【インタビュー】４年ぶりにジャパンツアーを開催するトミー・ゲレロ、「ただ音楽に耳を傾けて心を開けばいい」

トミー・ゲレロが2022年10月に最新EP「NEW WORLD HUSTL」を発売した記念として、４年ぶりにジャパンツアーを開催する。この度、独占インタビューを敢行、来日直前の話を聞いた。

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■現在の僕のチャレンジは
■“癒やすこと”

──相変わらず忙しいですか？　来日の準備中だと思いますが、全体的にどのプロジェクトに集中してますか？

今はそれほど忙しくないけど、これから日本ツアーの準備に入るところです。5月に日本へ行く前には僕とジョシュとモントの3人で新しい『Los Days』のアルバムのミキシングをします。

──Instagramで『Los Days』のレコーディング風景を拝見しました。通算3枚目の作品はリリースされる予定でしょうか？　どんな内容でしょうか？

新しい『Los Days』のアルバムは多分秋にリリースすると思いますが、まだ具体的な日程は分かりません。以前のふたつのアルバムと同様に、ワンダー・バレーのスタジオでレコーディングしたんです。辺りはとても印象的な荒野の静寂さでした。

──数々の名作を残してきたあなたですが、新しいアルバムはほぼ完成しているのでしょうか？

実は2021年に完成したアルバム『Amber of Memory』が存在するのですが、今までリリースするのを躊躇っています。その理由は自分のこれまでのスタイルからは遊離するものだからで、以前のアルバムの流れを考えると、どうかな？と確信が持てないから。収録曲の「Road to Knowhere 」と「Sunshine Radio 」は今までと共通のスタイル / 系列である一方で、「Amber have of Memory」はファンク／ソウル／ジャズ感がないんです。なので、まずBandcampで配信してみて、需要があるようならアナログレコードにするかもしれません。僕の最新アルバムはまだ作っている最中で、いつリリースするか分かりません。2023年の秋くらいでしょうか。


──あなたは親日家として有名ですが、どこの都市が好きですか？

どの都市が好きというのは難しいです。どの都市も違うしユニークな点がありますから。でも京都は長年のお気に入りの都市のひとつです。食べ物ですが、焼き鳥は僕が好きなタイプの料理です。ラーメン／うどん／蕎麦も僕のトップリストです。もちろん季節にもよりますよね（笑）。

──今回、新たにライブで挑戦することを教えてください。

現在の僕のチャレンジは“癒やすこと”。両腕の前腕部に繰り返しストレスの問題が生じているので、今は休養をして数週間演奏をしないようにしています。休養するのはフラストレーションが溜まってしかたないのですが、必要不可欠なことです。今回、ライブでの挑戦は日本でまだ披露したことのない楽曲を数曲演奏します。

──日本に来たらまず挑戦したいことはありますか？

できることなら日本での滞在時間を長くしたい。10月に行ってまた演奏して、しばらく日本にいられたらいいな。

──アメリカ会場でかなりライブをしてますが、どんな場所でライブをしているのか教えてください。

小さなところで何度となくライブをしました。中くらいの会場でも2回公演して……具体的には、サンフランシスコのThe Chapel（500人收容）、Bimbos（700 人收容）。どちらもチケットは完売でした。

──久しぶりにお兄様と一緒のライブイベントで競演しているのをお見かけしました。トニーさん（スケーターハードコアバンド“FREE BEER”のメンバーとしてトミーと共に活躍、EL DIABLITOSを率いる、トミー・ゲレロの実兄）はお元気でしょうか？

兄はとても元気で新しいアルバムに取りかかっています。ちょうど60歳になりました！　兄と一緒に幾つかのショーで共演して本当に楽しかったですね。

──今回、来日するバンドメンバーをご紹介してください。

ベースのジョシュ・リッピ、パーカッションのマット・ロドリゲス・コンガス、ドラムのルイ・セノールです。

──日本のオーディエンスはあなたを3年以上待っています。ファンに一言ください。

日本に行って演奏することで皆さんとポジティブなエネルギーをシェアできるのをとても楽しみにしています！　ぜひライブを観にきて、僕たちの音波で、皆さんの抱えている心配を洗い流してください！


──あなたのために立ち上げたレーベル“RUSH! PRODUCTION!”が9月に20周年になります。あなたは同レーベルの象徴ですが、今ではCDや配信のリリース以外に全国のジャパンツアーの制作、野外大型フェスティバルのブッキング、エージェント、マネージメント、ラジオ番組の制作、プロモーション代行業務、映画、ファッションとのコラボレーションなど幅広い仕事を手掛けるようになりました。あなたからエールと叱咤激励を頂けたら嬉しいです。

ポジティブに前に進んでいってください！　クリエイティブでい続けてください！　物事の全体像を頭に置いて小さな問題を切り抜けていってください！

──やっとコロナ禍が落ち着きそうです。その一方で、今は戦争中で現地では信じられない状況がテレビに映し出されています。経済は悪化して、人種差別、強盗、銃撃事件などあまりにも酷いと思います。そして国と国の国境問題、自然災害、アメリカの大統領選挙も近づいています。あなたは音楽だけではなく、社会的に影響があります。世界はどのように秩序が守られて平和になると思いますか？

何と言ったらいいか分かりませんが……ただ僕たちは皆お互いにリスペクトし合う必要があります。他人に優しく。ただでさえ苦しいところに、他の人たちが、その生活をより苦しくさせるようなことはしてはいけないと思うんです。

──音楽はヒーリング効果などあると言われますが、あなたはどうお考えでしょうか？　

音楽には言うまでもなく癒やしの力があります。だからただ音楽に耳を傾けて心を開けばいいと思う。

インタビュー：高山康志（RUSH! PRODUCTION!）
撮影：Claudine Gossett



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