いい音爆音アワー vol.132「一人で何でもやる人♪特集」
いい音爆音アワー vol.132「一人で何でもやる人♪特集」
2022年10月12日(水)@ニュー風知空知
レコードというものは、昔は生の演奏を録音することしかできなかったんですが、いろんな器械の発明および進化により、できることがどんどん広がっていきました。中でも、音楽のつくり方に、特に大きな変化をもたらしたものが2つあります。一つはマルチトラック・レコーダー。複数のトラック(チャンネル)に別々の音を録音できるので、たとえば、誰かひとりが1箇所だけ間違えてしまった時、以前だったらみんなでもう一度やり直さなければならなかったのが、その人がその部分だけ直せばよくなった。必ずしも全員で一緒に演奏しなくてもよくなったし、さらにはいろんな楽器を演奏できる人なら、一人でバンドの音もつくれるようになりました。4トラック・レコーダーが普及したのが60年代ですが、徐々にトラック数が4→8→16→24→48と増えて、ハードディスク・レコーディングならメモリー容量の許す限り、無制限です。
もう一つは、70年代の終わりからですが、コンピューターですね。演奏データをプログラミングして、コンピューターでシンセサイザーを演奏させることができるようになりました。人間にはできない正確さで、どんなフレーズでも演奏できるし、疲れを知らない。さらにサンプラーができてからは、生楽器の音だってコントロールできるようになりました。こうなると極端な話、楽器を演奏できない人でも、一人で音楽をつくることが可能だということです。
こうして、「一人で何でもやるアーティスト」が増えていきました。今回はそういうアーティストの名曲・名盤を集めました。
また今回は、特別トークゲストとして、やはり「一人で何でもやる人」で、ちょうどイベント当日の10月12日に、9年ぶり5枚目のアルバム『宇宙的』をリリースした村上ユカさんをお招きしました。
ふくおかとも彦 [いい音研究所]
- ①Les Paul & Mary Ford「How High the Moon」レス・ポールは元祖「一人で何でもやる人」。自ら機材を開発して多重録音をおこなった♪
- ②Boston / Tom Scholz「More Than a Feeling(宇宙の彼方へ)」レーベルを騙してでも、一人でやりたかったトム・ショルツ。
- ③Mike Oldfield「Man in the Rain」「Moonlight Shadow」のドラムをサンプリングして使用した後継ソング。
- ④Lenny Kravitz「Again」ギターとドラムができる人は、一人でやる傾向が強い?
- ⑤岡村靖幸「どぉなっちゃってんだよ」プロ用スタジオを使わざるを得ない時代。一人でやると却ってコストがかかった。
- ⑥Prince「When Doves Cry(ビートに抱かれて)」19歳のデビューからセルフ・プロデュースは異例だったが、ほんとは一人より誰かとつくるほうが好きだった?
- ⑦大橋トリオ「RAINYDAY」作詞以外は何でもできるけど、実際一人でつくったのはデビューより2アルバムのみ。
- ⑧村上ユカ「夕陽トロピカル」テクノポップと下町姐さん感の共存が楽しい、村上ユカの代表曲のひとつ。
- ⑨細野晴臣「PLEOCENE」村上ユカが高校の受験勉強中に聴きまくった、愛するアルバムより。
- ⑩村上ユカ「宇宙的」/ ⑪村上ユカ「地球アトラクション」ここ9年の人生がつまったニューアルバム『宇宙的』より、本人が2曲を選曲。
- ⑫Paul McCartney「Every Night」アルバム『McCartney』シリーズはすべてポールの一人レコーディング♪
- ⑬山下達郎「世界の果てまで」仲間といっしょにつくる時と、一人で全部やる時と。その区別の理由は何?どちらも完璧ですけどね。
- ⑭Perfume / 中田ヤスタカ「ポリリズム」ワンパターンなのに飽きさせない中田ヤスタカの天才♪
- ⑮冨田ラボ「私の夢の夢 feat. 原由子」ギターもキーボードも上手いが、ドラムの打込みは間違いなく世界一だと思う♪!