【対談】Rest of ChildhoodのHAL × 漫画家のふるかわしおり、共鳴する異業種と増幅するシナジー「曲を聴いたときにキャラクターが無理なく動いていく感覚」

■これ、いいでしょ？って
■自信を持って言えるイラスト

──ふるかわさんにとってHALさんは、エネルギーをもらえる存在ですか？

ふるかわ：私はずっと家で漫画しか描いてこない生活を送ってきたから、さっきHALくんは「漫画家ってカッコいいと思うようになった」と言ってくれたけど、逆に自分は、外に出て活躍する人たちを尊敬しているんですよ。作品を自分と一緒に発信できて、喜んでもらえるってカッコいいことだと思う。私がライブに行く理由って、音楽はもちろん好きなんですけど、バンドを観に行く人たちを見ることが大好きだからで。女の子たちを“キャーッ！”っていう気持ちにさせるのってすごいなと思うし、幸せでしかない空間だなって。

HAL：そう言われたら嬉しいけどね。

ふるかわ：もちろんステージの熱やクオリティは自分の中に残るんだけど、同じぐらいフロアの人たちの盛り上がりから力をもらって。家に帰ったら“また仕事、頑張ろう！”っていう気持ちになれる。

HAL：共通点もあるけど、視点も性別も違うから面白いのかもね。しおりちゃんはクリエイティヴな部分で刺激を受ける、欠かせない友達。ライブに関してもいろいろなことを聞いてきたり、意見を言ってきたりするんだけど、考え方の違いを知った上で付き合えているのは美しいなと思う。


ふるかわ：気になったことはつい訊いちゃうんですよ。Rest of Childhoodは“放課後”をテーマにライブをしているけど、“開演前に学校のチャイムを鳴らして放課後がスタートするイメージ”なのか、“学校が終わる前にライブをやっている設定で、終演の時にチャイムを鳴らして「また明日、会おうね」ってバイバイする感じ”なのか、どっちなんですか？とか。

HAL：そこまで深く考えてライブでチャイムを鳴らしてなかったからね（笑）。だけど、しおりちゃんがSNSで「レスチャはライブの後に学校のチャイムが鳴るよ」って発信してくれたり。

ふるかわ：コンセプトとか訊きますね。

HAL：プロデューサーみたいだよね。

ふるかわ：LINEで訊いても返事がこないんですよ（笑）。基本、レス遅いからいいんですけど。

HAL：それこの前、Takuya (Dr)とu:zo (B)からも怒られたんで、今、けっこう繊細な話題なんだよ（笑）。どう返すか？自分の中で3パターンぐらい浮かんじゃって、考えこむことがあるんだよね。会って話したら早いんだけど。

ふるかわ：だから、絶対に訊きたいことは何回も言ったりして。

HAL：自分が関わっている以上、みんなをハッピーにさせたいっていう想いはあるから、相手のことを思えば思うほど返信の言葉を考えちゃう。結果、結局、誤解を生むんだけど（笑）。


──ははは。今後もコラボする機会がありそうですね。

ふるかわ：少し前に映画や小説(『恋と友情のあいだで』)のコミカライズのお仕事をさせていただいた時があったんです。その時は“原作の100%を私が100％で返せるかな？ 自分の力は足りているかな？”っていう気持ちがあった上で、全力で取り組んだんですね。でも、今回の「MILK」に関しては、「これ、いいでしょ？」って自分が自信を持って言えるものをイラストにぶつけたので、ジャケットに関しても「かわいくない？」って言えるものができました。もともと自信がないタイプで、胸を張ってそう言えることってあまりないんですけど、カッコいいデザインにしていただけたし。たくさんの人に聴いていただいて、Rest of Childhoodのライブに足を運んでもらえたらいいなと思っています。

HAL：逆も然りだね。Rest of Childhoodが引っ張っていって、ふるかわしおりの作品をもっと知ってもらえたらいいな。

取材・文◎山本弘子
撮影◎野村雄治







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