【インタビュー】ファンモン、再始動後初アルバム先行シングル「YOU」リリース「肯定しあえる世の中でありたい」

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■二人のキャラは一番わかってるから

──共作の歌詞でも、気持ちを乗せることはできる?

ファンキー加藤:そうですね。「YOU」のサビの、“ほんとにほんとに”というリフレインのところとか、すごくいいなぁと思います。聴いてくれてる人との距離を、ぐっと縮めてくれるような。

モン吉:“ほんとに”が多いですよねって、川村さんに言ったら、“加藤さんがよく言ってるイメージがあるから”って。

ファンキー加藤:あはは。どうやらMCとかで、よく言ってるらしいです。

──そういうところまで汲み取ってる。さすが。

モン吉:“二人のキャラは一番わかってるから”と言って、一緒に作ってくれてるんで。

──リアルな歌詞ですよね。等身大というか、すごく繊細で優しい応援歌。

ファンキー加藤:“それでいいんだよ”って、肯定してくれるんですよね。思いを乗せやすい曲だなと思ったし、ファンの人、一人一人を頭に思い浮かべながらレコーディングしました。

──今の時代、誰かの意見を否定することで、マウントを取りたがる人って目につくじゃないですか。わかりあうんじゃなくて、押し付けるみたいな。

ファンキー加藤:確かに。誰かがやっていることに対して、ノーを突き付けることで、自分を主張するということは多いかもしれない。

モン吉:そういう感じは良くないよね。

ファンキー加藤:本当はね、ちゃんと自分の好きなもので主張したいですよね。肯定しあえる世の中でありたいです。

──同感です。“妬んでも、凹んでも、イヤになっても、それでいいんだよ”と歌ってる、「YOU」は全肯定の歌だと思います。でも、加藤さんにもあります? 妬みとか、そういう負の感情って。

ファンキー加藤:あー、同業者に対しての嫉妬心はもちろんありますよ。負けたくないという、プラスの気持ちとして。でもそれは、自分の力に変わっていってるものなので、マイナスにはなってないと思います。日常生活の中での負の感情も、なくはないですけど、俺は完全に体育会系の脳なんで、体を動かして発散しますね。大概のことは、1時間ぐらいキックボクシングをやれば忘れちゃう。体動かして、汗とともに流しちゃう。モンちゃんは、そういう感情なさそうだよね。妬みとか、そねみとか。

モン吉:妬みとかはないけど、忙しいのはイヤだとか、そういうのはある(笑)。そういう時は、自然の中に行く。焚火とか、キャンプとか。去年の夏、毎日川で泳いでて、そうすると、救われたなっていう気持ちになれるんで。暑い時期は川とか海で、水に流すってよく言うじゃないですか。

ファンキー加藤:海でシュノーケリングとか、してたよね。モンちゃん、水の中にいるのが好きみたい。

モン吉:で、寒い時期は焚火をする。水か火か。ここ何年かずっとそんな感じ。



──素晴らしいなぁ。水と火で、ネガティブな感情とか、煩悩とかを消し去っちゃう。

ファンキー加藤:確かにそれって、めちゃくちゃ人間の本能に近いよね。

モン吉:何かが落とされる感じがしますね。

──見習います。なるほど。スポーツでも何でも、そういう方法を持ってる人は、強く生きられるかもしれない。

ファンキー加藤:それが音楽であったら、いいですよね。別に僕らの音楽だけじゃなくて、音楽というものが、そういうものであってほしいなと思います。いろんな感情を浄化できたり、より輝かすことができたり、そのお手伝いができたらいいですよね。

──うまく収まりました。そして、「YOU」が2月15日にリリースされて、そのあと、3月29日にはいよいよ再始動後初のアルバムが出ます。先走って、ちょっとだけ質問しますけど、今、絶賛制作中ですか。

ファンキー加藤:はい。レコーディングも進んでます。

モン吉:ヤバそうなのは、あと3曲ぐらい?

──ヤバそうって何(笑)。

モン吉:できるのかな?みたいな(笑)。

ファンキー加藤:僕は今、歌詞で止まっちゃってて。音はだいたいできてるんですけどね。でもほら、我々は『ファンキーモンキーベイビーズ2』を乗り越えてるんで。あの時が本当にマックスだったんで。アルバムリリースに向けたインタビューをするのに、マジで1曲もできてないんですよ(笑)。1曲もない状態でインタビュー受けたことあります。

モン吉:何をしゃべればいいんだろう?って(笑)。

ファンキー加藤:シングル以外は全部未定なんですよ。それでインタビューやってくれって言われて、インタビュアーさんと相談しながら進めていきましたね。何曲かできてないことはあるけど、“さすがにここまではないです”って言われました。

──そのインタビュー、僕じゃなくてよかった(笑)。

ファンキー加藤:その後、3日に1曲ペースで作っていって、ギリギリ間に合わせたことがありました。それに比べれば余裕だし、今回はスケジュールのせいにできないから。制作期間はたくさんいただいてたんで。これから頑張ります。



──じゃあ、全貌を語るのは次の機会にして。どんな感触のアルバムになりそう?ということだけ聞いていいですか。

モン吉:全体的に、今っぽくしてるよね。“ファンモンだから”という枠は、シングルよりもアルバムのほうがゆるいというか、自由だから。なので、オケの感じは今っぽいものが多いよね。

ファンキー加藤:いい曲、できてますよ。ライブでちゃんと映えるような曲もあるし、抗ってるなって感じがします。我々、中堅ミュージシャンですけど、もっと若い人にとか、もっとたくさん聴いてほしいとか、そういう気持ちが強いんで。必死になって作ってます。再始動後に、夏フェスとか学園祭で、若い子たちがファンモンというグループを受け入れてくれるという、奇跡のような体験を多くしてきたんで、そこはしっかり頭に入れつつ。もちろん、今まで応援してくれてたBABYS(ファンの呼称)にもちゃんと満足してもらえるようなもので、両軸を大切にしながら作ってますね。

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