【インタビュー】MUSIC BAR BOUNCE、「新たな音楽や人との出会いが生まれるサードプレイスにしたい」

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2022年3月1日(火)、渋谷にオープンした「MUSIC BAR BOUNCE」は、ヒップホップを中心にソウル、R&B、レゲエ、ダブ、ファンク、ジャズ、ハウス、アマピアノなどの黒人が生み出してきた様々なブラックミュージックの奥深さと無限の可能性を、幅広い人に楽しんでもらうためのサードプレイス的存在だ。

そんな上質で大人の空間を作り出したのは、RECORD BAR analogを経営する松鶴隆弘だ。姉妹店となる「MUSIC BAR BOUNCE」はどんな意図のもとオープンするに至ったのか話を聞いた。

◆「MUSIC BAR BOUNCE」 関連画像


──この度はオープンおめでとうございます。今回のお店の構想は何年かかったのでしょうか?

松鶴 ありがとうございます。お店の構想は1年ぐらいかかりました。

──お店のアイディアやオープンする動機はなんだったのでしょうか?

松鶴 16年間渋谷のナイトシーンを見てきましたが、今の東京には夜の遊び場が少ないと感じてました。それに営業時間の短縮要請があり、渋谷の夜の街に人通りが全くなくなった時期もありました。 閉業した店も出てきて、空きテナントも増えたりといった光景を目の当たりして、以前より静かになってしまった渋谷のナイトシーンを私なりの表現の仕方で盛り上げたいと思ったのがオープンの動機です。

──1店舗目のRecord Bar analogができて4年目です。このエリアの特徴や素晴らしいと思うこと、またどんどん変化していくところなど教えてください。

松鶴 この渋谷百軒店エリアはここ4年で雰囲気が相当変わりました。クラフトビールの「Mikkeller Tokyo」を中心にシーシャBAR・カフェ・焼肉屋・カラオケスナックなど色のある個性の強いお店が増えてきてとても魅力的だと思います。女性でも通りやすいエリアに変わっていった印象です。

──「MUSIC BAR BOUNCE」は、基本的にジャンルはブラックミュージック全般でしょうか?

松鶴 新旧問わずヒップホップをベースにソウル、R&B、レゲエ、ダブ、ファンク、ジャズ、ハウス、アマピアノなどのブラックミュージックが基本になります。

──お店の象徴となる店名、グラフィック、ステンドグラスなどについて教えてください。

松鶴 店舗ロゴとステンドグラスのデザインには水曜日のカンパネラ、KOHH、KANDYTOWN、YENTOWN、BADHOPといったアーティストのCDジャケットを手がけたことでも広く知られるイラストレーターの上岡拓也君に書いていただき、店内壁面のグラフティーはPUNPEE「タイムマシーンにのって」のMVをはじめ、数々の映像作品を監督したことでも知られる「ヒップホップ何でも屋」であり、特殊情報機関・Ghetto Hollywoodを主宰しヒップホップ漫画『少年・イン・ザ・フッド』でお馴染みの漫画家でもあるSITEさんに描いていただきました。


──全体の内容やサウンドシステムについて特徴を教えて頂けますか?

松鶴 サウンドシステムには<FUJI ROCK FESTIVAL>や<Labyrinth>など世界各地のクラブや音楽フェスで活躍するFunktion-Oneを導入しています。あくまでもクラブでなく“MUSIC BAR”なのでうるさすぎないボリューム感で居心地の良い空間を意識しています。

──ドリンクも素晴らしいと聞きました。どんな種類のカクテルやドリンクなど教えてください。

松鶴 ドリンク類に関してはスタンダードカクテルから、スヌープ・ドッグのGIN and Juice、2パックのHennesy、サイプレス・ヒルのTequila Sunriseなど、さまざまなお酒を題材にした曲からインスパイアされたオリジナルカクテル、ブルーノ・マーズのラム・ブランド “セルバレイ”を使用したオリジナルモヒート、ディディが広告塔のウォッカ・ブランド“シロック”を使用したカクテルなど、ブラックミュージックに密接なお酒を使用したりしています。

──オープニングのDJも豪華でしたが、今後はどんなラインナップになるのでしょうか?

松鶴 LAのインターネットレーベル“SOULECTION”のstarRo、YUKIBEBや KANDYTOWN、SUMMITなどの東京を代表するクルーやTAJIMAHAL、KMなどのプロデューサー/トラックメーカーなどを予定しています。先々ですと海外アーティストも視野に入れてブッキングを考えています。


──ここは他店とは違うというところは? またプロデュースやオーガナイズとは別の側面である経営者としての役割や信念、美徳、行動指針など宜しければ教えてください。

松鶴 気軽に一人で立ち寄れたり、待ち合わせに使えるような安全で安心な東京ナイトシーンの遊び場作りを目指しています。お酒を飲んで、大きい音が流れていると大騒ぎしてしまう人やマナーが悪い人が多くなってくるのでお店側でしっかりコントロールすることが必要だと思っています。

──DJ、BGM、ダンス、お酒、サービス……松鶴さんは今後お店をどうして行きたいですか? またどんなお客様にMUSIC BAR BOUNCEを体感してほしいでしょうか?

松鶴 クラブへ行かないブラックミュージック好きが楽しめるお店にしたいですね。音楽体験の場が減った東京で、新たな音楽や人との出会いが生まれるサードプレイスにしたいと考えています。


──最後にアルバート・。アイラーは「音楽は宇宙の癒しの力である」と言っています。松鶴さんは今の時代に音楽をどう捉えて、発信して行こうとしているのでしょうか?

松鶴 日々生まれてくる、新しい良質な音楽や次の世代にも受け継いでいきたい音楽に少しでも光があたるような役目になれればいいなと考えています。


「MUSIC BAR BOUNCE」

OPEN 21:00〜
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2丁目19−12 東洋道玄坂ビル2階

◆「MUSIC BAR BOUNCE」Instagram
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