【インタビュー】超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』草薙理解役・山中真尋が語る『カリスマワールド』

■「カリスマ」は受け入れ態勢を持って見るとギュンギュン吸収できる

──そして、新曲以外の7人でのユニット曲についてもお伺いさせてください。

山中：「めちゃめちゃカリスマ」は自己紹介曲。やっぱり1番最初に聴いてもらうのにいい曲です。聴いた感想としてはきっと「なんだこれ……」だと思うんです（笑）。でも、それが正解なので安心してください。「カリスマ1週間」はサラッと聴くとめちゃめちゃかっこいい曲。ただこれも、歌詞としっかり向き合うと「何を歌ってんだ？」と思うかも。「おつカリスマ！忘年会」は、理解くんらしさがよく出ている曲。1年の締めくくりにはちゃんとしましょうねってリードしてますから。理解らしさを味わえると思います。



──さらにブレイク状態での会話劇にも注目です。通常状態との違いはどう楽しむのがおすすめですか？

山中：これから『カリスマ ワールド』を聴く方はこの部分はまだ読まないでほしいのですが、カリスマブレイク状態の7人って、お互いに認め合っているんですよ。僕はそこがすごくエモいなって思っていて。ちょっとグッと来るものがあるというか、通常状態を知っているとほっこりすると思うんです。そこは楽しめるポイントかなぁ。

──たしかに、ソロ曲が終わると全員拍手していますよね。

山中：そう、そう。「さすが◯◯〜」って。反発のカリスマでさえもそうなんですよね。カリスマブレイクだから、カリスマの部分が壊れてそうなっちゃってるんでしょうか。反発のカリスマがブレイクして反発しなくなったり、自愛のカリスマがブレイクして周りの人を認めてたり。

──ブレイク状態って、もっとエンジンが掛かった状態になるのかと思っていました。

山中：僕もそう思っていたんです。理解だったらよりガチガチになるのかなって想像していたら、認め合っていて。カリスマブレイクするきっかけもバラバラですし、いろいろ考えられるのが面白いですよね。ただ、結局「カリスマブレイクってなんぞや」というのは謎のままかもしれない（笑）。

──そしてもう一つ、「ケツパラガス選手権！」もCDのみに収録されているお楽しみコンテンツです。皆さんとても楽しそうにチャレンジしていましたが、ドラマ収録の現場もワイワイした雰囲気なのでしょうか。

山中：この現場で初めましての方も多いんですけど、僕はとてもいい関係だと思っています。後輩の方々は気を使っている部分ももちろんあるんでしょうけど、それでも細田くんなんかは生放送中に「これだから年寄りは」みたいなツッコミを入れてくれたりしますしね。でも、細田くんは実に好青年なので、生放送後に「先程は失礼しました」って謝りに来てくれるんですよ（笑）。そういったことが言い合える温かい雰囲気の現場です。「ケツパラガス選手権！」でも細田くんがだいぶイジられキャラになってましたよね。だんだんポジションが確立されていくのも面白いです。

──皆さん、どんなポジションなのですか？

山中：日向くん（日向朔公）のことはみんな大好きですごく大切にしています。「ケツパラガス選手権！」でも、元気くん（大河元気）がめっちゃ日向くんを大切にするじゃんって言われていますけど、僕も「わかる」って思っています（笑）。あとは、和気あいあいとやってはいるのですが、（小野）友ちゃんくんがセンターとして「こうしよう」、「ここは気をつけよう」っていい塩梅で緊張感を忘れさせないでくれるんですね。彼が座長を務めてくださっているのも大きいです。元気くんは視野が広いので友ちゃんのサポートもしつつ、周りを盛り上げてくれていて。実に頼れるメンバーばかりです。

──皆さんとのやり取りで印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

山中：収録中、ふみやがたどたどしくなっちゃうシーンがあって。大河元気くんが小野くんの芝居に絶えられず、セリフ中に笑っちゃったんです。それで収録が止まったんですけど、元気くんが「危なかった〜」って言っていて。「なんでセーフだと思ってんの！？　セリフ中に笑ったんだから、絶対NGでしょ！」って僕がツボっちゃったことがありました。あれは面白かった。しかも、笑っちゃってもそれがリアルだよねって実際セーフだったんですよ。そんな風に、許される現場なんですよね。多分元気くんも他の現場だったら、「セリフ中笑っちゃってごめんなさい」って言ったと思います。それと、みんなアドリブがどこまで許されるか試しています。既に公開されているドラマの中にも、アドリブはガンガン入っていますよ。特にガヤのシーンは大体アドリブ。制作の方々もやりすぎてダメならダメってちゃんと言ってくださるし、物足りなかったらリテイクしようって言ってくださるし。すごく信頼できる方々と作品を作れていると思います。


──とてもいい関係性ですね。登場するキャラクターもとても個性豊かです。全員が「自分だけが常識人」と思っているようにも見えるのですが、山中さんはどのキャラクターが一番常識人だと思いますか？

山中：（食い気味に）理解ですね。即答しちゃった（笑）。例えば、『カリスマ ワールド』の宣伝用の音声も収録しているんですが、理解が1番ちゃんと宣伝しています。テラくんなんてタイトルも違うし、「告知になってる？」っていうようなことをしますけど、理解は言わなきゃいけないことを全部言っていますから。あとは僕自身が理解に近い一面を持っているので、そう思うのかもしれません。学生時代、部長やクラス委員長をやってきていて。今でこそ「融通が利くところは利かせていこうよ」って思うようになりましたけど、学生時代は「君はなんで遅刻しているんですか？」っていうタイプでした。

──もはや理解じゃないですか！

山中：あはは！　通っていた専門学校が2クラスあったんですけど、隣のクラスの人から「もう1つのクラスでは遅刻すると山中さんに怒られるらしいよ」って噂されていたんです。「みんなで集まって練習しようって言っているのに遅刻してきたら迷惑だよね」って指摘したくらいなのに、すごく厳しいクラス委員長がいるって思われてて（笑）。そう考えると理解っぽいところがあるのかもしれません。


──理解は山中さんが演じるべくして生まれたキャラクターかも、とすら思えてきます（笑）。まだまだ謎がある「カリスマ」ですが、山中さん流の楽しみ方をお伺いさせてください。

山中：こういうものだと思って、受け入れ態勢で楽しむことですね。自分のカリスマ性が変な方向に出ちゃっている時以外はみんな常識人だったりするんですよ。例えば、テラくん（テラ／CV.大河元気）や猿川なんかも実はすごく仲間思いだったりする。かと思えば、遭難している人を見捨てようとしたりだとか。理解くんなんてわかりやすいですよね。猿川には厳しいのに、大瀬くん（湊大瀬／CV. 日向朔公）に対しては「一緒に遊ぼう」って最初から言っていたり。人を選んでいる感じが実に人間らしい。多面性があるんですけど、キャラブレしているように感じないのが「カリスマ」のいいところ。心の多重構造みたいなものがわかりやすく描かれていると思います。なので、受け入れ態勢を持って見るとギュンギュン吸収できるんじゃないでしょうか。

──それでは最後に、『カリスマ ワールド』を聴く方へのメッセージをお願いします。

山中：作品がスタートしてちょうど1年くらい経ちました。お陰様で週2回ドラマを配信して、毎月生配信させていただいていた時期もあって、そして今回アルバムがでて、イベントまで開催させていただける。これは応援してくださった皆様のおかげで、心から感謝です。本当に謎の多いコンテンツで、どうなっていくのか僕らもわかっていない状態ですので、まだまだ楽しみが詰まっていると思います。これからも一緒に楽しんでいただけたら嬉しく思います。正しいこと最高！

取材・文◎高橋梓
撮影◎いわなびとん