【インタビュー】70.(XANVALA)、2ndアルバム『NIX』は「新しい表現への挑戦」
3月29日に2ndアルバム『NIX』を発売するXANVALA。アルバム名を冠した全国ツアー<XANVALA ONEMAN TOUR 「ANS」#2 "NIX">が、3月3日の大阪公演よりスタート。同ツアー中にアルバムをリリースすることもあり、ライブごとにセットリストも変化してゆく。今回のツアーは、そこも楽しみの一つになる。同ツアーのファイナル公演を、5月26日に渋谷club asiaで実施。その後、GRAND FINAL公演が8月31日に恵比寿LIQUIDROOMで控えている。
今回、バンドを代表してリーダーの70.(B)が、2ndアルバム『NIX』の話を中心に、バンドの近況について話してくれた。
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──1月31日に渋谷club asiaで行ったワンマン公演を持って、XANVALAは声出しを解禁。当日は凄まじい声がフロア中から飛び交っていましたね。
70.:想像を越える迫力でΛ(ファンの呼称)たちの声がステージに届いていました。何度か感極まっちゃいましたね。お客さん達を見ていても涙を流してくれてる子達も居て、あの感情を共有共感できて「あー、一緒に戦ってくれてたんだね。ありがとう」って気持ちがすごかったです。お互いに求め合ってたんだって愛を感じることのできたファイナルでした。
──XANVALAの場合、そこへ至るまでにいろんなドラマがありましたからね。
70.:始動して間も無く、コロナ禍真っ只中になってしまった時期「やっていることは本当に意味があるのか?」と何度も悩んだこともありましたね。でもいろんな出来事を振り返った時に一つ一つ積み重ねた経験は何も無駄じゃなかったんだなと、あのファイナルで感じることが出来ました。初期には無観客配信ライブやラジオ番組みたいなこともして。あの時期は正直目に見えて良い結果が出ていた訳じゃなかったんです。でも周りが動いていない中でも決して動きを止めずに活動をしてきた。その成果が今に繋がったのは間違いのない事で。実際自分たちが活動を通してちゃんとしたバンドの姿勢を示したことで、ΛもXANVALAの信念を感じて信じてきてくれてたんだなと思います。
──リーダーの70.さんの揺るがぬ意志は、当時から活動を通して見えていました。そこに他のメンバーやΛたちも共感していたのとは間違いないですからね。
70.:同調してくれたメンバーの力も大きかったです。コロナが落ち着いた時のスタートダッシュを想像した時に「今応援してくれるファンたちを絶対に手放しちゃいけない」その気持ちが本当に強かった。その姿勢を示すためにもこのバンドはちゃんと稼働してるって動きを見せたかったんですよね。だから手当たり次第出来る事をしてました。その中で各々の音楽以外のスキルが磨かれていったことも事実で。うちのメンバー全員動画の編集もできるようになっちゃったし。宗馬なんてメインコンポーサーでありながらメインデザイナーにもなっていて、Yuhmaはレコーディングエンジニアも出来るようになっちゃいました。知哉とは楽曲のクオリティをあげようと毎週二人で個人練習に入る時期も作れた。いくらまわりの人たちが活動を止めていようとも、XANVALAは何かしている。動きを絶対に止めない。その気持ちや行動はこれから何が起ころうと変わらないと思います。
──最初の緊急事態宣言が明けて以降、XANVALAは地方にも足を運び、全国ツアーも早い時期からスタートさせていましたよね。
70.:ちょうどその時期他のバンドさんの動きが鈍かったんですよね。上も下もフラットになってた。これはチャンスじゃないかなと思い動いていました。もちろん当時喜んでくれる声もあれば反感の声も来ていました。そんな中でもきちんとルールを守りながら回ってた。そこでお客さんを守れたっていう結果が今のXANVALAとお客さんの信頼関係を築けたんだとも思います。
──XANVALAの場合、配信や会場限定リリースなどいろんな形を取って、常に作品とMVを発表し続けていました。
70.:本格的な衣装チェンジの時はclap dollyさんにお願いしていました。目まぐるしいヴィジュアルの変化を見せたいタイミングもありまして毎月二度も三度も撮影してた頃は事務所の社長やメンバー同士でカメラを回しあって撮ってましたね。ちょっと特殊な市販の服を注文して自分達で衣装をプロデュースしたり(笑)。あれはあれで楽しかったです。制作面やスケジュールの負担もメンバーにかけてしまうとはいえ、あの経験ができたのは本当に今のXANVALAの財産になってるし今後もその姿勢でやり続けていたいですね。
──そこは、ボーカルの巽さん以外の4人とも曲を作れる強みですよね。
70.:そうですね。一人一人の曲調も作る楽曲の振り幅も広いんだけど、巽が歌うとしっかりXANVALAの色に染め上げてくれる。これは本当に巽の力が大きい。そこが成立しなきゃ「何がしたいの? このバンド」ってなっちゃうんですよね。四人のコンポーサーって武器が余す事なく使えるのはこのバンドの強み巽のボーカル力あってこそだと思います。活動初期の頃は心配で色々考えて作ってましてけどね。「今の巽の表現力なら」って安心していろんな曲を投げていけてますね。
──その幅広さは、2ndアルバム『NIX』にもしっかり描きだされています。XANVALAと言えば、激しい音楽性を軸に据えていますけど。「DAYS」はとても明るく開放的なメロ歌チューンですよね。
70.:曲を作ったのはYuhma。「激しい曲が得意な人」という印象を持たれがちなんですが、1stアルバム『月と太陽』に収録した「Dearest」のような美しく儚い曲も産めるメロディメーカーでもあります。本当に表現の幅広さを持っているんですよね。「DAYS」はそんな部分も発揮されてる一曲なんじゃないかなと。先に伝えておくと、1stアルバムの『月と太陽』は、タイトルにも示した通り、“月と太陽=陰と陽”の二面性を軸に据えて作った作品でした。でも2ndアルバムの『NIX』は、その二面性だけでは語りきれない多面性や可能性を表現できてると思います。
──ダウナーでおどろおどろしい新曲の「冥冥」はまさに、それを象徴した曲ですよね。
70.:あの曲は「今の巽のヴォーカリストを見てほしい、表現力の深さを感じてくれ。見てくれ」と作った曲です。実は『月と太陽』に入っている、とある一曲と世界が繋がっていまして。巽は曲にストーリー性を持たせるのも得意なのでその辺も楽しんでもらいたいですね。この記事と一緒にMVも公開になるのかな?音源はもちろんぜひライブでも触れてみて欲しいです。
──曲調にも斬新さを感じますが、「アーティスト」のように、自分たちの現状を赤裸々に突きつけた歌詞も嬉しい衝撃でした。
70.:「アーティスト」はここまでXANVALAがやってきた表現活動の一つの集大成のような楽曲で。前回の全国ツアー<ASK>で見えたの一つの“答え”です。今回の2ndアルバム『NIX』は1stアルバム『月と太陽』以降に形にしてきた「ケ・セラ・セラ」「DAYS」「joke」「アーティスト」「NIX」を収録した上で、これからの自分達へ向けて作った新譜を加えた作品。自分たちが成長して「こんな事も表現したい」って思いを形にはしています。「NIX」もそうだけど、今後、声出し可能なライブが増えてきたとき一緒に声を上げて完成する新曲たちも沢山あるので、ライブにも是非足を運んでほしいですね。
──間もなく新たな全国ツアーも始まりますし、声出ししながら楽しめる曲が増えるのは、ファンにとっても嬉しいことですよね。
70.:信じられないことに三年活動してきて地方での声出しって初なんですよね。その地方その地方でのテンションも変わってくるだろうしそこも楽しみ。とはいえ声出しに関しては各々考え方もあるし徐々に自分のペースで出してもらえたらと。マスク越しの声出しってものすごく苦しいから、無理はせずにライブを楽しんでもらいたいです。
──2ndアルバム『NIX』は3月29日発売ですよね。3月3日から始まるツアーでは、新曲も多く披露する形でしょうか。
70.:このアルバムは「今までやってきたことの集大成」というよりも「新しい表現への挑戦」って内容だと思っています。あまりに新しい顔を見せすぎるとXANVALAって顔がちょっと分かりにくくなってしまうんじゃないかと思うんですよね。だから徐々にという形で解禁していこうと思っています。
──3月から行う<XANVALA ONEMAN TOUR 「ANS」#2 "NIX">は、昨年夏に行った全国ツアー、秋から冬にかけて行った全国ツアーと連動した、ツアーの第三弾になります。徐々に本数が増えているように、ツアーのたびに新規で周る地域も増えていますが、基本は同じ地域を連続でまわる形ですよそね。
70.:そうですね。中々いけない地域で一度ライブをしても「じゃあ、次はいついつに会おうね」と再会の約束を交わすのって難しい。それが勿体無いなと昔から思っていたんです。今回は「じゃあ、また3ヶ月後ね」と約束を交わす形にしたくてANSって三つのテーマに分けて回る形にしました。その中で中々いけない地域のΛに「また会える安心感」を与えたいなと。もちろん3周するツアーの目的は、8月31日に恵比寿LIQUIDROOMで行うツアーのGRAND FINAL公演に来てもらうためという理由もあるんですが、FINAL以降の展開へ繋げる種まきにもなるんじゃないかと思っています。このままの勢いでいけば各地でのキャパ上げもできる。各地でのキャパ上げを達成できれば必然的にGRAND FINALの底上げにも繋がる。先のことを見据えてもツアーをし続けるバンドでいたいと思ってます。
──着実に歩を進めていくところがXANVALAらしさですよね。昨年8月に行った新宿BLAZE公演だって、もっと早い時期に出来ていたと思うんですよね。
70.:自分たちにとっては、あのタイミングで良かったなと思っています。新宿BLAZE公演を決めたのは開催からちょうど1年半前でした。正直あの時はBLAZEに立てるほどの結果は全然出ていなかった。BLAZEを成功させるには何をしなきゃいけないかを見つける時間が欲しかった。それってやっぱりツアーやコンセプトだったんです。<ASK>ってテーマを持って各地のΛに「俺たちは絶対BLAZEを成功させるんだ」って各地でがむしゃらに戦ってる自分たちの物語を見て欲しかった。その結果がハーフキャパとはいえソールドできた結果につながったんじゃないかと思います。<ASK>で問い掛け<ANS>で答えを示す。BLAZEって本当にXANVALAにとって大切な場所だったからこそ燃え尽きない様にBLAZEの次はってコンセプトが欲しかったんです。だから<ASK>と<ANS>を思い浮かんだ時はこれだ!ってすぐにスマホにメモしてましたね。今回の恵比寿LIQUIDROOM公演は人数制限無しのフルキャパ。自分たちでも大きな挑戦になります。ここを成功できたら本当に勝負すべきフィールドにXANVALAも立てるのかなと。強いバンドと肩を並べて勝負していく本当のスタートラインだと思っています。
──6月19日にもXANVALAは、恵比寿LIQUIDROOMで摩天楼オペラさんと2MAN公演を行いますよね。
70.:自分にとっても夢のような2マンで。自分達の武器を存分に披露して「俺達しっかりと戦えたね」という姿を見せたい。別に勝ち負けではないですが、XANVALAにしかできない事をしっかりと見せた上でどんなバンドとでも対等に渡り合っていける姿をしっかり示したいなと思っています。
──期待しています。最後に、改めてひと言お願いします。
70.:<「ANS」#2>では、新しいXANVALAの表情を見せてゆく内容にしていきます。今回のアルバム制作や<「ANS」#1>でメンバー、一人一人の表現力もバンド力も確実に上がりました。更にレベルアップした姿を2ndアルバム『NIX』を名刺に新たなバンドの表現を示したいなと思っています。「え! なんでXANVALAこんなにチケット代安いの!? もっと出させて!」ってワンマンをしていくので良かったら是非「ブラックフライデーなXANVALA」を見に来てほしいです。またXANVALAの音楽に会いに行きたいと思わせますよ。
取材・文◎長澤智典
編集◎BARKS
2nd ALBUM『NIX』
PICD-028 / ¥4,400
※収録曲未定
■ライブ情報
2023年
【EXHIBITION LIVE】
4月5日(水)福岡graf
OPEN 17:00 / START 17:30
w/ タラれば / アルスト
https://eplus.jp/sf/detail/3803640001-P0030001
4月6日(木)福岡graf
OPEN 18:30 / START 19:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803680001-P0030001
4月8日(土)広島SECOND CRUTCH
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803690001-P0030001
4月9日(日)松山サロンキティ
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3804570001-P0030001
4月11日(火)岡山IMAGE
OPEN 17:00 / START 17:30
https://eplus.jp/sf/detail/3803710001-P0030001
4月21日(金)仙台spaceZero
OPEN 18:30 / START 19:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803720001-P0030001
4月22日(土)郡山CLUB #9
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803730001-P0030001P021001?P1=1221
5月13日(土)金沢gateBlack
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803750001-P0030001
5月14日(日)長野LIVE HOUSE J
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803760001-P0030001
5月16日(火)新潟CLUB RIVERST
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803770001-P0030001
5月20日(土)札幌CrazyMonkey
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803790001-P0030001
5月21日(日)札幌CrazyMonkey
OPEN 15:30 / START 16:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803800001-P0030001
【#2 TOUR FINAL】
5月26日(金)渋谷clubasia
OPEN 18:00 / START 18:30
https://eplus.jp/sf/detail/3803840001-P0030001
※声出し等の可否は開催時の会場のガイドラインに準拠します。
[チケット]
前売 ¥2,000 / 当日 ¥2,500
※D代別
ファイナルのみ
前売 ¥4,000 / 当日 ¥4,500
※D代別
3月3日〜3月6日公演
A:e+ プレオーダー
・受付期間 受付終了
B : e+ 一般 (B1~) 2月18日(土)10:00 〜
4月5日〜4月22日公演
A:e+ プレオーダー
・受付期間 2月22日(水)12:00 ~ 2月28日(火)18:00
・入金期間 3月2日(木)13:00 ~ 3月5日(日)21:00
B : e+ 一般 3月11日(土)10:00 〜
5月13日~5月21日公演
A:e+ プレオーダー
・受付期間 3月15日(水)12:00 ~ 3月22日(水)18:00
・入金期間 3月24日(金)13:00 ~ 3月27日(月)21:00
B : e+ 一般 4月1日(土)10:00 〜
5月26日 TOUR FINAL
A:e+ プレオーダー
・受付期間 3月22日(水)12:00 ~ 3月29日(水)18:00
・入金期間 3月31日(金)13:00 ~ 4月3日(月)21:00
B : e+ 一般 4月8日(土)10:00 〜
※転売防止のため整理番号のスタートはランダム
■<XANVALA × 摩天楼オペラ 2MAN LIVE「斬劇」>
2023年6月19日(月)恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:15 / START 19:00
19:00〜 摩天楼オペラ 60min.
20:20〜 XANVALA 60min.
[チケット]
前売 ¥6,000 / 当日 ¥6,500
※D代別
プレオーダー(A1〜) :
受付期間 3月29日(水)12:00~4月5日(水)18:00
入金期間 4月7日(金)13:00~4月10日(月)21:00
一般(B1〜) : 4月15日(土)10:00〜発売
チケットURL
https://eplus.jp/sf/detail/3811670001-P0030001