【インタビュー】NOCTURNAL BLOODLUST、8年ぶりアルバムに極上の密度と難易度「死角なし。向かうところ敵なし」

■これをライブでどう演奏するの？と思うはず
■でも俺らはそれを生でやるよっていうバンド

──ボーカルではフィーチャリングという形で、「Cremation」ではPromptsのPK、「Straight to the sky」では元The Winking OwlのLuizaが参加しています。どういう経緯で決まったものですか？

尋：「Cremation」は時間を掛けて作っていて、ブレイクダウンが2回ぐらい出てくるんですけど、おもしろい展開もできそうだなと思って、フィーチャリングしてみようと。最近、対バンやった中でPromptsのPKの声がすごく良かったんですよ。PKも承諾してくれて、そこからPK用のボーカルラインとかを作って、すぐに彼に投げた感じですね。Luizaさんは、「Straight to the sky」を作曲したYu-taroから出てきたアイデアです。

Yu-taro：シャウトと女性ボーカルが絡むアプローチは、意外にもNOCTURNAL BLOODLUSTでは今までやっていなかったんで、一度、やってみてもいいんじゃないかって。「Straight to the sky」の雰囲気にも合いそうだったから、こういうメロディを女性ボーカルに歌ってみるのはどう？ってアイデアを投げたんです。

Masa：自由な発想でやるのがいいんですよ、あんまり枠にはめたくないんで。ValtzやYu-taroにも言ったんだけど、NOCTURNAL BLOODLUSTとか意識しなくていいから、各々やりたい曲を自由に作ってくれればいい。そっちのほうが絶対におもしろくなるから。特に日本人は枠にはめたがるけど、やってる音楽は、枠からはみ出るジャンルなんで。常識は度外視してもらって、ブッ飛んでていいというか。わがままでいいから、やりたいことをとことんやってくれという感じですね。楽曲やアレンジだけでなく、全てのパートにおいてもそう。変なテンプレートみたいなものは、NOCTURNAL BLOODLUSTにはいらない。Luizaさんのフィーチャリングも、自由な発想があったうえで生まれたアイデアだったんで。結果的に、メンバー5人が自由にやっているいいアルバムになったなと思いますよ。


──好き者は発狂するレベルのアルバムというほうが正しい（笑）。すでに公開されたミュージックビデオ「Cremation」には、海外の好き者たちが大騒ぎでコメントを書いているじゃないですか。

Masa：海外からの反応がめちゃくちゃいいんですよ。ミュージックビデオは、映像のイメージがValtzにあって、俺にもいろいろあったんで、うまく共有して、イメージに合うロケーションを探してもらって。

──ミュージックビデオの仕上がりは映画的ですね。

Natsu：みんなそう言ってくれます。聴く映画みたいな感じだって。

──アルバムのスペシャル盤は、インストゥルメンタルアルバムとDVDも付いた3枚組です。インストゥルメンタルアルバムが曲順や曲アレンジまで映画のサントラのように感じましたが？

Masa：全てにおいて密度の高いものを作りたいと思っていました。世の中には甘っちょろい作品が多いんで。いろんな音楽がありふれている中で、ここまで尖りまくった作品を出してもいいんじゃないかなと。で、なおかつ好き放題にやりましたっていう濃さ。基本的には抗う精神でバンドをずっとやっているんで、そういう作品にもなってます。


──5月7日の柏Domeを皮切りにツアー＜THE AWAKEN TOUR 22＞がスタートします。それを前にした今は、気持ちの高ぶりが抑えきれないという感じですか？

Masa：楽曲のレベルを1ランク上げたんで、ライブも1ランク上げたい。そのために対バンという形のツアーにしたんです。2022年、NOCTURNAL BLOODLUSTがより強くなれる年にしたいなと思って、戦う相手がいるほうが刺激になるんで対バンツアーを組んだんです。今はライブにおける表現力をリハーサルしながら作っている段階です。めちゃくちゃ作りまくって完璧にして、対バン全部をブッ倒したいなって感じですね。

Yu-taro：楽しみにしていてください。

Valtz：海外進出も含めて、視野を広げていく第一歩のツアーになると思うので、最初の一歩目を観に来てほしいですね。

Natsu：フロアが暴れられる状態が待ち遠しいのはもちろんだけど、今回のアルバム『ARGOS』は会場で生体感するだけでも楽しめるだろうなと。目の前で僕らが『ARGOS』を演奏しているだけで、たぶん感動させられるんじゃないかなって。自信に満ち溢れている半面、表現力をどこまで高められるかが課題だとも思っている。耳も身体もブッ飛んじゃうと思うので、心して観に来てほしいですね。

Masa：アルバムを聴いた人は、これをライブでどうやって演奏するの？って思うはずなんです。ドラムはヤバいし、ギターもヤバいし、どれもヤバい。でも俺らはそれを生でやるよっていうバンドなんで。ぜひ、どうやって再現するか、まず確認するために来てほしいですね（笑）。

Natsu：このアルバムを再現するバンドがここに実在するんだっていうのをね（笑）。

尋：自分にとってこのアルバムが新しいNOCTURNAL BLOODLUSTとしての1枚目だと思っているんで。文句言うヤツは、いい加減頭をリフレッシュして、普通に今のNOCTURNAL BLOODLUSTとして聴いてもらえれば、それで充分ですよ。

取材・文◎長谷川幸信







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