【インタビュー】ベリーグッドマン、あたたかいユーモアや大人の余裕の中に燃え盛る若い情熱をしのばせた『すごいかもしれん』

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言葉のインパクトの強さに負けず、あたたかいユーモアや大人の余裕の中に、今なお燃え盛る若い情熱をしのばせた、ベリーグッドマンの新境地。TEPPAN MUSICからの3作目のフルアルバム『すごいかもしれん』は、ヒットチューン「花束」「雑草」「いい気分」をはじめ、グループ結成以前にさかのぼる思い出の曲から、初となるラップオンリーの楽曲など、これまで以上にバラエティに富んだ充実の仕上がり。初めての制作合宿、昔の仲間とのエピソードなど、楽曲と同じくらいにバラエティに富んだインタビューという名のトークショー、お楽しみあれ。

■ストックがあるから次にそれを出そうというよりも
■ここをめがけていこうという感じで今回は作っていきました


――今年これまでに出した3枚のCDシングルは、ラブソングの「花束」、応援歌の「雑草」、チル系の「いい気分」と、バラエティに富んだ、良い流れで来ていますね。

MOCA:みんなで相談していく流れが多いんですけど、ヒデが言っていたのは、アルバムに向けて先行で出しすぎるよりも、1曲1曲しっかり届けていこうということで。「花束」をしっかりと浸透させつつ、「雑草」と「いい気分」を出して、あとはアルバムのリード曲ぐらいでいいという打ち合わせをして。そこから「雑草」を作るために初めて制作合宿をして、それとの対比でちょっと夏っぽい曲を作りたいということで、「いい気分」を作ったということです。その流れはみんなで話しあって、ストックがあるから次にそれを出そうというよりも、ここをめがけていこうという感じで今回は作っていきましたね。


▲Rover

――「雑草」のための合宿は、どんな感じでした?

HiDEX:何ができるかわからんけど、行ってみたら何かできるだろうということで、淡路島に行って、その場で生まれたものを形にしようと思っていたんです。いつもは家にこもって作っているので、曲のイメージや歌詞はいつもよりふくらんだと思います。朝から晩まで一緒にいたので、いつもよりも3人の気持ちが一つになった気がします。

Rover:行ってよかったですね。

MOCA:「雑草」はタイトルから作り始めたんですけど、部屋に入ってセッティングして、パッと外を見た時に、「雑草」というタイトルが浮かんだんです。そこの芝生が雑草まみれだったんで。

Rover:一軒家だったんですよ。宿泊サイトで見たら、海のそばって書いてあったんですけど、まず海がけっこう遠くて。

HiDEX:戸を開けたら全部緑で、海がまったく見えない。

MOCA:トイレから見るのが一番海の景色が良い(笑)。でも「雑草」というのは新しい切り口でしたね。淡路島に行ってなかったら、このタイトルになってなかったかもしれない。

HiDEX:確かにな。



――良いテーマですよね、応援歌として。かつて「雑草魂」と言った野球選手もいましたし。

MOCA:上原浩治選手ですね。

――ベリグらしいテーマだなと思いました。逆境をばねにする応援歌というか。

MOCA:でも、アルバムの曲が完成に向かっていく中で、Roverが「もう一回合宿に行かへんか」と言ったんですけど、HiDEXと僕は「いや、もうええと思うで」と(笑)。

Rover:ただ行きたかっただけなんですけどね。合宿がめちゃ面白かったから。

MOCA:合宿という名の、曲を作ってる時間より飲んでる時間のほうが長かったから。それは僕たちにとってすごい大切な時間でした。

Rover:全部は覚えてないけど、飲んでる時とか、ベリーグッドマンのことをしゃべるわけじゃないですか。次の目標はこうしようとか。曲を作ることよりも、そっちのほうがいい時間だったかもしれない。


▲MOCA

――その次に作ったのが「いい気分」ですか。

MOCA:「いい気分」は、Def Techとずっと一緒にやっているNagachoさんというギターの方とヒデが一緒に作っています。かなりハワイアンなテイストで、海で恋人や友達と過ごしてる感じのサウンドだなというところから「いい気分」というタイトルが出て来ました。そもそもNagachoさんとヒデが共作すること自体、俺たちからしたらすごいことなんですけど。

HiDEX:Def TechのMicroさんが、「ヒデ、Nagachoと曲を作りなよ」と言ってくださって、僕も本気にしちゃって、すぐ電話して。Nagachoさんは「この忙しい時に、またMicroがめんどくさいことを言いやがって」と思っていたらしいですけど(笑)。いざ制作が始まると、思ったより意気投合というか、二人とも技巧派というよりはフレーズを大事にしたいタイプだったので、二人でフレーズを弾き合いながら、テンションが上がって、後半は二人ともずっと立っていましたね。

MOCA:LAの作り方やん。

Rover:海外やな。



HiDEX:「ええもんできましたねー」って。そこでまずラフを作って、一旦家に帰って、次に行ったらもう完成していたから、すげぇなと思いました。

Rover:「いい気分」という曲は、もともと応援歌にするつもりだったんですよ。ラフミックスが届いた時に、僕はニトリにいたんですけど、ダッシュで車に戻って、イヤホンつけて、カートを押しながら聴いて…「これが応援歌になったら革命が起こる」と思いました。何度考えても、応援歌にするのは難しかったです。


▲HiDEX

――あはは。こんなにも心地よい、チル系の曲ですからね。

HiDEX:応援歌を作りたいんですと言って、仮タイトルも「パワー」にしてたんですけど。僕もできあがったのを聴いて、これは「パワー」じゃないなと(笑)。

MOCA:Nagachoさんなりのパワーソングという意識でやってくれたんですよね。自分たちとはまた違う解釈なのが面白かった。

Rover:確かに、ハワイのパワーストーンとかパワースポット的なイメージは浮かんだんですけど、人を勇気づける歌詞を書くのは難易度が高かった。でも最初に応援歌だと思って作っていたから、できた曲ではあるので。メロディとかは。

HiDEX:確かに。Nagachoさんと僕の熱い部分は、そこだったのかもしれない。

MOCA:最初にラブソングを作ろうと言っていたら、あのフレーズはなかったかもしれない。「雑草」を作る前に「いい気分」のトラックはあって、僕も最初に聴いた時に応援歌は絶対無理だと思ったんですけど、絶対に良い感じで持っていける曲だと思ったんで、できて良かったです。「雑草」ができてなかったら、無理やり「いい気分」が応援歌になっていたかもしれない(笑)。

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