いい音爆音アワー vol.123「バクオン洋邦歌合戦 BOYS編」
いい音爆音アワー vol.123 「バクオン洋邦歌合戦 BOYS編」
2022年1月12日(水)@ニュー風知空知
「歌合戦」という言葉、おそらく昔は、和歌を詠み合って、どちらが優れているかを競う試合のことをそう呼んだのだろうなどと、思い込んでいたのですが、改めて調べてみると、それは「歌合[うたあわせ]」といい、「歌合戦」という単語は広辞苑などにも載っておりません。どうやらNHKの造語のようです。よく考えましたよね。前時代的ではありますが、そのぶん風格があります。ま、ともかく、それを勝手にお借りして、こちらは「洋邦歌合戦」を企画してみました。海外と国内のシンガー対決ということですね。といっても、私が自分の基準で選んだだけですから、要するにこういう切り口で、いい歌を聴こう♪というだけの話なのですが。でもまあ、組み合わせるシンガーのタイプは一応なんとなく合わせてみたりして、なかなか楽しめるものになったかな、と思っています。
当然ながら、海外の方が人材はずっと豊富なので、圧倒的に有利なはずですが、それでも「邦組」はかなり“闘える”布陣となりました。すべて聴き終わったあと、お客さんたちに挙手で、洋邦どちらがよかったかを表明してもらうと、わずか1票差で「洋組」の勝ち。私も互角だなと感じていて、改めて、日本人シンガーたちもなかなかのものだと見直したりなんかしました。
なるべくいろんな人に登場してもらうために、BOYS編とGIRLS編で分け、2ヶ月に渡る企画になっています。今回は男性シンガーが洋邦それぞれ8人ずつです。
ふくおかとも彦 [いい音研究所]
※邦楽→洋楽で1セット。これを8セット組みました。
- 邦①岡村靖幸「どぉなっちゃってんだよ」歌のうまさに加え、アクの強さにハマったらもう抜け出せない。詞曲のデキも最高。
- 洋①Maroon 5 (Adam Lavine)「Sugar」地声からファルセットへの切り替えがよどみなく美しく、ファルセットも力強い。
- 邦②中井昭・高橋勝とコロラティーノ(中井昭)「思案橋ブルース」知る人ぞ知る極上の“マシュマロ・ヴォイス”。だけど売れたのはこの曲のみ。
- 洋②Humble Pie (Steve Marriott)「Anna (Go to Him)」中井と同様、天然ファルセット・ヴォイスだけど、とってもソウルフルなのが持ち味。
- 邦③内山田洋とクール・ファイブ(前川清)「すべてを愛して」極端な後ノリなんだけど絶妙にリズムは崩れない、“ずらしグルーヴ”の名手。
- 洋③Otis Redding「Change Gonna Come」魂の叫び。「ソウルフル」という言葉はこの人の歌声のためにある。
- 邦④松山千春「恋」「紅白」には「トリなら出る」として出場を辞退し続けているというツワモノ。
- 洋④The Police (Sting)「Roxanne」いろいろいい曲ありますが、デビュー当時の素朴でやんちゃな歌唱をどうぞ。
- 邦⑤宮本浩次「Sha・la・la・la」ビブラートのない歌唱が好き。力強いシャウトができるのに、ファルセットも美しい。
- 洋⑤Wilson Pickett「Mercy, Mercy」シャウトさせたらこの人に敵う人はいないでしょう。
- 邦⑥山下達郎「悲しみのJODY (She Was Crying)」この曲、どこまでも高く伸びてゆくファルセットが圧倒的。
- 洋⑥Aaron Neville「Bridge Over Troubled Water(明日に架ける橋)」“ヨーデル・ソウル”というか実に独特な歌い方。とろけるようなファルセットもナイス。
- 邦⑦大滝詠一「さらばシベリア鉄道」サビの「12月の旅人よ」という部分の歌いまわしが絶品です。特に2番。
- 洋⑦Neil Young「Heart of Gold(孤独の旅路)」鼻声なのに抜けがいい。とにかく個性的で、どこで聴いても一発でわかるよね。
- 邦⑧サザンオールスターズ(桑田佳祐)「涙のアベニュー」日本語詞を英語風発音で歌うのは嫌いだけど、この人は気にならない。グルーヴがいいから?
- 洋⑧Queen (Freddie Mercury)「Don't Stop Me Now」声そのものにスピード感とゴージャス感が備わっているような気がする。