いい音爆音アワー vol.131「とりあえずディスコ♪特集」
いい音爆音アワー vol.131「とりあえずディスコ♪特集」
2022年9月14日(水)@ニュー風知空知
1978年から1980年の3年くらいは空前のディスコブームでした。新宿歌舞伎町と六本木はどこもかしこもディスコだらけで、それらがすべて、毎週末には超満員になりました。で、特筆すべきが、ポップミュージック史上とても珍しいのですが、ディスコの店自体がメディアになったこと。つまり、ラジオやテレビや雑誌で取り上げられなくても、店で何度もかけられることでレコードが売れたんです。
だから聞いたことのないアーティストでも、曲が気持ちよく踊れて、ディスコDJがプッシュすれば、ヒットする可能性がありました。「怪僧ラスプーチン」(1978)、「今夜はブギウギウギ」(1978)、「ジンギスカン」(1979)など、ディスコの現場から生まれたヒット曲がたくさんありました。
だからヒットチャート、特にシングルチャートは、ほとんどディスコものという状態になりました。困ったのが中堅のロックバンドとかポップス歌手とか。それまでのスタイルだとさっぱり売れなくなってしまったので、背に腹は代えられないと、見様見真似でディスコサウンドに挑戦したアーティストたちも大勢いました。ヒットのためには「とりあえず、ディスコサウンドで行くか」って感じだったんですね。なので、私はそういう作品群を「とりあえずディスコ」と呼んでいます。
ふくおかとも彦 [いい音研究所]
- ①The Rolling Stones「Miss You」ミック・ジャガーとロン・ウッドは「ディスコだと考えてつくってはいない」と主張し、キース・リチャーズは「ナイスなディスコ・ナンバーだよ」と。
- ②Rod Stewart「Da Ya Think I'm Sexy?(アイム・セクシー)」プロデュースがトム・ダウド。ロッドよりも彼がディスコをやったことのほうが驚き。
- ③Kiss「I Was Made For Lovin' You(ラヴィン・ユー・ベイビー)」昔はバカみたいな曲だと思ってましたが、今聴くと、ビートは気持ちいいし、サビの最後のハモがいいですね♪
- ④西城秀樹「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」新宿のディスコDJ連盟主催の月例プッシュ曲プレゼン会議で、ヒデキがこの曲をカラオケで歌った現場にいました…。
- ⑤Maiya「Dancin' in the Wonderland(ワンダーランド)」そのディスコDJ連盟の後押しで、私が初めて制作を担当したのがこの曲です。
- ⑥中原理恵「東京ららばい」筒美京平(作曲・編曲)ディスコ・シリーズ、その1
- ⑦桜田淳子「リップスティック」筒美京平ディスコ・シリーズ、その2
- ⑧岩崎宏美「シンデレラ・ハネムーン」筒美京平ディスコ・シリーズ、その3
- ⑨キャンディーズ「わな」最後から2枚目のシングル。唯一、ミキがメインボーカルの曲。大人びたディスコ。
- ⑩George Benson「Give Me the Night」ジャズ畑からの「とりあえずディスコ」。プロデュース:クインシー・ジョーンズ、作詞・作曲:ロッド・テンパートンの黄金セット。
- ⑪Herbie Hancock「Go for It」ジャズ界のこの巨匠も、ちゃんと歌入りのイキのいいディスコを。
- ⑫Chaka Khan「I'm Every Woman」「とりあえずディスコ」だけど、素晴らしいサウンドとボーカル♪ Arif Mardinプロデュースです。
- ⑬Olivia Newton-John「Physical」8月8日に亡くなられました。オーストラリアの国葬になるそうです。R.I.P.
- ⑭Elecric Light Orchestra「Last Train to London(ロンドン行き最終列車)」堂々と「とりあえずディスコ」で、アルバムは最大ヒットに。
- ⑮Bee Gees「Night Fever(恋のナイト・フィーバー)」60年代のイメージからしたら「とりあえず」。実は映画への曲提供も「とりあえず」だった!
- ⑯Earth, Wind & Fire with the Emotions「Boogie Wonderland」それまではファンクだったので「とりあえず」…ちょっと、ムリヤリか…。ともかく最高峰のディスコ・グルーヴです♪