ロニー・ウッド「ジェフ・ベックは憧れのギタリストが近くにいると、姿を消していた」
ザ・ローリング・ストーンズのロニー・ウッド(G)が、ジェフ・ベック・グループで活動を共にした旧友、ジェフ・ベックを偲び、彼の人柄や思い出を語った。
英国の音楽誌『MOJO』のベック追悼特集で、ウッドはベックの突然の死について「すごく驚いた。彼とはよく出くわしていたから。僕が行くクリスマス・パーティーにはいつもいた。素晴らしい(妻の)サンドラと一緒にね。それで、僕らいつも笑い合ってた。彼は年取ったようにも、変わったようにも見えなかった」と話し、ベックのこんな一面を明かした。
「彼はいつも隅っこにいて、“これ、聴いてみろ! 聴いたことあるか? お前、プレイできるか?”って言ってた。僕は“いや、ジェフ。でも、やってみるよ”って。彼はいつも何か新しいものを創っていた。新しい視点を与えていた。ときどき行き過ぎてしまうところがあったが、でも、それがジェフだった」
「それに彼にはとても恥ずかしがりやだった。B.B.キングのような、彼が本当にリスペクトしているギタリストが同じときに出演していると、姿を消していたよ。劣等コンプレックスみたいなものだ」「スポットライトを浴びるようなものは全て、“君がやってくれ”って感じだった。そして、彼はいなくなる」
また、ジェフ・ベック・グループでウッドがギターからベースに転向したきっかけについて、「最初は僕とジェフが一緒にギターをプレイしていたんだ。(ロンドンのクラブ)マーキーだったか100クラブだったかでプレイしてたとき、(ディープ・パープルの)ジョン・ロードが“ギタリスト2人で素晴らしいサウンドだ!”って言ったんだ。(でも)ギタリストが2人いると、ジェフはジェフでいられない。だから、彼は“ベースをプレイしてもらっていいかな?”って言い出したんだ。僕にはうってつけだった。受けて立つって思ったよ」と話した。
ウッドとベックは2018年、ロンドンにあるジャズ・クラブRonnie Scott'sで開かれたチャック・ベリーのトリビュート公演で共演。これが彼との最後のパフォーマンスになってしまったという。ジェフ・ベックは1月10日、78歳で永眠した。
Ako Suzuki
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