【インタビュー】aiko、「“二人”を歌ってきたけど少しずつ大人になってきて“二人”の距離感も変わってきた」
かけがえのない“あなた”との関係を様々な角度から描いた歌詞、開放的なロックチューンからクラシカルなバラード、洗練されたポップナンバーまでを網羅した音楽性、そして、切なさ、愛らしさ、心地よさをたっぷりと含んだボーカル。
約2年ぶりとなるニューアルバム『今の二人をお互いが見てる』でaikoは、自らの音楽世界をさらに豊かに表現してみせた。「以前よりも自由になった感じで、ずっと楽しいです」という彼女に、前作「どうしたって伝えられないから」以降の活動、アルバム「今の二人をお互いが見てる」の制作について聞いた。
◆ ◆ ◆
■ワクワクする感じが大好きだし、必要だと思う
──2021年3月にリリースされた前作「どうしたって伝えられないから」以降も、aikoさんは精力的にライブ活動を続けてきました。この間を振り返って、印象に残っていることは?
aiko:コロナの影響で、時期によってライブのやり方が違ってたんですよね。入場規制で席が一つ空いてたり、地方によっては2つ開けなくちゃいけなかったり、いろんな状況があって。ある地方のライブでは、感染者数が増えたせいか、「チケットを買ってくれているのに、会場に来ていないお客さんが多い」ということもあったんです。
──「ちょっと心配だからやめておこう」という観客もいらっしゃったと。
aiko:そうですね。気持ちを保つのが大変な時期もありましたし、「ライブならではの空間をみんなと一緒に共有できる日が来るんだろうか?」って不安になることもあったんですけど、今年に入ってからはちょっとずつ声も出せるようになって。時代は変わっていくし、人も変わっていくんだなっていうのをライブを通して感じられたのはよかったのかなと思います。前作のアルバムくらいからセルフプロデュースになって、いろいろと自由になったこともあり、これまでとは違った新しい楽しさも発見しています。それはライブのステージングとかパフォーマンスにも出ていると思います。打ち合わせにないことをいきなりやることもあって。たとえば花道の真ん中で、ストリップ劇場って設定でちょっとポーズを取ったことがあったのですが、照明の方が気づいてくれて、ピンクのライトを当てててくれたんですよ。
──どんなパフォーマンスなんですか(笑)。
aiko:そう思いますよね(笑)。ライブと同じようにレコーディングも自由度が上がって、アレンジャーの方ともいろんな話をして制作しました。「こうしてみたい」ということも伝えられましたし、「このフレーズ、すごくいいです」と直接言えたのもうれしかったです。本当に楽しく音楽に携わることができてるし、アルバムが出来てからもずっと楽しいです。
▲初回限定仕様盤ジャケット
──素晴らしい。『今の二人をお互いが見てる』というタイトルについては?
aiko:アルバムの制作中にふと浮かんで、「『今の二人をお互いが見てる』というタイトルにしようと思ってうんだけど、どうかな?」とスタッフさんに話したんです。好きな人との向き合い方もいろいろあると思っていて、その人が目の前にいるときもあれば、お互い離れ離れで、「元気にしてるかな?」というときもあって。好きな人が違う女の子と喋っていて、その様子を私が見ているときもあるんですが、どれも“今の二人”だなって。
──変わり続ける“今の二人”をお互いが見ている、と。
aiko:そうだったらいいなと思いますね。自分だけが見ているのは寂しいし、相手も同じように見てくれたらなって思います。「そんな奇跡みたいなこと、あるかな」と思うこともあるんですが(笑)、ちゃんと心と心で見つめ合えてたら素敵ですよね。
──そう考えると、前向きなタイトルなのかも。aikoさんご自身も以前よりもポジティブになってます?
aiko:どうですかね? 相変わらず「どうしよう」って考えがちですけど……。あ、でも、ライブに関しては現場のみなさんの空気だったり、「みんなでがんばろう」という雰囲気を作ってくれているおかげで、ちょっと調子が良くなくても「今日しかできないライブをやろう」と思うようになってきてるかもしれません。その変化は大きいかもしれないですね。やっぱり、ワクワクする感じが大好きだし、必要だと思うんです。なのでライブでもあまり決まりを作らないようにしてて。もちろんセットリストは決まってるんですが、ライブの途中で1曲目をいきなり歌い出して、そしたらメンバーのみなさんも演奏してくれたり。同じ曲を何回か歌うこともあるんですけど(笑)、そういうときにお客さんがちょっとざわついたりするのも楽しいです。
──「楽しもう」が優先しているというか。いいですね。
aiko:そうなんです。でも、恋愛とかそういう面においては、お酒飲んだりすると「嫌われてるかもしれない」って勝手に思い込で、そういうLINEを送っちゃったりしますね。全然そんなことないのに、一人で「もうダメ」って思っちゃって、イントロも何もなく、いきなり「さよなら~」って歌い出すような(笑)。経験を重ねることで「こういうときはこうやって対処しよう」とわかるようになるけど、やっぱり慣れないこともたくさんありますね。
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