ピンク・フロイド、豪西海岸で皆既日食に合わせた『狂気』リスニング・イベント開催
ピンク・フロイドの8作目のスタジオ・アルバム『狂気』(1973年)の発売50周年を記念したリスニング・イベントが現地時間4月20日、オーストラリアのニンガルー海洋公園で開催された。そのオフィシャルレポートをお届けする。
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ピンク・フロイドのアルバム『狂気(THE DARK SIDE OF THE MOON)』の発売50周年を記念して、西オーストラリア州にあるニンガルー海洋公園で4月20日、“皆既日食”の時間に合わせた究極の『狂気』リスニング・イベントが開催された。
オーストラリアのパースから北へ1200kmに位置する、人里離れたマクルオッズ・ビーチに、多数の応募者から選ばれたコンテスト受賞者のファン8人を招待。ピンク・フロイドの長年のクリエイティブ・ディレクターであるヒプノシスのオーブリー・パウエルによって制作された「巨大ピラミッド」の前で、太陽、月、地球が一直線上に並んだときに太陽が完全に月に隠れる「皆既日食」を見ながら、アルバム『狂気』を全曲試聴するという、アルバムの世界観を見事に反映したピンク・フロイド主催のイベントで、最終曲「狂気日食(Eclipse)」のラストの象徴的な歌詞《太陽の下 すべては調和を保っているが、その太陽は徐々に月に侵蝕されていく》が皆既日食の瞬間に合わせられるという、まさに一生に一度の究極リスニング体験となった。ピンク・フロイドの公式サイトでは、その模様を収録したダイジェスト・トレイラーが公開されている。
選ばれた8人はピンク・フロイドの世代を超えたファンで構成されており、あまりにも感動的な体験の中で、涙を流すものもいたという。2021年に他界したピンク・フロイドの大ファンである父親への追悼の意を込めてこの旅に参加した27歳のネイサンは「これは一生忘れられない。まるで父が一緒にいてくれたみたいだ」と語り、ピンク・フロイドがきっかけで結婚した、夫のジョセフと一緒にこの旅に参加したモニャは「言葉がでない。このアルバムは何千回も聴いてきましたが、こんな感動は初めてです」と語った。
『狂気』はピンク・フロイド8作目のスタジオ・アルバム。現代社会の緊張と抑圧、人間の心のなかに潜む狂気をテーマにした一大コンセプト・アルバムで、あまりにも象徴的なジャケットのアートワークはヒプノシスによって光のプリズムをモチーフにデザインされた。1973年3月1日にアメリカで発売され、バンド初の全米1位を獲得、シングル・カットされた「マネー」も全米13位とヒットした。全米チャートで741週(15年間)連続ランクインのギネス記録、全世界トータルセールス5000万枚以上、史上最も売れたアルバム3位などの記録を打ちたて、音楽史上最も重要な作品のひとつとして今もなお世界中で新しいオーディエンスを開拓し、魅了し続けている。英国では1973年3月16日に(最高位2位)、日本では1973年4月21日ににリリース(最高位2位)された。
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日本では4月19日、15大特典付きの50周年記念盤『狂気ー50周年記念SACDマルチ・ハイブリッド・エディション(7インチ紙ジャケット仕様)』もリリースされた。
『狂気-50周年記念SACDマルチ・ハイブリッド・エディション(7インチ紙ジャケット仕様)』|『The Dark Side Of The Moon-Hybrid Multi-ch Edition-』
SICP-10143 ¥6,600(税抜¥6,000)
※完全生産限定盤
※パッケージ:7インチ紙ジャケット仕様(日本盤クアドラフォニック“金帯”を復刻)
収録内容:SA-CD MULTI HYBRID:アルバム『狂気』(CD層は通常CD機器で再生可能)
SACD, Hybrid, Multichannel, Stereo, Remastered, 5.1ch Surround Sound
15大特典:〈1972来日公演関連復刻〉 (1)「フォト・ブック」(全48P)(2)「ツアー・パンフレット」 (3)(4)「チケット2種」 (5)「ツアー告知ポスター」 (6)「公演会場で配布された幻の歌詞リーフレット『月の裏側-もろもろの 狂人達の為への作品-』」 (7)ツアー告知フライヤー (8)宣伝用チラシ (9)来日記念ステッカー (10)(11)来日記念盤シングル・ジャケット2種 〈オリジナルLP関連復刻〉 (12)(13)ポスター2種 (14)(15)ステッカー2種
詳細:https://www.110107.com/pinkfloyd_dark_jp/
購入リンク:https://SonyMusicJapan.lnk.to/PinkFloyd_tdsotm7
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