【コラム】SixTONESが歌い上げる、自分達の存在意義
同じ夢を持ち、運命的に引き合わされたメンバーと共に、様々な試練を乗り越え、上を目指す。でもそれは、SixTONESにとっては、誰もが分かりやすく、目に見える“頂点”ではない。それは、唯一無二の存在であることなのだ。
ニューシングルのタイトル曲である「共鳴」にて、彼らは、そんな自分達の“存在意義”を声高らかに歌っている。過去に「フィギュア」で“代替不可であれよ”と歌っていた彼らは、少しの時間が経った今、この曲で“代わりなんていない 僕ら”と歌い上げている。大きな自信と、少しの過大評価を自分達の胸にお守りのように抱き、真っ直ぐに“今を生き抜くだけ”と歌う曲は、まさに、ボーイズグループが多く登場し、その中でも異彩を放ち、2022年を生き抜く彼らの宣戦布告のようにも聞こえて、気持ちがいい。
◆ジャケット
▲初回盤A
原作/高橋留美子「犬夜叉」(小学館 少年サンデーコミックス 刊)
(c)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020
原作/高橋留美子「犬夜叉」(小学館 少年サンデーコミックス 刊)
(c)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020
▲初回盤B
とはいえ、彼らにはいい意味でどこか緊張感がまとわれている。思い通りにならなかったことなんて、数えきれないくらいあったことだろう。だからこそ、“僕らには僕らにしか出せない共鳴で(中略)踊るわ”と断言し、“正気じゃないかもしれない”けど、“どこにいたって笑っていたい”と歌うこの曲は、どうしてもネガティブになりやすい今の時代に、多くの勇気と一歩踏み出す力を与えてくれるはずだ。
そして、なにより、彼らの大きな絆を、真っ直ぐな言葉で表現している。どんなに苦しくても、どんなに逆境に立たされていても、一人じゃなければ“毅然としていられる”。いまの自分達なら、どこまでだって行ける。そんなSixTONESだからこそ説得力を持ち歌うことが出来るこの曲に、彼らを愛する人たちはきっと感動するはずだろう。そんな姿を見ながら、彼らはこう放つのだ。“絆深けりゃ傷は浅いから”と――。
これらのメッセージを乗せたサウンドは、疾走感に溢れている。こんなにも泥臭いメッセージソング、そしてエールソングが、驚くほどスタイリッシュに聞こえてくるのは、ロック、ジャズ、HIP HOPを融合したサウンドだからこそ。仲間と“共鳴”し、未来を切り開く、まさに今の彼らの心情をそのまま歌ったかのようなこの曲を、じっくりと堪能してもらいたい。
この「共鳴」のMVでは、彼らのパフォーマンスのバックに、このメッセージ性に強い歌詞をしっかりと脳内に届けてくれる、リリックビデオのような仕上がりになっている。このMVは、前作「CITY」収録の松村北斗×髙地優吾のユニット曲「真っ赤な嘘」で初の実写MVを撮影したえむめろ氏。「うやむや」「フィギュア」に続き、今作を手掛けている。
そして、彼らのシングルは、毎回驚くほどジャンルレスな楽曲がカップリングとして収録されている。
「FASHION」では、思わず笑顔になる軽快なサウンドに乗せて、“自分らしくいて”と歌う。希望に溢れていて、聴く人に自信を与えてくれるこの曲は、多くの人に笑顔を与えることだろう。何度も“自由でいいんじゃない?”と語りかけてくれるからこそ、我慢することなく、自分のアイデンティティを大事にする大切さを感じさせてくれるのだ。このMVはすでにYouTubeで公開されているので、観た人も多いことだろう。グリーンをベースにした部屋で、メンバーカラーのラグの上でそれぞれメンバーが可愛らしく様々なファッションに着替え、心躍る姿を“鏡目線”で見せてくれるのは嬉しい。おどけたり、弾けたりするクルクルと変わる表情もぜひ楽しんでもらいたい。
繊細なアコースティックのギターから始まり、田中樹の低く少しざらついた声色がグッと世界観に引き込む「Gum Tape」。時間を重ねた愛し合う二人が一緒に暮らす部屋を探すシチュエーションから始まるこの曲は、聴き進めていくうちに、それが回想だということ、ふたりがすでに別れていることに気付くのだ。まだ未練が残る主人公は、ふたりで暮らしたその家に残り、思い出をひとつひとつ段ボールに詰め、顔を歪ませながらガムテープで封をしていく作業をしていく姿が浮かぶこの曲は、「マスカラ」のような彼らのリアルな失恋ソングとして共感を呼ぶことだろう。曲が進むごとに、叫ぶように、“忘れないで”、“まだ…”、という想いが歌声からこぼれ落ちていくようで、とても、とても、切ない。ちなみに、通常盤には、「マスカラ」のリミックス作品「マスカラ-Emotional Afrobeats Remix-」も、続けて収録されている。ぜひ一緒に聴いてもらいたい。
「Waves Crash」では激しく刻まれたサウンドにほぼ英語詞が載る、彼ららしい疾走感漂うEDMだ。間違いなく彼らのダンスパフォーマンスが映えるだろう攻撃的かつ、ライブで盛り上がることを想定されたであろうこの曲は、声が出せるようになった未来に、大きなライブでのキー曲となることだろう。トラックがずば抜けてカッコいいのでぜひLowの音に注目してイヤフォン、ヘッドフォンで聴いてもらいたい。
楽曲をリリースするごとに、多くのジャンルの曲に挑戦しながらも、揺るがない芯を感じるのは、しっかりと自分たちの世界を持っているからこそ。オリジナリティあふれる彼らの存在感、楽曲達は、アイドルファンだけでなく、多くの音楽ファンに響くはずだ。そしてまた一歩、彼らは唯一無二の存在へと近づいていく。
文◎吉田可奈
▲通常盤
「共鳴」
■初回盤A
CD+DVD SECJ-40~41
価格(税込) : ¥1,760
スリーブケース仕様
[CD]M1. 共鳴
M2. Waves Crash
[DVD]
V1. 共鳴 -Music Video-
V2. 共鳴 -Music Video Making-
V3. 共鳴 -Dance Performance Only ver.-
■初回盤B
CD+DVD SECJ-42~43
価格(税込) : ¥1,760
スリーブケース仕様
[CD]
M1. 共鳴
M2. FASHION
[DVD]
V1. FASHION -Music Video-
V2. FASHION -Music Video Making-
V3. FASHION -Music Video Solo Movie-
■通常盤
CD SECJ-44
価格(税込) : ¥1,100
初回仕様:スリーブケース+フォトブック20P
[CD]
M1. 共鳴
M2. FASHION
M3. Gum Tape
M4. マスカラ -Emotional Afrobeats Remix-
M5. 共鳴 -Instrumental-
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