は何も決まっていない」と告げたSHUN.は、「今日が最後かもしれない」と語り、客席のブーイングに応えて「イヤでしょ? だったら悔いの残らないように、今日をめいっぱい楽しんでいってください。この後も一緒に暴れていこうぜ!」と煽った。最後に石月が「ロックは死なねーぜ! そしてFANTAも死なねーぞ!」と叫んでライヴ後半へ突入。


その後半は、3人がセンターに集結したパンキッシュなナンバー「Rock n' roll is dead ?」に雪崩れ込む展開から、抜けるポップなメロディが秀逸なライヴの定番曲「MADE IN BLUE」が放たれた。しかし、ここでkazuyaのギターのパーツが取れるというアクシデントが発生したため、石月が「しばし、WOWOWをご覧のみなさまも〜」(WOWOWにて6月に独占放送&配信)とアドリブでジョークを飛ばし、笑い声が溢れる中でグッズのサイリウムが完売したことを報告した。そのサイリウムを使ってのkazuyaとのやりとりも微笑ましく、終始メンバー間の仲の良さが伝わってくるステージでもあった。

上手で石月が歌い、下手でkazuyaとSHUN.が向かい合ってギターを弾いた「Pleasure Garden」からは、さらにテンションが加速。ギターが唸りをあげる「scratch69」、緩急のあるアプローチも彼ららしい「EXIT」でもシンガロング、客席が手を振る中、NATCHINを含む4人がセンターに集結した「THE.NEVER.INNOCENT」ではSHUN.が煌めくようなギターソロを奏で、“アナタの瞳にうつる スベテを守りたい”と歌う石月のメッセージが集まった人たちの心を照らして、再び4人が集まってのエンディング。大歓声が沸き起こった。




「FANATIC♢CRISISっていう存在は、“祭り”みたいなものなのかなと思っています。久しぶりにこの場を通じて会う友人だとか、久しぶりに聴く曲とか、全部含めて祭りだなと」と30周年プロジェクトを定義づけた石月が、集まった人たちに放ったメッセージも心を打った。

「生きてるといろいろなことがありますよね。自分のことも自分のまわりのことも。世界のことでいうとコロナだったりとか、いろいろな壁が目の前に現れてはなんとか乗り越えたり、抜け道を探したり、いろいろ方法はあって。だけど、こうして集まって、WOWOWで観ているみんなも生き延びたというか、サバイブしたということかなと思ってます。そんなみんな、偉い! 俺に言われたくないかもしれないけど、本当に偉いよ」──石月努

kazuyaのギターと石月の歌のみで始まり、途中からバンドスタイルに移行した「すべての友のためにきっと明日は来るから。」はラストにふさわしい温もりのあるナンバー。ステージと溶け合うような歌声が響く。年月を重ねたからこそ、より深まった想いの共有。感動の内に本編は幕を閉じた。


アンコールでは、ツアーTシャツに着替えた石月が、まずひとりで登場。グッズ紹介のコーナーが会場を沸かせた。そして今と未来を語ったMCへ。

「昔はちょっと違う考えだったんですけど、今は求めてくれるみんなのために生きるというのが僕の使命かなと思っております。今後の予定は決まっていませんが、求めてくれれば必ず会いにきます」──石月努

拍手の中、SHUN.がアコギを弾き、届けられたのは優しい歌声と温もりのあるサウンドが染みわたる「LIFE」だった。場内を包みこむシンガロング。“君のままであればいい”というメッセージが込められた歌詞は、“果てしない未来へ、続け”で終わるが、石月は想いを込めて“続け”をリピートした。そして「ONE -You are the one-」ではスケール感のあるサウンドにkazuyaのギターソロが彩りを与え、解き放たれた空間に至福の時間が流れた。

石月がkazuyaにマイクを向け、センターでSHUN.がプレイした「追憶をこえるスピードで」、石月が「Please!」と呼びかけると、FANATICSが曲名を叫んだ「LOVE ME」では銀テープが降り注いで、幸せなシンガロング。ライヴに欠かせない楽曲の数々が演奏され、これにて終演……と思いきや、石月の「もう一発やらせてくれ! やりたいんだ!」という呼びかけで、最後にインディーズ時代からライヴで演奏されている「Truth」が放たれた。


終演直後、T.Rexの楽曲がエンディングBGMとして鳴り響き、ツアーを完走した3人は清々しい表情を浮かべた。石月は足下に貼られたセットリストを客席に投げ入れ、kazuyaとSHUN.は時に譲り合いながらピックを投げ込んだ。鳴り止まない歓声の中、最後に声を揃えて「お疲れ〜!」と叫んだFANTASTIC◇CIRCUS。また、いつか、きっと会える。その約束を胸に刻んでツアーファイナルは幕を閉じた。

取材・文◎山本弘子
撮影◎今元秀明

■<tour THE END OF 30th BOYS 2023>5月14日(日)@昭和女子大学人見記念講堂 セットリスト

01. Freedom
02. Queen
03. 火の鳥
04. beauties -beauty eyes-
05. DEFECT LOVER COMPLEX
06. Still Alone
07. ジェラシー
08. 龍宮
09. Maybe true
10. 7 [Seven]
11. Rock'n Roll is dead?
12. MADE IN BLUE
13. Pleasure Garden
14. scratch69
15. EXIT
16. THE.NEVER.INNOCENT
17. すべての友のためにきっと明日は来るから。
encore
en1. LIFE
en2. ONE -You are the one-
en3. 追憶をこえるスピードで
en4. Love Me
en5. Truth

■アルバム『TENSEISM BEST SINGLES【1997-2000】』

2023年3月29日(水) 発売
【WMS限定初回限定盤】WPCL-60027 ¥8,500(税込)
※仕様:CD+特殊パッケージ、LPサイズ、ブックレット20ページ
https://store.wmg.jp/collections/fantasticcircus/products/3034
【通常盤】WPCL-13468 ¥3,500(税込)
https://fantasticcircus.lnk.to/tenseismbestsingles
▼CD収録曲(全13曲)
01. SUPER SOUL
02. SLEEPER
03. ONE -you are the one-
04. Rainy merry-go-round
05. 火の鳥
06. Maybe true
07. beauties -beauty eyes-
08. ジェラシー
09. 7 [SEVEN]
10. 心に花を 心に棘を
11. Behind
12. DEFECT LOVER COMPLEX
13. LIFE

●通常盤・先着購入者特典●
・タワーレコード 音源CD (「サーカス」1曲収録)
・TSUTAYA 音源CD (「Baby's Talk」1曲収録)
・Amazon メガジャケ (※ジャケットとは別絵柄デザイン)
上記以外のショップ 音源CD (「Queen」1曲収録)
※一部のCDショップ及びネットショッピングサイトでは特典プレゼントを実施していない場合がございます。
※一部のネットショッピングサイトでは、「特典付き」と「特典なし」のカートがございます。
※特典は数に限りがございます。無くなり次第終了となります。
※特典に関するお問い合わせは、直接各CDショップまたはネットショッピングサイトにてご確認ください。


▲WMS限定初回限定盤 ジャケット


▲通常盤 ジャケット

■FANTASTIC◇CIRCUS 直筆サイン入りチェキ プレゼントキャンペーン概要


【応募資格】
・日本国内にお住まいの方
・Twitterアカウントをお持ちの方
・BARKS編集部 Twitterアカウントから投稿される応募用のツイートをキャンペーン期間内にリツイートした方
※必ずご自身のアカウントを“公開”にした状態でご参加ください。アカウントが非公開の場合は参加とみなされません。
※ダイレクトメッセージを受信拒否設定している場合、参加とみなされません。
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・FANTASTIC◇CIRCUS 直筆サイン入りチェキ
・1名様
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1. BARKS編集部 Twitterアカウント「@barks_news」をフォローしてください。
2. BARKS編集部 Twitterアカウントから下記キャンペーン期間中に投稿されるキャンペーン応募用の投稿をリツイートしてください。
3. 上記で応募は完了となります。
※フォローを外すと応募権利がなくなりますのでご注意下さい。
【応募期間】
2023年5月13日(土)~2023年6月13日(火)23:59まで
※上記期間内にされたリツイートが応募対象です。
【当選発表】
・Twitter DMにて当選のご連絡と専用フォームのURLをお送り致します。
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・配送は国内のみ、賞品は2023年7月上旬に発送予定です。
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